■英国の風土が生んだ「ボウラー」というメーカーとは
イギリスというのは面白い国だと思う。伝統を非常に重んじるところがありながら、新規なものに対しても寛容だ。そういう点が個性的なクルマや飛行機、道具などをつくり出す原動力となっているのかもしれない。
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パンジャンドラムという第二次世界大戦中の試作兵器なんていうのは、それが悪いほうに転がった結果できてしまったかもしれないし、第一次世界大戦中に作られた試作戦車リトル・ウィリーから菱形戦車への進化というのは、いいほうに転がった結果なのだろう。
●2017 ボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」
こうした風土のせいか、イギリスには規模が小さい自動車メーカーが数多く存在している。こうしたメーカーのひとつが「ボウラーモータース」である。
ボウラーモータースは、主にラリーレイドに参戦するマシンを作っているメーカーだ。創業したのは1985年。創業者のドリュー・ボウラー氏が2016年に亡くなるまで、ラリーを中心としたモータースポーツで勝利するためのクルマをつくり続けてきた。
そんな活動を続けてきたボウラーモータースは、2014年に大きな転機を迎えることになる。この年ボウラーモータースは、独自の次世代車両プラットホームを開発した。
それがCross Sector Platform(CSP)である。オンロード/オフロードを問わず使用でき、緊急対応や救急、防衛、探索などさまざまな用途に対応できる拡張性を持った車両用プラットホームは、民間用車両としてだけではなく、軍事用車両としても大きな注目を浴びた。
その注目度の高さは、2020年になってランドローバー社がボウラーモータースを買収したということからも明らかだろう。ランドローバーはボウラーのCSPを利用して、初代ディフェンダーのボディを載せたマシンの開発を決定している。
ボウラー「CSP575」というネーミングのこのクルマは、575psを発生するV型8気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載し、ボディは初代ディフェンダーという伝統と現代が融合したモデルとなっている。
価格は約20万ポンド(約3000万円)となる予定で、発売は2021年後半を予定している。
■ボウラーのほぼ未使用のコンセプトモデルの落札価格は?
CSPというプラットホームは、先にも書いたように、拡張性が特徴となっている。それを端的に表しているのが、今回VAGUEで紹介する「CSP R.I.Vコンセプト」だ。
●2017 ボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」
CSP R.I.Vコンセプトは2017年に開催された、「Defense and Security Equipment International(防衛&セキュリティ機器インターナショナル)」という展示会で発表されたものだ。
車名のR.I.Vというのは「Rapid Intervention Vehicle(緊急対応車両)」を意味している。国防省との共同プロジェクトで生まれたこの車両は、ボウラーのCSPを利用し、兵員輸送やメディック、防衛車両としても拡張できるベース車のプロトタイプとなっている。
その拡張性の広さは、写真を見てもらえば分かりやすい。荷室部には架台や機器などを固定しやすいレールが設けられており、車室にはシートを増設できるようになっている。
CSPはモノコックボディではなくフレームにボディを載せる方式となっているため、ボディの形状を変えればプロトタイプのようなオープンボディではなく、クローズドボディにも変換が可能だ。
搭載しているエンジンとパワートレインはランドローバーから提供されたもので、最高出力300ps/最大トルク700Nmを誇るV型6気筒に、ZF社製8速ATを組み合わせたハイロー切り替え式AWDとなっている。
最大積載量は2トン。プロトタイプでは4名乗車となっているが、シートを増設すれば10名+機材は余裕で積載できるはずだ。後部にはトレーラーを接続するヒッチメンバーを取り付けるためのブラケットも設けられている。
サスペンションは、バンプ/リバウンドストロークを大きく取っていることから、ビルシュタイン製の別タンク式ショックアブソーバーが採用されている。
ブレーキシステムはブレンボ製。ECUの詳細は発表されていないが、タコメーターや速度計などのモニターがモーテック製であることから、おそらくはモーテックで制御していると思われる。
このCSP R.I.Vコンセプトは、そのスペックからいうと、アメリカでいうところのハンヴィー、日本でいうところの高機動車のような汎用装輪車両として計画されたものではないだろうか。
走行距離275kmという、試験走行もしていないであろうボウラーの軍用車両プロトタイプは、RMサザービズのオークションにおいて7万5000-10万ユーロ(邦貨換算約980万-1300万円)のエスティメートが付けられていたが、最終的には4万6200ユーロ(邦貨換算約600万円)で落札された。
エスティメートを大きく下回ったのは、公道走行するために高いハードルがあるプロトタイプであったことが要因しているだろう。しかし、それでも欲しいという数奇者がこの世には大勢いることも示した結果となった。
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