2021年11月に、ホンダのインドネシア法人が世界初公開した、新型「SUV RS CONCEPT」。ホンダはこの2カ月前の9月に、同国で新型コンパクトSUV「BR-V」を発表しており、今回の「SUV RS CONCEPT」は、そのショートボディ版だと考えられる。
時を同じくして、ホンダが日本国内で「ZR-V」という商標を出願していたことが判明。今回の「SUV RS CONCEPT」が、「ZR-V」として日本に導入されるのでは!? と、話題になっている。はたして、「SUV RS CONCEPT」は、「ZR-V」として日本に導入されるのだろうか。
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文:吉川賢一
写真:HONDA
[gallink]
ロッキー/ライズサイズで、スタイリッシュな「SUV RS CONCEPT」
今回の「SUV RS CONCEPT」は、ボディシェイプやサイドウィンドウのラインなどが、BR-Vとは明らかに異なることから、新規追加モデルとなると思われる。全長は短く、また強い傾斜のリアウィンドウ、そして大径タイヤなど、コンセプトカーなので脚色されているところはあるだろうが、かなりカッコよい。
ヘッドライトの左右端はアキュラを彷彿させるつり目形状であり、ドット柄のメッシュグリルや、バンパー下スキッドプレートなど、新型ヴェゼルとも印象が異なる。シルバーのルーフレールも、スポーティでタフな雰囲気がある。
ボディサイズについては現時点分かっていないが、おそらく、ダイハツロッキー/トヨタライズ程度のサイズではないか、と思われる。
細めのヘッドライトの端部はアキュラを彷彿させるデザインが施されており、スポーティな雰囲気がある(HONDAインドネシアYouTubeより)
スポーティ路線を拡充する、ホンダのインドネシアラインアップ
ホンダのインドネシアにおけるラインアップは、コンパクトカー2車種、SUVが3車種、ミニバンが2車種、ハッチバックが2車種、セダンが3車種。全12台という潤沢なラインアップで、そのうち半数の6台は、日本未発売のモデルだ。
インドネシアでは、シビックセダンRS、シビックハッチバックRS、シビックTypeR、シティハッチバックRSのように、スポーティな「RS」モデルが多く設定されているのも特徴。今回の「SUV RS CONCEPT」も、そのRSラインアップをイメージしたコンセプトカーのようだ。
かつては日本市場でも、フィットRSやヴェゼルRSなど、RSグレードが設定されているモデルがあったが、どれもモデルチェンジを機にグレード廃止となっており、現在国内では「RS」が付くグレードは存在しない。
2021年9月に登場した「BR-V」。3列シート7人乗りと、2列シート5人乗りを持つコンパクトSUV
SUV RS CONCEPT の日本導入は「ない」
ご存じの通り、日本はいま、空前のコンパクトSUVブームだ。それを考えると、今回の「SUV RS CONCEPT」も、ロッキー/ライズ程度のサイズ感であるならば、日本でもヒット確実なのでは!? とも思えるが、残念ながら、この「SUV RS CONCEPT」が日本市場に導入されることはない、と筆者は考えている。その理由は、スポーティな「RS」だからだ。
前述したように、かつては日本市場でも「RS」グレードが設定されていたが、現在、国内ホンダのスポーティグレードといえば、「モデューロX」だ。フィット、S660、フリード、そしてステップワゴンに設定されているが、モデューロXは、車体やシャシーの小変更といったライトチューンにとどめられており、カリカリチューンのきいた「RS」にまでは、つくり上げていない。
かつては、「スポーツモデル」「スポーツグレード」という言葉に憧れて乗っていたドライバーたちも、年を重ねて家族を持ったり、状況が変わったいま、「いつかは欲しい」と願いながらも、実際に購入に至ることは少ない。「足はガチガチだが走りは一級に憧れはするが、そこまでスポーティな走行性能を求めてはいない」というのが、大半だろう。
標準モデルとデザインで差別化し、やや引き締めた足回りを与え、安定性重視の味付けに着地させた「モデューロX」が、日本市場ではベストなバランスなのだ。
「ZR-V」という商標登録と紐づけたいファンの気持ちもよく分かる(筆者もそうであってほしいと思う)が、ホンダの渡辺武弘社長も、「このSUV RS CONCEPTは、スポーティなクルマの味付けを好むインドネシアのユーザーに向けて開発した」としていることからも、(SUV RS CONCEPTの発表と商標登録が)偶然タイミングが同じだっただけで、残念ながら、スポーツ路線の SUV RS CONCEPTが、このまま日本にやってくることはないと考える。
ファンがほっとするような、前向きな動きを!!
ただ、「売れないから出さない」という判断をするのではなく、「売る方法を探すチャレンジしてみる」という戦略があってもいいと思う。リミテッドモデルを用意する、限定販売とするなどの「挑戦」が見たい。そうしたことをやってこそ「ロマンを追い続けるホンダ」ではないだろうか。FF最速をひたすら追求し続ける「シビックタイプR」だけでなく、ホンダのキャッチコピーのひとつ「Power of Drems(夢の力)」をほかのモデルでも、見せてほしい。
ホンダは2020年に新型フィットを、2021年には新型ヴェゼルを投入したが、その陰では、NSXやレジェンド、オデッセイ、そして、シャトル、CR-V、インサイトの生産終了など、ラインアップの再構築を行っている。減る一方なのは、非常に印象が良くない。
「ZR-V」の出願と同時期に、ホンダは、「FR-V」という商標も出願していた、という。遠い将来に使う可能性のあるモデルに対して出願しておいたのか、発表予定のモデルに対して申請をしたのか、想像は尽きないが、このSUV RS CONCEPTではないにしても、ホンダの一挙手一投足を見守っているホンダファンがほっとするような、何か前向きな動きに繋がることを、期待している。
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みんなのコメント
ホンダは日産より、ラインナップ廃止を進めてるし。
もう国内では完全に軽自動車メーカー。
エンジン作るのも辞めるし国内モータースポーツもスポーツカー売らないなら費用対効果ないし辞めたらいい。
欧州でも売れてないからいずれ撤退して、普通車は中国と北米だけ販売になるだろう。