フェラーリ 458イタリアは、史上最速のV8フェラーリを目指した【スーパーカークロニクル／075】

1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、フェラーリ 458イタリアだ。

フェラーリ 458イタリア（FERRARI 458 ITALIA：2010-2013）
2009年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされた458イタリアは、先代のF430から一変した新世代のV8ミッドシップ搭載モデルだ。車名の458とは、エンジン排気量と気筒数（つまり4.5Lの8気筒搭載モデル）を意味し、サブネームにはルカ・ディ・モンテゼーモロ会長によってフェラーリの母国である「イタリア」の名が与えられた。ボディデザインは、もちろんピニンファリーナだ。

縦置きミッドシップ搭載されるパワーユニットは、完全な新設計で4.5Lの90度V8 DOHC。フェラーリ製のロードカーとしては初めて最高出力の発生回転数を9000rpmで実現した。最高出力は570psで、リッターあたり127psという数値は自然吸気エンジンとしてはかなりのもの。最大トルクの540Nmも6000rpmで発生し、しかも3250rpmから最大トルクの80％を発生する。従来のフェラーリエンジン同様に可変バルブタイミング機構も備え、最高速は325km／h以上、0→100km／h加速は3.4秒以下を実現している。この数値は、ひと昔前のV12フェラーリを凌ぐ性能だ。

F430同様、アルコア社が手がけたアルミニウム製シャシはさらに進化しているが、これもアルミニウム製のボディ外板のデザインは、ミッドシップ特有のエアアウトレットをサイドウインドー後方の目立たない部分に設定するなど、空力的にも高度に計算されている。アルミニウム製のパーツはサスペンションアームにまでおよび、F430よりわずかにサイズアップしながらも車重は1380kgに抑えられている。ブレーキはブレンボ製で、ローターにはセラミックカーボンも採用されていた。

2011年のフランクフルト モーターショーではオープンモデルの458スパイダー（これにはイタリアのサブネームは付かない）が発表された。それまでのソフトトップではなく、トップにはミッドシップ2シーターとしては世界で初めて電動開閉ハードトップが採用された。

458イタリア、458スパイダーとも日本仕様には右ハンドルも設定。また、エンジン出力を605psにパワーアップした458スペチアーレも2013年に発表されている。

フェラーリ 458イタリア　主要諸元


●全長×全幅×全高：4527×1937×1213mm
●ホイールベース：2650mm
●車両重量：1380kg
●エンジン種類：90度V8 DOHC
●総排気量：4497cc
●最高出力：570ps／9000rpm
●最大トルク：540Nm／6000rpm
●燃料：無鉛プレミアム
●トランスミッション：7速DCT
●駆動方式：縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ：前235／35ZR20、後295／35ZR20

[ アルバム : フェラーリ 458イタリア はオリジナルサイトでご覧ください ]