BMWのミッドサイズSUVであるX3がフルモデルチェンジし、試乗することができた。第3世代となったX3の外観の大きな変化はフロントフェイスデザインで、それ以外ドライスティックに変化しようには感じないが、試乗してみるとさらに上質感が向上していることに驚かされた。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
今回のフルモデルチェンジでは先代の開発コードF25型からG01型へと変更されている。ボディサイズも変更され、全長4720mm、全幅1890mm全高1675mmでホイールベースが2865mmで50mm長くなる変更をしている。これは、フロントのダブルジョイント・スプリング・ストラットアクスルをアルミ製のピボットベアリングの形状変更によるものだ。リヤは従来同様の5リンクを採用している。
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試乗したモデルはX3 xDrive 20d M Sportで2.0Lのディーゼルターボ搭載モデル。価格は710万円(消費税込み)でディーゼル搭載モデルのトップグレードになる。燃費は、燃料消費率と資料にはあり複合モードで5.7~6.0L/100kmとなっている。これは新基準のWLTP測定モードに基づく測定値を比較のためNEDCに換算したものだという説明だ。概ね17.0km/L近辺の数値になるだろう。また、エコカー減税対象モデルで自動車取得税と重量税は免税、翌年度の自動車税75%減税となっている。
X3のグレードはガソリン、ディーゼルともに導入予定になっているが、ガソリンモデルは2018年春の導入予定となっている。予定しているラインアップは、3.0Lの6気筒ガソリンモデルが2機種でM40iとxDrive30i。2.0L4気筒のガソリンモデルは、xDrive30iとxDrive20i。それと2018年春から欧州以外で販売予定のFRモデル、sDrive20iもラインアップしている。そして今回試乗したxDrive20dというラインアップだ。
グレードはxLine、M SportのほかにX3に初めてラグジュアリーLineが加わり、バリエーションが増えた。特にM SportにはBMW Individual塗装というのが導入され、専用の3ストーン・メタリック・ペイントが選択できる。
エクステリアの変更はBMWのアイコンであるキドニーグリルが大きくなり、またボディサイドに新たに採用されたエア・ブリーザーによってキャラクターが強調された。全体にオフロードをもイメージさせる力強さとアグレッシブな印象のエクステリアに変更となった。
インテリアはよりモダンでラグジュアリーなデザインとするため、クローム加飾を効果的に採用し、リヤ・ドアパネルやセンターコンソールに「X3」のエンボス加工をなどが加えられた。
進化した運転支援システム「ドライビング・アシスタント・プラス」はステレオカメラの搭載、フロントに3つ、リヤに2つのミリ波レーダーを搭載し、緊急停止や高速道路渋滞時の追従機能などのサポート機能が向上している。
高速道路では車線内の中央付近を走行しやすいようにサポートするステアリング&レーン・コントロール・アシストに進化。またアクティブ・サイドコリジョン・プロテクションは隣車線からの進入で側面衝突の危険性が高まった場合にはステアリング介入があり、衝突を回避する機能も加わった。
■試乗インプレッション
初代X3は2003年にデビューしているが、導入以来xDriveの四輪駆動はさらに進化しているようだ。試乗環境は箱根のワインディングで、滑りやすいとか、悪路といったシーンではないが、スポーツ4WDとしての性能を存分に味わうことができた。
前述のようにフロント・サスペンションはダブルジョイントのストラットで仮想キングピン軸をタイヤ接地面のセンターに持っていき、リヤ5リンクを踏襲している。さらにアルミのピボットベアリングや軽量スタビライザーなどで、バネ下重量を軽量化している。さらにフロントホイール・コントロールを最適化し、アクスル・キネマティクスの改良と説明しているが詳細が分からない。が、これらの改良によって、軽量化とスタビリティに影響するチューニングを施しているということだろう。
さらに、ロールモーメントの配分を大きく後方へ移動させ、xDriveの駆動配分もリヤ側へ増加させる変更している。もちろん、走行状況に応じて駆動配分の変更が行なわれる。
こうしたシャシー周りの変更を踏まえてスタアリングを握ってみると、BMWらしいリニアな操舵感があり、乗り心地もすこぶる快適だ。特に操舵フィールにおいては、パワーステアリングの電動フィールが全くなく、かつての油圧式と遜色ないフィールがある。電動パワーステアリングが一般化する中、わずかな操舵や切り足し、切り戻しなどで違和感と感じるゲインがあるものだが、BMW X3では全く感じない。それはジャーマン3の中でも突出して操舵フィールがナチュラルだと思う。
試乗車のエンジンは2.0Lディーゼルターボで、190ps/400Nmで0-100km/h加速は8秒、最高速度213km/hと主要スペックは先代のX3と変わっていない。がエンジン自体のノイズも小さくなっている。もちろんプレミアムモデルのX3なので、車室内ではエンジン音は聞こえないように、遮音はできている。
そして滑らかさにも磨きがかかったと思う。これまでは40km/h以下ではディーゼル独特のゴロゴロとしたフィールがアクセルペダルから伝わってくるが、それがガソリン車のように滑らかになっている。もともと高速域ではガソリンなのかディーゼルなのか区別が付けにくいレベルのディーゼルエンジンだが、唯一の低速時とアイドリングの音が静かさと滑らかを手に入れたと言っていいだろう。
これらのシャシーとエンジンから創りだされるフィーリングは、高級SUV(BMWではSAV)としてのスポーツ性と高級感で多幸感をあじわうのだ。「ここまで滑らかに走るのかぁ」と畏敬の念すら沸いてくる。
安心感の高い直進状態からゆっくりハンドルを切り始めると素直に回頭が始まりヨーを感じる安心感。アクセルを踏み込めばディーゼル特有の低速からのパンチの効いた加速でコーナーを脱出する。あまりの気持ちよさに、速度も上昇気味になる。が、X3は一向に気にもせずドライバーの意思通りに動いていく。
2017年6月に5シリーズがフルモデルチェンジをしているが、この時もドライスティックなデザイン変更は感じなかった。ある意味完成した領域に達しているからだろうと記事を書いたが、X3も同様の印象を持つ。だが、機械的な部分と制御の部分においては大きな進化を遂げたと言えるだろう。
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