当初は3気筒1.0Lターボガソリンのみ
text:Matt Prior(マット・プライヤー)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)新しい日産ジュークが発表された。いまのところ新型は日本へは未導入だが、先代は9年間に渡って生産された。コンパクト・クロスオーバーを広く一般化した、流行の先取りモデルだった。
新しいジュークも初代と同様に背が高めのハッチバック。先代よりボディサイズは成長しているが、巨大になったわけではない。全長は4210mmで、フォード・フィエスタとフォーカスの中間ぐらい。リアシートにも大人が充分座れるようになり、荷室容量も20%増えで422Lになった。
プラットフォームはルノー・日産・三菱アライアンスによるスモールCMF-Bを採用。ルノー・クリオやルノー・キャプチャーなども採用するものだ。生産は欧州仕様の場合は英国のサンダーランド工場で行われる。
構造は最新といえるものではなく、フロントはマクファーソン・ストラット式、リアはトーションビーム式のサスペンションを備える。横置きされるエンジンは前輪のみを駆動する。
エンジンはいまのところ3気筒の1.0Lターボガソリンのみ。116psの馬力と18.3kg-mのトルクを生み出す。高めのギアに入っている時は、オーバーブースト機能により最大トルクが20.4kg-mまで太くなり、追い越し加速を楽にしてくれる。
プラットフォームは電動化技術の採用も前提となっている。近々ハイブリッド版も追加となるだろう。
ジュークらしいエクステリアデザイン
加速性能は程々で、6速MTの場合、静止状態から100km/hまでに要する時間は10.4秒。7速デュアルクラッチATは1400ポンド(18万円)の追加で選択できるが、100km/hまでの加速時間は0.7秒増える。
燃費はホイールサイズやグレードによって異なるものの、WLTP値の値では15.6km/Lから16.9km/Lとなっている。二酸化炭素の排出量は110g/kmから118g/kmとなる。
初代ジュークの販売を牽引したのは、初めは目新しさだったと思うが、その後はデザインだった。当初はかなり斬新なデザインだと受け止められていた。しかしコンパクト・クロスオーバーの人気が高まりライバルが増えると、突出した存在感は販売を後押しすることになった。
新型のデザインも、しっかりジュークらしい。少し昔のSF映画に出てきそうな雰囲気もあり、日産モデルに通じるデザイン要素も感じ取ることができる。リアスタイルはトヨタC-HRとの近さも感じられる。初代ほど好き嫌いが別れにくいデザインだと思うが、いかがだろう。
インテリアのデザインは、やや大人しめ。だが円形の送風口やトリムレベルによっては鮮やかなカラーを配することもでき、表現力は高い。アクティブセーフティ技術と、スマートフォンとの連携もできるコネクティビティ機能も充実している。
シートポジションの調整代は大きく、小径なステアリングホイールが備わる。シフトノブは適度にドライバーに近く、スポーティさを高めたといえそうだ。後方視界は褒められないが、前方視界は良好。ボンネットを見渡せるから、低速域での扱いは同等のコンパクトカーよりも簡単だと思う。
スポーティさは薄いが乗り心地は改善
ステアリングやペダル類の操作時の重み付けも、軽いながら好印象。ドライブモードが備わり、スロットルレスポンスをなだめるエコモードから、ステアリングが少し重くなりすぎるスポーツモードまで選べる。
日産は新型ジュークの発表時に、スポーティというフレーズを多用していたが、実際はどのドライブモードでも、さほどスポーティさは感じられない。ノーマルモードのままが一番良いだろう。セアト社のコンパクトSUVの方が、スポーティネスは高い。
だが、全高が高めのクルマの姿勢制御を良くする上で避け難い、サスペンションを硬くするということを上手にかわしている。標準装備となるホイールは19インチの大径サイズだが、ほとんどの場面でジュークの乗り心地は良好だ。
路面によっては時折強めの衝撃は届けてしまうし、ロードノイズはうるさい方。小径ホイールなら恐らく改善されるだろう。フェンダーには黒い樹脂カバーが付いているから、インチダウンしてもさほど見栄えは悪くならないはず。タイヤサイズは225/45だ。
エンジンのできは悪くなさそうだ。3気筒エンジンらしい独特のハミングは小さく、低回転域からのトルク感も豊かというわけではない。しかし2000rpmを超えてくると気持ちよく吹け上がる。高音域の唸り声が響いてくるが、MTが発するものかもしれない。
1.0LエンジンはMTで1182kg、ATで1207kgのボディを引っ張るには充分なパワーを備えている。マニュアルでは活発に走らせられるが、ATはベストなギアを選ぶのに迷いが生じることがあるようだ。正確な評価にはもう少し連続した試乗が必要ながら、このクラスのベストの質感とはいえなさそうだ。
ジュークならではの性格付けが欲しい
初代ジュークが登場した時、ライバルモデルは限られていた。現在は20台以上は思いつくが、かといって魅力的なモデルによる競争が展開されているとは感じられない。筆者としては、通常のコンパクト・ハッチバックなどを選んだ方が良いと思ってしまう。燃料効率も高く運転した印象も優れている。
一方で確かに、クロスオーバーの高めの車高はチャイルドシートへ子供を乗せる時だけでなく、大人も乗り降りがしやすい。路面の起伏や歩道の段差などを超える際でも有利だ。さらに英国では1万7400ポンド(231万円)から2万5400ポンド(337万円)というジュークの価格も、訴求力は強い。
ジュークにはまだ、優れたコンパクトSUVの選択肢に入る高い可能性が残っている。楽しい運転体験か上質な洗練性か、どちらかを獲得して欲しい。今はどちらにもフォーカスされていないが、基本は充分に評価できる。先代に見られた角の立つ心地も改善している。残るは挑戦者としての、明確な性格付けにあると思う。
日産ジュークのスペック
価格:2万3895ポンド(317万円)
全長:4210mm
全幅:1800mm
全高:1595mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:10.4秒
燃費:16.1km/L
CO2排出量:118g/km
乾燥重量:1182kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:116ps/5250rpm
最大トルク:18.3kg-m/1750-4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
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