この記事をまとめると
■東京オートサロンに静岡工科自動車大学校が出展
「このNSX……なんか小さくね?」の感覚合ってます! S660をNSXに変身させた「miNi SX660」はなんとキット化して販売予定!!
■三菱の軽EVを「モンスター EK X」と名付け展示
■リフトアップしただけでなくボディを作り直すなど徹底的に手が入っている
eKクロスEVを学生たちが魔改造!
今年も年始早々に、日本最大のカスタムカーの祭典「東京オートサロン」が開催されました。
大規模な自動車メーカーのブースや、華やかなカスタムメーカーのブースが並ぶ中、全国の自動車大学校の学生によるカスタム車両の展示も来場者の注目を集めていました。
ここでは、年々その割合を増やす自動車大学校の展示のなかから、コンパクトカー部門の最優秀賞を受賞した「静岡工科自動車大学校」の「モンスターEK X」を紹介していきましょう。
■当校では初めてとなるEVのカスタムにチャレンジ
この「モンスター EK X」と名付けられたカスタム車両は、三菱の軽規格EVである「eKクロス EV」をベースに製作されたものです。
製作にあたったのは、「静岡工科自動車大学校」の3年生12人のチームです。
始めにアイディア出しをおこない、そのなかから選ばれたアイディアの発案者をリーダーに据え、3つのチームにわけて分担しながら仕上げていったとのこと。学校の先生が補佐に付きますが、基本的に作業はすべて生徒のみでおこなったそうです。
「静岡工科自動車大学校」の卒業制作ではこれまでEVを扱ってきませんでしたが、三菱からの車両提供を受けて、初めてのEVカスタムにチャレンジしました。
製作にあたってのコンセプトは、「EVからどれだけイメージを変えられるか」という点で、大胆さをアピールするために、アメリカのモンスタートラックのイメージをフィーチャーしたとのこと。
実際にこの車両を初めて目にしたときは、とてもベース車がEVだとは思えませんでした。
■圧巻の20インチ・リフトアップ!
なんといっても最大のポイントはその車高でしょう。じつに20インチ=50.8cmも車高がアップされているそうです。
その内訳は、ボディを持ち上げた分が300mm、サスペンションの延長と大径タイヤで200mm、合計で約500mmとなっています。
本格的なオフロード車のリフトアップの場合は、地上からの高さを確保するためにサスアームやショックアブソーバーの延長をおこないますが、この車両はあくまでも外観イメージの提案が狙いのため、それとは異なるアプローチでリフトアップしているのが面白いポイントでしょう。
それがボディを大胆に300mmもち上げるというやり方です。
ベースの「eKクロス EV」はFF方式のEVなので、フロントタイヤの間に動力源のモーターと変速機が合わさったユニットが搭載されています。
その駆動レイアウトはそのままに、ボディをもち上げた……というより、モーターと変速機のユニットとサスペンションまわりをごっそり、ボディから30mm下方に吊り下げたというほうがしっくり来ます。
要するに、ボディを動力と足まわりから分離して、その間にパイプなどで製作した高さ30mmの骨組みを挟み込んだということです。
エンジンルームをのぞき込んで見ると、モーターのユニットがかなり下方にあり、真ん中にぽっかり空間ができています。
また、モーターユニットがバッテリーから遠ざかることで配線や冷却水の配管が届かなくなってしまうので、新たに延長のケーブルやパイプを製作して対処しているとのこと。
こういう部分がEVカスタムならではのポイントでしょう。
さすがに公道の走行は考慮されていませんが、ステアリング系なども作動するようになっていて、実走は可能となっているそうです。
ボディはフルリメイク!
■ボディはいちど全部バラしてから作業をおこなった
カスタムの作業をおこなうにあたって、ボディ部分はいちどドンガラになるまですべてのパーツを外したそうです。
これには、安全のために高電圧を発生させるバッテリーユニットを外しておくという目的が第一にあります。加工をおこなう際に万が一でも感電のリスクを避けるためには必須の処置ですね。
そして、例のモンスタートラックのイメージに近づけるため、ルーフをバッサリとカットするのにも都合がいい、というのもバラした理由のひとつです。
車高の上がりっぷりに意識が集まってしまいがちですが、じつはこの大胆なイメージチェンジには、ルーフをカットしてパイプのロールバーを装着しているのも大きく貢献しています。
もちろんこのロールバーの製作も学生たちの自作によるものです。荷室には大径タイヤを保持するためのラックも装着されていて、これも同じパイプ材で製作されています。
後ろから見ると、ベース車両の面影を探すのが難しいくらいにバッサリとカットされていることが実感できます。
内張りも手を抜かずにしっかり製作されている点も注目です。
前後に装着されたクロスカントリー車風のパイプ式バンパーも新たに製作されたものです。フロントバンパーは凝ったつくりになっていて、ウインチも装着されていたりと芸が細かいです。
■雰囲気作りにも注力して仕上げている
このワイルドなモンスタートラック風のスタイルに合わせて、外装パーツの仕上げにもアイディアが盛り込まれています。
フロントのグリル部分は中央の三菱マークを外してスムージングしたうえで、タフな雰囲気を強調するように、シボ仕上げの塗装で仕上げられています。
マークを外した代わりに、「MITSUBISHI」の切り文字を製作して貼り付けています。
サイドには競技車両をイメージしたグラフィックをあしらい、ハードなイメージを盛り上げています。ちなみに前席部分の内装は純正のままとなっています。
ホイールはWORK製で、15インチの10Jというワイドサイズ。オフセットは-54という特注品。タイヤはYOKOHAMAのジオランダー。サイズは32×11.50-R15で、幅は292mm、外径は812mmという大きさです。
軽自動車、それもEVをカスタムするとここまで大迫力かつユーモア溢れる車両を作れるんだと、感心させられた1台でした。学生たちの熱意に感服です。
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みんなのコメント
駆動系がそのままだから最低地上高は変わらず走破性もノーマルと変わらない
つまりリフトアップする意味がない、見た目だけ
車に限らず工業製品のデザインは機能美に従うべきだと思います
学生さんの勉強用かもしれませんが車作りの本質から外れていると感じます