生まれた時から偉大な存在だった
生まれながらにして偉大なモデルもあれば、進化のなかで偉大さを獲得していったモデルもある。英国のクルマ好きも愛してやまない、マツダMX-5(ロードスター)は生まれた時から偉大な存在であり、代を重ねるごとに評価は高められていった。
【画像】マツダ・ロードスター 3代目NC型と現行4代目ND型 影響を与えたロータス・エランも 全89枚
ロードスターは、4世代に渡ってドライビング・ファンを貫いてきた。現実的な2シーター・スポーツカーとして、史上最多の台数が世界市場で販売されている。今となっては、それが存在しなかった時代を想像することすら難しい。
もちろん、オープントップの2シーター・スポーツは、マツダ以外からも数多く生み出されてきた。それでも適度にコンパクトでシンプルで、FRで、手頃な価格のロードスターは、多くのクルマ好きの期待に応えられる理想的な内容にある。
初代のNA型には、アナログな喜びが詰まっている。2代目のNB型は実用性を高めていた。3代目のNC型は洗練性を獲得し、現行の4代目、ND型は上品で素晴らしい。AUTOCARの読者には、ご説明の必要はないかもしれないが。
どれを購入するべきか悩ましい。可能なら4世代を揃えたいところではある。だが、現実的に1台を選択するとすれば、古い2世代は見送った方が良いかもしれない。状態の良いNA型やNB型を探し出すのは困難で、慎重にならざるを得ないからだ。
最新の4代目は、気軽に乗るには新しすぎるし価格も張る。そこでスポットライトが当たるのが、3代目のNC型。まだ古すぎず、価格価値にも優れている。改めて確認するほど、その良さが見えてくる。
リトラクタブル・ハードトップが追加
3代目ロードスターが発売されたのは2005年。2代目より車重は約100kg増えていたものの、快適性と洗練性が引き上げられていた。
パワーも向上し、英国では129psを発揮する1.8L直列4気筒と、160psを発揮する2.0L直列4気筒の、2ユニットから選択できた。日本では、2.0L版のみが販売された。
英国仕様の場合、トランスミッションは標準が5速マニュアル。可変バルブタイミング機構とリミテッドスリップ・デフが備わる2.0Lエンジン版の上級グレードには、6速マニュアルが組まれた点も魅力だった。
またアルミホイールが17インチになり、スポーツ・サスペンションとトラクション・コントロールも獲得できた。ヒーター内臓のレザーシートへアップグレードもされた。
それまでの2世代と3代目が大きく異るポイントが、ソフトトップのロードスターの他に、電動で折りたたまれるリトラクタブル・ハードトップが追加されたこと。ボタン1つで、クーペの洗練された走りに浸ることも可能だった。
2008年(英国では2009年)にマイナーチェンジを受け、2.0Lエンジンが改良。サスペンションと前後のバンパー、ドアミラーやインテリアなどにも変更が施されている。英国仕様では、トリムグレードの設定も更新されている。
2012年(英国では2013年)にも2回目のマイナーチェンジがあり、フロントグリルやヘッドライトのデザインが変更されている。英国仕様では、ナビゲーションやエアコンが標準装備になるなど、快適性も向上した。
価格帯で最高水準のハンドリング性能
ストレートスピードは、マツダ・ロードスターの中心にはない。この価格帯としては最高水準といえる、ハンドリング性能を味わうためのクルマだ。
ソフトトップでもハードトップでも、ロードスターは驚くほど軽快で敏捷。ステアリングホイールの反応は正確で、適度なグリップ力を活かし、流れるようなコーナリングを楽しめる。
乗り心地は快適と呼べる範囲にあり、舗装の古い路面でも安定性が失われることはない。リトラクタブル・ハードトップの場合はサスペンションが若干柔らかく、よりしなやかにこなす。
一般的な環境では、1.8Lエンジンでも充分に速い。中古車価格や維持費も、若干だが手頃になる。しかし、ロードスターの優れたシャシー性能を最大限に引き出したいなら、2.0Lエンジンの方がオススメといえるだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
マツダ・ロードスターは素晴らしく楽しい。3代目のNC型は大きくなったが、正常進化を遂げている。純粋なドライビング・プレジャーでは、ほかのモデルには届かない水準にあるといっていい。
積極的に運転すれば、免許書が危ぶまれない速度域で、スリリングな体験を与えてくれる。ホットハッチを1年間運転するより、ロードスターを1週間運転した方が、ドライビング技術も向上するはず。
スピードとパワー、エンターテインメント性を、見事にバランスさせている。先代のロードスターより、実用性が向上している点も評価したい。(2005年2月24日)
