■アウトドア趣味も仕事もオールインワンな1台
かつて軽トラックは、農家や配送業といった商用ニーズでの利用がメインでしたが、アウトドアレジャーが広く浸透した現在は、趣味の道具として一般ユーザーからも支持されています。
しかし、ダイハツは15年以上前に、すでにこうした一般ユーザー向けのアウトドア用軽トラックを考案し、披露していたのです。
【画像】超カッコイイ! これがダイハツの「斬新小型トラック」です!(42枚)
それが、ダイハツが2007年10月開催の第40回「東京モーターショー」で参考出品したコンセプトカー「MUD MASTER-C(マッドマスターC)」です。
公開当時、ダイハツはマッドマスターCについて、「小ささと軽さが生み出す高い走破性に加えて、フレーム付ボディの圧倒的な耐久性と積載性をあわせ持つスモール&タフなトランスポーター」と説明しています。
トランスポーターとはバイクや自転車などを目的地まで運ぶクルマの通称で、「トランポ」などとも呼ばれています。
なかでも、悪路を走るオフロードバイクやマウンテンバイクなどの競技車両を運ぶ例が多く見られます。
マッドマスターCはこうした利用を想定したトランポとして設計され、サイクルスポーツ界を代表する鈴木 雷太氏と共同企画されました。
荷台は通常のトラックとは異なり、マウンテンバイクの収納機能を基本に、アウトドアへ出かけるための装備や機能を採用。軽バンのような積載力を実現しました。
サイドは大型トラックのウイング車のように側面パネルが開き、マウンテンバイクを横から積載できるものとなっています。
いっぽう、荷台は「アタッチメントボディ」機構とし、マウンテンバイクだけではなく、各種のアタッチメント脱着することで、アウトドアスポーツから過酷地での仕事にも適応。
現在の軽トラックや軽商用バンのように、1台で趣味と仕事を両立できる懐の広さを持っていたのです。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1600mm×全高1960mm。全幅は1480mm以上となっており、軽自動車規格を超えているため、厳密には軽トラックではありませんが、660ccエンジンと合わせて「ほぼ軽トラック」といえます。
内外装は非常にシンプルで、道具としての活用を最重視した機能美が追求されていました。
ボディは加飾などのないスクエアデザインを基調に、同じ大きくスクエアな前後ライトやフロントグリル、ドアハンドルを採用。アウトドアギアらしいタフなイメージを与えています。
ボディサイドはヘッドライトから荷台まで続く太いラインを施し、安定したワイド感を与えています。
足回りは大径16インチオフロードタイヤを装備。フレームシャシと軽量なボディを組み合わせ、高い堅牢性を確保しました。最低地上高は370mmで、悪路走破性能を示す3アングル(アプローチ・ランプブレークオーバー・デパーチャー)は「余裕を確保」したといいます。
これにより、マウンテンバイクを走らせるフィールドや、田畑での作業なども十分に対応していたのです。
パワートレインは、先述の通り660ccエンジンを搭載。組み合わされるミッションや駆動方式なども明かされませんでしたが、センターコンソールのシフトパターンから5速MTを採用していたと見られます。
駆動部は、ドライブシャフトとハブの接続部分にギアを組み込んだ「ハブリダクションシステム」を採用。これにより、高い踏破性と耐冠水性を実現。ファッション4WDではなく、本格四輪駆動車並みの信頼性も確保していました。
インテリアは非常にまとまりのあるインパネに、撥水素材のシートを組み合わせ、使い勝手を向上。いっぽう一般ユーザーの使用を見据え、当時まだ画期的だった大型ディスプレイも備え、ナビやオーディオを一体集約し、普段乗りの使い勝手も意識していました。
2007年の公開当初、マッドマスターCは非常に高い注目を浴びており、コンセプトカーとしては非常にリアリティのあるデザインやパワートレインなども相まって、市販化が秒読みなのではないかとも言われていました。
しかし、公開から現在まで直接的な市販モデルは一切登場していません。
そうして15年以上が経過した現在、キャンプなどのアウトドアレジャーが一般に浸透したうえ、地方への移住や田舎暮らしといった新しい生活スタイルが広がりました。
マッドマスターCが登場した当時とはアウトドアやライフスタイルが大きく変わった現在、今販売されれば大ヒットとなる可能性を秘めています。
まさに「登場が早すぎた1台」と言えます。
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みんなのコメント
商品にならなきゃ意味ねぇんだよ。
あと、本文にはちゃんと書いてあるが、幅が大きくて軽じゃないからな。
釣りタイつけるしか能のない編集はさっさとクビにしろ。