プラットフォーム開発の遅れが響いたか
英国の自動車メーカーであるベントレーは、初の量産EVの導入を2026年後半に延期した。その傍らで、プラグインハイブリッド車(PHEV)の開発に注力する。
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当初は2025年に1台目のEVを発売し、その後2030年までに6車種へ拡大する計画だった。現在、1台目のEVを2026年後半に発売後、2027年から納車を開始し、そこから2033年にかけて新型車を順次導入していく計画だという。
ベントレーのエイドリアン・ホールマークCEOによると、これはすべて確定した投資プログラムの一環であり、「手戻り」することはないという。
発売延期の理由の1つに、プラットフォーム開発の遅れが挙げられる。ベントレー初のEVは、フォルクスワーゲン・グループ内でアウディとポルシェが共同開発した先進のPPEプラットフォームを採用するが、PPEは当初の予定より約1年完成が遅れた。
同じくPPEを採用するアウディQ6 eトロンとポルシェ・マカンにも影響が出たとされている。また、ソフトウェア開発の遅れも要因だという。
しかし、この遅れにより、「2025年に実現するよりも優れた自動運転機能」を搭載できるとホールマークCEOは述べている。具体的には、低速走行時の運転支援技術と高速道路での自動運転において進展が期待できるという。
新型EVは英国クルーの本社工場で生産される予定で、工場では大規模な改修工事が進められている。
V8ベースのPHEVがまもなく登場
一方で、最近のEV需要の成長鈍化を受け、PHEV開発にも積極的に取り組んでいる。ベントレーは現在、V8エンジンをベースにした新しい高性能ハイブリッド・パワートレインを開発し、発表に向けた準備を進めている。
今年後半、コンチネンタルGTとフライングスパーに大幅改良を実施し、新しいV8 PHEVを導入する予定だ。
ベンテイガで採用されている既存のV6 PHEVは今後もラインナップに残る。ベンテイガは、2026年に全車ハイブリッド化する。
ベントレーはPHEVにさらに「数億ポンド」を投資し、2030年代初頭まで販売を続ける予定だ。
こうしたハイブリッド車についてホールマークCEOは、「CO2排出量を効果的に削減し、(EVを)購入する余裕がない人や、EVが強制する使用パターンに耐えられない人のための、信頼性の高い電動化技術」と説明している。
ベントレーは昨年、史上3番目となる1万3560台の販売台数を記録し、5億8900万ユーロ(約970億円)の営業利益を達成した。
販売された車両の約70%は、平均3万8000~3万9000ユーロ(約620~640万円)のオプションが追加されており、単価上昇が収益性の向上につながった。また、マリナー部門によるコーチビルドも好調を支えた。
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