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ダンロップ山本悟社長が中嶋悟監督に感謝を伝える。住友ゴムがブランド戦略発表会を開催

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ダンロップ山本悟社長が中嶋悟監督に感謝を伝える。住友ゴムがブランド戦略発表会を開催

 住友ゴム工業は12月3日、東京都内でダンロップブランド戦略発表会を開催し、新ブランドステートメント『TAKING YOU BEYOND』を策定したことを発表した。今後、同社はコミュニケーションブランドを『ダンロップ』に統一し、グローバル市場でのプレミアムブランドとしての地位確立を目指しブランド価値向上に取り組むことをアナウンスした。発表会では山本悟社長とModulo Nakajima Racingの中嶋悟監督との『ダブル悟』スペシャルトークショーも行われ、会場の来場者を盛り上げた。

 住友ゴム工業は2025年1月にグッドイヤーより欧州、北米、オセアニアにおけるダンロップの商標権等を約826億円で取得。それまで欧州、北米、オセアニアでは『ファルケン』ブランドを展開していた住友ゴム工業だったが、この商標権取得により、一部の地域や商材を除き住友ゴム工業が『ダンロップ』ブランドを活用した事業の展開が可能となった。

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 これで同社はダンロップブランドを基軸としたグローバルブランド経営を推進すると、3月に発表された長期経営戦略『R.I.S.E. 2035』にて宣言。これまでもダンロップブランドは同社にとっては大きな存在ではあったが、あくまで代表的な製品ブランドのひとつであった。ただ、これからのグローバル展開を見据え、コミュニケーションブランドとして『ダンロップ』を名乗ると説明した。住友ゴム工業は社名の変更はないが、海外販売会社は社名にダンロップが入るよう社名が変更されるとも明らかにされている(例:ドイツのファルケンタイヤ・ヨーロッパはダンロップタイヤ・ヨーロッパへ社名変更)。

 さらに12月にはマレーシア、シンガポール、ブルネイにおけるダンロップ商標の独占使用権を取得したことも明らかにされており、まさにグローバルでのブランド展開を加速させている真っ最中だ。また、策定された新ブランドステートメント『TAKING YOU BEYOND』には、「挑戦するすべての人々の可能性を広げ、その先へ導く存在であり続けるという想い」が込められている。同社は「今後は『挑戦を支える安心』、『期待を超える体験』、『限界への挑戦』という3つの提供価値を、すべての商品・サービスで体現し、革新的な体験を通じて世界中の人々にポジティブな感情を生み出すことを追求していきます」としている。 

 そして多数の業界関係者・報道関係者が集った発表会では、住友ゴム工業の山本悟代表取締役社長、そしてスペシャルゲストとしてスーパーGT GT500クラスに参戦するModulo Nakajima Racingの中嶋悟監督が登壇するトークショーが行われた。山本社長はかつてサーキットのパドックでタイヤの入れ替えを行なっていた経験もあり、同じ悟(さとる)という名前で日本人初のフルタイムF1ドライバーとして活躍した中嶋監督は憧れの存在。『ダブル悟』としてトークショーに登壇した際に山本社長は満面の笑みを見せて、中嶋監督とModulo Nakajima Racingへの感謝の想いを伝えた。

 ふたりのトークは弾み、話題は長らくダンロップタイヤの開発を担ってきた伊沢拓也のGT500クラスでの活動終了に。伊沢のGT500クラスでのラストレースを見届けるべく、山本社長は「とにかく飛んで行かなければ、と思いました」と振り返った。

 というのも、スーパーGT最終戦もてぎの週末、当初山本社長はドイツ出張のためもてぎ入りする予定はなかった。しかし、長年ダンロップタイヤの開発を担ってきた伊沢のGT500引退レースを見届けるべく「帰国したら決勝日の朝でした。なので、そこからもてぎに向かおう」と、決意。急遽空港からクルマを手配してもてぎへ向かったという。

「伊沢選手にはとにかく開発でお世話になりました。今のダンロップタイヤがあるのはもちろん中嶋悟監督、そして伊沢選手からいろいろなアドバイスをいただいたおかげですので、感謝しかありません」と、山本社長。その言葉を隣で聞いていた中嶋監督は「年齢や経験があってだとは思いますが、開発のためにタイヤテストで(伊沢に)乗ってもらうと、いろいろな言葉でタイヤの状況を表現してくれました。その表現が、我々にとって大きな助けになったと思います」と、改めて伊沢のタイヤに対する細かな表現力を高く評価していた。

 トークショー終了後、会場にいた伊沢に山本社長とのエピソードを聞くと、「(スケジュールの都合で)当初から山本社長が今季最後にお越しになるのはSUGOだと聞いていました。SUGOのレースウイークは調子もよく、決勝で僕がスティントを終えて戻った瞬間にピット内を見ると、(Modulo Nakajima Racingの)ピットの中で山本社長が一番前でモニターに釘付けになって応援してくださっていて、びっくりしました」と、振り返った。

 そして最終戦モビリティリゾートもてぎの決勝日、ドイツ出張で帰国した空港からもてぎに直行した山本社長。残念ながら、スタート進行までに到着することは叶わなかったというが、伊沢がGT500最後のスティントを終えてピットに戻ると、伊沢を真っ先に出迎えたのが山本社長だったという。「お疲れ様と、言ってくださいました」と伊沢。

「こうしたエピソードを含めて、ダンロップさんは人間味溢れる会社です。会社としてモータースポーツを熱心に応援しているのも、社長がこのようにモータースポーツに熱意があるからだと感じますし、だからこそタイヤ開発を担う若いエンジニアの人たちも、仕事がやりやすいのだろうと思います。その頑張りが、頑張った分だけタイヤの性能向上に生きますし、僕たちもレースを戦いやすい環境だったと思います」

 グローバル市場でのプレミアムブランドとしての地位確立を目指しブランド価値向上に取り組むダンロップ。その取り組みとして、テニスやゴルフなどスポーツの持つアクティブなイメージによるブランド好意度の底上げ、若年層に向けたeスポーツ分野での展開に加え、『モータースポーツへ積極的な参入』についても明言された。モータースポーツ分野において、ダンロップブランドのプレミアムブランドとしての地位確立を目指した取り組みがどのように行われるのか、これまで続けられてきたモータースポーツを通じたタイヤの研究・開発に加え、プロモーション活動にも注目が集りそうだ。

[オートスポーツweb 2025年12月03日]

文:AUTOSPORT web
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