自動車が誕生したときのように仕事の取捨選択が起こる可能性も
脱炭素へ向け、生き残りをどうするかの判断は、自動車業界内だけの知識では難しい。単に新車開発や販売を脱炭素にできればいいわけではないからだ。
電気代は高い? 急速充電でも速度が違う? オーナーが語るEV「充電」のリアル
また、現在の電源構成などを基にしたライフ・サイクル・アセスメント(LCA)を参考にしても、回答は得られない。国のエネルギー政策の行く末を視野に入れなければ、未来を予測できないからだ。LCAとは、いまの話でしかない。その意味で、アナリストや経済学者などは、過去から現在までのデータ分析によって今を語る仕事であり、未来を予測できる人材は限られている。専門分野に深く関わる人ほど、なかなか未来を予測できない時代になっているのである。
100年前の20世紀序盤、1920年までの欧米社会は、まだ馬車がガソリンエンジン車と混在し、明かりにはランプやローソクを使っていた。そこからガソリンエンジン車が普及しだし、電灯がはいってくる。電話もつながるようになったが、電報も併用されていた時代だ。人々の暮らしは19世紀から大きく変化し、馬車の事業者は廃業に追い込まれ、ランプの灯油を売っていた事業者はガソリンスタンドへ転身した。同じように、21世紀に入り20年を経た今日も、100年前と同じように仕事が取捨選択され、新しい価値が入り込み、そこに新たな事業も起こるが、廃業せざるをえない業種も生まれるのである。
クルマでいえば、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアー・エレクトリック)が時代の先端で、それらを達成することが当面の目標と考えられているが、もはやそれだけでは済まないことは、アップルEVの話題が騒然としたことでもわかる。
アップルがiPhoneとして打ち出したスマートフォンの価値は、もはや電話が移動電話となった域を超え、情報通信さえも超えて、財布代わりであったり、見守り機能であったり、暮らしを支えるあらゆる価値や安心を提供する中心的端末となった。それを生み出した企業がEVをつくるとしたら、どのような価値を創造できるだろう。
アメリカや中国に対して日本は出遅れている面も……
具体的にアップルがどのようなEVを考えているのか、その具体像は何もない。しかし、たとえばEVは、クルマとしての移動価値に止まらず、EVから家庭や施設などへ給電する機能を持つことで、社会の電力需給を管理・制御する一翼を担うことになる。それは、燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)が、緊急時に電力を供給できるという水準を超え、日常生活のエネルギー需給に深く関わることを意味する。これは、ガソリンスタンドでの給油や、水素ステーションでのガス充填という、20世紀型の社会基盤に依存するクルマでは不可能だ。ここですでに、排出ガスゼロ(脱炭素)の発想だけでは不十分であることがわかる。
単に脱炭素といって、クルマの機能だけを考え、LCAでどちらが優れるかと論議することはもはや意味を失っている。いかに社会と深くつながり、関われるかが問われる未来像であり、その実現へ向け、箱庭のような都市をつくってクルマを開発しても手掛かりは少ないだろう。
たとえば米国カリフォルニア州では、自動運転の検証について米国や中国の企業が日本に比べ100倍前後の距離を実際の道で走り込んでいる。現実の社会とのつながりがいかに重要であるか、そこに気付いているかどうかが勝負の分かれ目なのだ。
製造業から移動サービス業へ転身するだけでは未来はない。社会の安心と継続的な暮らしの創造にいかに深く組み込んでゆけるか。それを現実社会で一人ひとりの暮らしと関りを持ちながら検証し、実証する意味を認識し、そこへ挑戦できる企業しか生き残れないのである。それはもう始まっていて、日本は手遅れの恐れさえある。
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