高騰を続けるガソリン価格。当然ユーザーは「ならば燃費のいいクルマに乗ろう」となるわけだが、数値だけでご紹介するとなると、いつも同じクルマを選ぶことになる。というわけで、ここでは「意外と」燃費のいいクルマを、低燃費車の豊富なハイブリッド、コンパクトカー、軽自動車以外から選んでみた。
文/渡辺陽一郎、写真/トヨタ、マツダ、三菱自動車
巨体CX-60はリッターほぼ20!! ガソリン食いそうなのに意外と燃費がいいクルマ5選
■「燃費のよくないカテゴリー」の中から「意外と燃費いい!」を探す!?
低燃費車を選ぶ時、数値順で選ぶと顔ぶれはいつも同じになる。今回はあえてそこを外し、低燃費車の豊富なハイブリッド、コンパクトカー、軽自動車「以外」の中から選んだ。つまり写真のトヨタ ヤリスは今回は登場せず
ガソリン価格の高騰が続いている。2023年9月上旬の全国平均小売価格は、1L当たり約187円に達した。プレミアムガソリンは、給油所によっては200円を超える。
ガソリン価格が高騰する背景には、産油国の減産から円安傾向までさまざまな要因があるが、昔から続く高額な税金も価格を押し上げている。
仮にレギュラーガソリンの小売価格が1L当たり187円としても、本体価格は約113円だ。そこに53.8円のガソリン税、消費税などが加わり、ユーザーは約74円の高額な税金を負担している。1L当たり187円のレギュラーガソリンを40L入れると7480円だが、この内の2960円、つまり約40%が税金で占められる。
しかもガソリン税は、道路建設などに使う道路特定財源として創設されたが、この制度は2009年に廃止された。この時にガソリン税が課税する法的根拠も失われたが、今でも幅広く使われる一般財源の税金として徴収されている。
つまりクルマのユーザーは、多額の税金を不当に徴収されているわけだ。ガソリン価格の高騰に向けた対策として、補助金が交付されたりしているが、それ以前に課税根拠を失ったガソリン税を廃止すべきだ。
この点を踏まえて「意外に燃費のいいクルマ」を考えたい。「意外に」だから、燃費の良さそうなハイブリッドなどの電動車は取り上げない。軽自動車やコンパクトカーも省いた。そうなるとカテゴリーは、動力性能の優れたスポーツカー、ボディの重いSUVやミニバンだ。エンジンはノーマルタイプになる。
従って「燃費が良い」といっても限界がある。特にスポーツモデルやミドルサイズ以上のSUVやミニバンは、ハイブリッドを除くと全般的に燃費が悪い。「燃費はハイブリッドに任せた」という感じで、ノーマルエンジン車には、燃料消費量の多い車種が目立つ。
それでも「燃費が良い」とする以上、WLTCモード燃費が10km/Lは上まわるようにした。その貴重なラインナップは以下の通りだ。
■スポーツカー代表:トヨタスープラSZ:14.5km/L(8速AT/2WD)
トヨタ スープラSZ(WLTCモード燃費:14.5km/L)。高効率なBMW製エンジンが燃費性能を向上
スープラは高性能なスポーツカーで、燃費性能が優れているのは直列4気筒2Lターボエンジンを搭載するSZだ。最高出力は197馬力(4500回転)、最大トルクは32.7kg-m(1450~4200回転)だから、3Lのノーマルエンジンに相当する動力性能を発揮しながら、WLTCモード燃費は14.5km/Lに達する。
ちなみに水平対向4気筒2Lノーマルエンジンを搭載するGR86SZは、最高出力が235馬力(7000回転)、最大トルクは25.5kg-m(3700回転)で、WLTCモード燃費は12.0km/Lだ。スープラSZは、BMW製の高効率なエンジンを搭載することで、燃費性能を向上させた。
■スポーツカー代表:トヨタGRヤリスRZ:13.6km/L(6速MT/4WD)
トヨタ GRヤリスRZ(WLTCモード燃費:13.6km/L)。走行性能は高いが燃料消費量は抑えめ
GRヤリスは、ヤリスをベースに開発された高性能車とされるが、3ドアのボディからプラットフォームまでコンパクトカーのヤリスとは大幅に異なる。別の車種と考えて良いだろう。
エンジンは直列3気筒1.6Lターボで、最高出力は272馬力(6500回転)、最大トルクは37.7kg-m(3000~4600回転)と強力だ。
ノーマルエンジンであれば3.5L並みの動力性能を発揮して、WLTCモード燃費は13.6km/Lになる。4WDも備わり、走行性能の割に燃料消費量を抑えた。スープラSZと同様に効率が優れている。
■スポーツカー代表:ホンダシビックタイプR:12.5km/L(6速MT/2WD)
ホンダ シビックタイプR(WLTCモード燃費:12.5km/L)。パワフルなエンジンにもかかわらずこの燃費! もはや「低燃費車」といってもいい!?
