かなり高い完成度を誇っていた1台
税制面などで優遇されている代わりに、ボディサイズや排気量、乗車定員に制限が設けられている軽自動車。そのため、より広く感じる室内空間を実現するためにはすでに目いっぱいの全長や全幅はそのままに、全高を高めるという手段が採られ、スーパーハイト軽ワゴンというものが誕生して人気を集めているのはご存知の通りです。そんなスーパーハイト軽ワゴンの元祖モデルは諸説ありますが、1990年3月に発売された三菱の「ミニカトッポ」も間違いなく時代を先取りした1台と言えます。
三菱「ミニカ オープントップ」はフィアット「パンダ」より開放的だった! キャンバストップがかわいい軽自動車を覚えてますか?
使い勝手を優先した作りとなっていた
この三菱「ミニカトッポ」は車名からも分かるように、軽セダンおよびボンネットバンの6代目「ミニカ」がベースとなっており、Aピラーよりも前側はベース車と同じものとなっていた。その一方でAピラーは角度が明らかに高められたうえで伸ばされて、全高はベースの1465mmに対して1745mmとなっており、往年のチョロQのようなスタイルとなっていたのだ。
ボディ形状は2ドア+テールゲートの3ドアとなっていたが、リアシートへのアクセスも考慮して助手席側のドアの方が大きくなっていた点も面白い。室内空間はベース車に準じており、ダッシュボードなどは共通のものとなっていたが、フロントシートの着座位置は30mmほど高められていた。アップライトに座らせることでより室内を広く使うことができるようになっていた。
そして高められた天井部分にはオーバーヘッドシェルフやユーティリティレールなどが備わっていたほか、荷室側面には電源ソケットを用意するなど、使い勝手を優先した作りとなっていた。くわえて豊富に用意されていたオプションパーツでさらに使い勝手を高めることも可能だった。
バックドアはサイズが大きくなったこともあってベース車の跳ね上げ式から横開き式に変更されていたが、リアガラスを跳ね上げ式とすることでどちらからもラゲッジへアクセスできるようになっていた点もきめ細やかな配慮と言えるだろう。
NAエンジンながら52馬力を発生していた
そんなミニカトッポはベース車がミニカということもあり、商用モデルを除き、DOHC 15バルブの3G83型エンジンを搭載していたことも特徴のひとつで、ECIマルチと名付けられたインジェクションモデルではNAながら52psという高出力を実現していたのだ。
さらに1992年1月に追加されたキャンバストップ仕様の「Qt」には、3G83型のインタークーラーターボ仕様が搭載され、64ps/9.8kgmの出力を発揮していた(NA仕様のキャンバストップ仕様、Qcも存在)。
今ではなかなか見かける機会も少なくなった初代ミニカトッポではあるが、スーパーハイト軽ワゴンの元祖的存在でありながら、ユーティリティ的にはかなり高い完成度を誇っていた1台と言えるのではないだろうか。
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