2009年、アバルト グランデプントのハイパフォーマンスモデル「エッセエッセ」が日本上陸を果たした。グランデプントのアバルトモデルをさらにチューンしたモデルで、価格はベースモデルの65万円高だった。では、その走りはどうだったのか。ここでは上陸場間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年12月号より)
タービンをギャレット製の大型のものに変更
アバルト グランデプント エッセエッセ(esseesse)は、今年(2009年)4月、日本に上陸した新生アバルトの、早くも3つ目となるモデルだ。
4代目150系トヨタ ランドクルーザー プラドは、頑固なまでに正統派だった【10年ひと昔の新車】
3つ目とはいっても、名前の通り、ベースは最初に導入されたアバルト グランデプント。このクルマは、そのハイパフォーマンス版となる。
大きく違うのはエンジンまわり。1.4Lターボという構成こそ変わらないが、ターボがIHI製からギャレット製の大型のものに変更されている。また、フューエルインジェクション、エンジンECUがハイパフォーマンス仕様になる。さらに、防塵効果と吸入効率の高さから、複数のF1チームも採用するイタリアはBMC製のエアクリーナーを装備している。
これらによって、アバルトグランデプント比で最高出力は+25psとなる180ps/5750rpm、最大トルクは+40Nm(アバルトグランデプントのオーバーブースト時比)となる270Nm/2750rpmにまで高められた。最高速度は+7km/hの215km/h、0→100km/h加速は−0.7秒の7.5秒をマークする。
そんなエッセエッセに乗り込むと、インテリアに関しては、メーターパネルやスポーツシート、アルミ製スポーツペダルなど、その形状は変わらないことがわかる。エッセエッセ専用エンブレムといった類のものもない。「左ハンドル、6速MTのみ」という設定もそのままだ。
やる気一発で走りが一変、アバルトマジックの本領発揮
だが走り出すと、やはり違うクルマであることがすぐにわかった。サスペンション形式はそのままに、専用設計を採用するコイルスプリングとダンパーが奢られたこともあって、一般道での乗り心地が明らかに硬くなっているという印象だ(ちなみに、車高も15mm低くなっている)。
しかし、ワインディングへと移動すると、負荷がかかる場面ではしっかりとストロークする。コーナリングでは、タイヤサイズがアバルト グランデプントの17インチではなく18インチを装着するため、接地感が高くなっており、ハンドルを切った分だけイメージどおりに曲がってくれるのだ。
自然と速度が上がってくるが、フロントのブレーキパッドが強化され、制動力が上がっており、しかも扱いやすいので安心してコーナーに入っていける。また、前後ともドリルドローターを装着するため、耐フェード性能が向上していることも、つけ加えておく。
低回転から太いトルクを発生させるので、コーナーからの立ち上がりも含めて、加速が鋭さを増している。クローム仕上げのデュアルスポーツエキゾーストパイプの奏でるエキゾーストノートも、コンパクトカーながら、ひとクラス上を行く感じででかっこいい。
こうした状況で、インパネの「SPORT BOOST」ボタンを押した。しかし、このモードを選択しても、もともとハイパフォーマンスなエッセエッセでは、最大トルクが太くなるということはない。スロットルレスポンスが上がり、パワーステアリングのアシスト特性が変わり操作感が多少重くなるだけだ。
それでも、ダイレクトな操作感を楽しむことができるため、スポーツ走行時には積極的に選びたくなる。こうした、走りそのものだけではなく、気分を盛り上げるという演出面にも、アバルトマジックの妙を感じるところだ。
エッセエッセのエクステリアがアバルト グランデプントと違うのは、車高とタイヤサイズの差、白く塗られたホイール、そしてリアにつけられた「esseesse」のエンブレムのみ。そのため、一瞬では見分けがつかないかもしれない。
だがその走りは、アバルトの名前から想像するイメージより大人しめだったアバルト グランデプントのものから、ずっとスポーティなものになっており、まったく異なっていた。
アバルトグランデプントでは物足りないと感じていた人には、刺激的なエッセエッセの走りをぜひ味わってみてほしい。(文:Motor Magazine編集部/写真:永元秀和)
アバルト グランデプント エッセエッセ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4060×1725×1465mm
●ホイールベース:2510mm
●車両重量:1240kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1368cc
●最高出力:132kW(180ps)/5750rpm
●最大トルク:270Nm/2750rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:13.5km/L
●車両価格:335万円 (2009年当時)
[ アルバム : アバルト グランデプント エッセエッセ はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
車に表示される「亀マーク」の“意味”に「分からなかった…」 の声も! 謎の「青いイカ」に「コーヒー」も!? 多すぎるメーターの「警告灯」何を示す?
まさかの「4列“10人乗り”SUV」!? 90馬力エンジン×MT設定のみ! アンダー270万円の「“既視感ありまくり”SUV」…斬新すぎインド車に反響も
目標の4倍以上も!? マジで爆売れ中の[WR-V]!! 1カ月に1.3万台以上も! 主役Zグレードはオプション要らずの凄いヤツ!!
【マジか・・・】絶句・・・このEクラス エステートの走行距離ですか?たったの160万km超だそうです さすがはベンツ・・・?
クルマ降りたらビッシリ! 取れない“虫汚れ”どうやって落とす? ボディに優しい方法は
走り続けてはダメ! ムリな割り込みもダメ! たかがこれだけの「追い越し車線」の「基本」が守れないから高速道路は渋滞するしトラブルも起こる!!
なぜ「小さな高級車」支持される? コンパクトカーなのに「クラス超えの豪華内装」採用が増加! 高価格な小型車はどんな人が乗るのか
日本のショップ「RWB」が手掛けたポルシェ「911」の世界的な評価は? 予想より低い約1800万円でした
日銀の「利上げ」は新車販売にも影響! 人気の「残価設定ローン」の金利が上昇する可能性もアリ
ズルい? ズルくない? 先頭で合流する「ファスナー合流」 “賛否両論”も実はNEXCO推奨!? 「渋滞解消」への画期的な合流方法とは
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?