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ほぼトラブルフリーといえるものの、エンジンオイルの管理は重要。定期的な交換と油量チェックは基本といえる。
エンジンを始動したら、エンジンオイルが燃えて生じる白煙が、排気ガスに混ざっていないか確かめたい。次に、クランクシャフトからの異音がないか確認する。
走行距離が伸びると、点火コイルやハーネスが劣化し不具合を招きがち。タイミングチェーンで寿命は長いもののテンショナーは傷むので、定期的な点検は不可欠。
ボディ
ロードスターのボディは錆びる。ボンネットのエッジやエンジンルーム内、トランクのフロアやシャシーなどを中心に観察したい。
事故が原因で生じるボディパネルの隙間の狂いや、バンパーの擦り傷の処理などを調べる。ワイパーの下側にあるプラスティック製パネルは、外れたり緩むと雨水をきれいに流せなくなる。
ソフトトップのドレインホールが詰まっていないか、車内のカーペットが湿っていないかもチェックポイント。リトラクタブル・ハードトップの場合は、ルーフの開閉がスムーズかも確かめたい。
電気系統
DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)などの警告灯は、バッテリーの接点不良で点灯することがある。
トランスミッション
5速と6速のMTは、気温が低い日の出発直後はシフトレバーの動きが重いものの、温まると軽くなる。リアデフからの異音がないかも、試乗で確かめたい。
サスペンションとブレーキ
ダンパーのヘタリ具合を確認する。前後のアンチロールバー・ドロップリンクは、6万kmから7万kmほどでヘタる。コツコツと音が出ていないか、試乗時は聞き耳を立てる。
ブレーキ・キャリパーは固着しがち。走行中に引きずっている場合は、異常に加熱する。タイヤが偏摩耗している場合は、アライメントが狂っている証拠。
オーナーの意見を聞いてみる
エイダン・クレッグ氏
「これまで3台のNA型と、NB型を所有してきました。NC型は最も気に入っていて、7年間も乗っています。古い2世代の魅力はそのままに、よりソリッドで、大人な印象を与えてくれると思います」
「NA型はよりシンプルに楽しめるクルマでした。運転する喜びにあふれていました。NB型は、よりソフトでしなやか。ですが、NC型はわたしにとってのベスト。世代を重ねて成熟したような雰囲気を備えています」
「ソフトトップは5秒で折りたためます。タイミングチェーンの寿命は、自分の寿命より長いかもしれませんね」
知っておくべきこと
ソフトトップでもリトラクタブル・ハードトップでも、ルーフが正常に開閉し、雨漏りや機械的な不調がないか入念にチェックしたい。リトラクタブル・ハードトップの場合は、ポジションセンサーが故障し、完全に閉まらなくなることがある。
うっかりオープンのまま、雨のなか放置してしまうオーナーもいる。シートやカーペットが不自然に湿っていたり、まだらのシミが残っていないかも観察したい。
走行中、シフトレバー付近からブーンという音が聞こえる例があるようだが、マツダ側は異常ではないと説明している。
英国ではいくら払うべき?
3500ポンド(約58万円)~3999ポンド(約66万円)
16万km以上走ったNC型が英国では沢山出てくる。なかには掘り出し物も含まれる。特に1.8Lは狙い目といえる。
4000ポンド(約67万円)~6999ポンド(約115万円)
状態の良いNC型ロードスターを探せる価格帯。整備記録が揃っていて、保証付きで売られている例もなくはない。
7000ポンド(約116万円)~8999ポンド(約149万円)
しっかり整備を受けてきた、走行距離の短い2.0LのNC型を選べる価格帯。
9000ポンド(約150万円)以上
後期モデルのNC型を選べる。特別仕様車も含まれる。可能な限り完璧な状態のものを探したいところ。
英国で掘り出し物を発見
マツダMX-5(ロードスター) 1.8i(英国仕様) 登録:2006年 走行距離:12万km 価格:3995ポンド(約67万円)
赤いボディが美しい、状態の良さそうなロードスター。夏から秋にかけてのドライブを楽しむのに、理想的といえる。黒いクロス張りシートの状態は良く、ボディも良好で、整備記録はしっかり残っている。
エンジンは1.8Lだが、一般道なら不足は感じないはず。ディーラーが販売しており、保証も付いている。5オーナー車だという。
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みんなのコメント
当時のマツダにはRX8用のシャシーしか無くて大きくなったて