シビックタイプRは、前輪駆動の2WDで、頂点の走りを目指すスポーツモデルだ。エンジンは直列4気筒2Lターボで、最高出力は330馬力(6500回転)、最大トルクは42.8kg-m(2600~4000回転)とされる。自然吸気のノーマルエンジンであれば、4Lに相当する性能だ。
これだけパワフルなエンジンを搭載して、WLTCモード燃費は12.5km/Lになる。最大トルクが40kg-mを上まわり、なおかつWLTCモード燃費も12km/Lに達するから、シビックタイプRも効率が優れている。
■SUV代表:マツダCX-60XD・Lパッケージ:19.8km/L(8速AT/2WD)
マツダ CX-60XD・Lパッケージ(WLTCモード燃費:19.8km/L)。優秀な燃費も注目だが、軽油を使うディーゼルなので燃料代はさらに節約できる
CX-60は後輪駆動のプラットフォームを使うマツダの上級SUVだ。自然な操舵感、ボンネットの長い外観など、後輪駆動の特徴を備える。直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボを用意することも、CX-60の大切なセールスポイントだ。
開発者によると、燃焼効率を追求した結果、3.3Lの排気量を備えたクリーンディーゼルターボがベストだと分かった。ただしこの排気量を4気筒で達成するのは難しく、6気筒が必要になる。その意味でも直列6気筒を縦向きに搭載できる後輪駆動のプラットフォームは、親和性が高かったという。
ディーゼルにはマイルドハイブリッドもあるが、前述の通り「意外に燃費の良いクルマ」だから、電動機能を備えない買い得グレードのXD・Lパッケージを取り上げる。それでもWLTCモード燃費は19.8km/Lと優秀だ。
しかもディーゼルの軽油は、レギュラーガソリンに比べて1L当たり20円ほど安い。そうなると燃料代は、ハリアーハイブリッドZの21.6km/L(4WD)と同等か、むしろCX-60の方が安く収まる。
そしてCX-60XDの動力性能は、最高出力が231馬力(4000~4200回転)、最大トルクは51.0kg-m(1500~3000回転)と強力だ。トルクコンバーターを使わない8速ATとの相乗効果もあり、動力性能と燃費のバランスは抜群に優れている。
■ミニバン代表:三菱デリカD:5・Gパワーパッケージ:12.6km/L(8速AT/4WD)
三菱 デリカD:5・Gパワーパッケージ(WLTCモード燃費:12.6km/L)。CX-60と同じくディーゼルエンジン搭載車。ミニバンでは珍しい
デリカD:5は、ミニバンでは悪路走破力が最も高い。またミニバンでは珍しいクリーンディーゼルターボ搭載車でもある。ディーゼルを搭載するほかのミニバンはグランエース程度だ。
ディーゼルの最高出力は145馬力(3500回転)、最大トルクは38.7kg-m(2000回転)だから、後者の数値は3.5Lのノーマルガソリンエンジンに相当する。低回転域の粘りがあり、悪路も含めて運転しやすい。
WLTCモード燃費は12.6km/Lだ。CX-60XDほどの低燃費ではないが、動力性能を考えれば効率は優れている。軽油価格の安さもメリットだ。以上のように「意外に燃費の良いクルマ」を取り上げたら、全車がターボになった。
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