メルセデス・ベンツのコンパクトSUV「GLB」に追加されたAMGヴァージョン「GLB35 4MATIC」に小川フミオが試乗した。標準モデルとの違いは?
機能的でかつ速いGLB
日本で販売好調のメルセデス・ベンツのSUV「GLB」にハイパワーエンジン搭載のメルセデスAMG「GLB35 4MATIC」が、追加発表されたのが2021年1月12日。ステアリング・ホイールを握れたのは5月だった。はたして、待つ価値のある楽しいドライブを味わえるクルマだった。
GLB35 4MATICは、パフォーマンスSUV。日本でも人気の高いジャンルに属するモデルだ。全長4650mm、全高1670mmのボディに、225kW(306ps)の最高出力と、400Nmの最大トルクを発揮する1991cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンと、フルタイム4WDシステムを備えている。
GLBは、おなじ前輪駆動アーキテクチャーをそなえたGLAとともに2020年6月に日本発売され、使い勝手のいいボディサイズと、いざというとき頼りになりそうな3列シートのパッケージで、着実に売り上げを伸ばしてきた。クーペライクなGLAに対して、「Gクラスからインスピレーションを受けた」(メルセデス・ベンツ)という機能主義的なGLBは、マーケットでのすみわけがはっきりしているのも、ヒットの理由である。
GLAをベースにしたメルセデスAMG「GLA35 4MATIC」は先行して2020年10月に発表されていただけに、機能的でかつ速いGLBが欲しいというユーザーは、今回のGLB35 4MATICを心待ちにしていたのではないだろうか。
カドが丸められているAMG
このクルマの印象をひとことでいうと、ストレスフリー。加速よく、コーナリング性能が高く、高速では乗り心地が快適で、かつ静かなのだ。外観は、“巨大”といいたいエアダム一体型バンパーと縦バーの、いわゆる「パナメリカーナグリル」がアグレッシブな雰囲気だ。
じっさいの走りは、その気になれば高速でもワインディングロードでもかなり速く、同時に市街地でも楽ちんと、オールマイティさが光る。メルセデス・ベンツの、2.0リッターガソリン「GLB250(4MATIC)」も2.0リッターディーゼルの「GLB200d」もパワーが十分で、使いやすいクルマである。いいところを全方位的に拡大したのが、GLB35 4MATICといえる。
エンジンはAMGブランドだけに、うまくスポーティに作りこまれている。最高出力は5800rpmから、最大トルクも3000rpmからと、SUVらしからぬ比較的高回転型のキャラクターだ。じっさいドライブすると、アクセルペダルの踏み込み量に追従して、ぐんぐん力が出てくるのがSUVばなれしている。スポーティな雰囲気はじゅうぶんだ。
いっぽう、さきにオールマイティとしたように、AMG GTを頂点にした高性能メルセデスAMGモデルとは、一線を画している。つまり、スポーティといっても適度にカドが丸められているかんじだ。
“いい買い物”かも
ステアリング・ホイールはクイックさばかり追求することなく、入力にたいする反応は比較的ゆるやか。足まわりもむやみに硬くはない。SUVのかたちをしたスポーツカーと呼びたくなるモデルも、マーケットにはなきにしもあらずだけれど、GLB35 4MATICはあくまでSUVほんらいの味を残しつつ、運転が楽しめるような味つけがくわえられているのだ。
たとえば、フルタイム4WDシステムの「4MATIC」は、車内のコントローラーと連動して働く「ダイナミックセレクト」によって駆動力配分を変更できる。「エコ」と「コンフォート」は前輪80対後輪20であるいっぽう、「スポーツ」系では70対30。オフロードモードでは50対50だ。一般的に前輪駆動よりの設定だが、走行状況や路面に応じてトルク配分はリアルタイムで変化していく。
インテリアは、標準モデルに準じている。10.25インチの大型液晶ディスプレイでは対話型のインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」が使用できる。使い勝手もよい。
AMGらしさは、赤色のセイフティベルト。ちょっとした演出であるものの、これだけでもけっこう気分はアガる。
メルセデスAMG「GLB35 4MATIC」の価格は732万円で、ナビゲーションパッケージはオプション(19万1000円)となっている。
メルセデス・ベンツブランドの「GLB250 4MATICスポーツ」(224psおよび350Nm)が696万円であることを考えると、このAMGモデルはいい買い物だろう。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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かく言う私も先日E53を購入したので、本物のAMG乗りからすれば、同類なのでしょうが…