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48Vマイルド・ハイブリッド搭載 ボルボXC90 B5 Rデザイン AWD 試乗 

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48Vマイルド・ハイブリッド搭載 ボルボXC90 B5 Rデザイン AWD 試乗 

ボルボで進む電動化技術の全モデルへの導入

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)ボルボの新しい標準化に向けた動きが着々と進んでいる。今回、若干のお化粧直しを受けたXC90にも、ついにマイルド・ハイブリッドシステムが搭載されたのだ。およそ2年前に、すべてのモデルに何らかのかたちで電動化技術を導入すると発表したボルボの、次の一手となるといえるだろう。

【画像】新ハイブリッドとディーゼル 全52枚

英国では、これまでのD5に置き換わるかたちで登場するのが、このB5。エンジンは変わらずディーゼルユニットを搭載するが、電圧48Vで駆動するスターター・ジェネレーターとバッテリーを結合。減速時にエネルギーを回生し、加速時にエンジンをアシストする。

ターボ過給される4気筒ディーゼルの最高出力は238psで、現状のガソリンエンジンのエントリーグレード、T5と比較するとやや大人しい。しかし最大トルクは14kg-m近く高い48.8kg-mを発生させ、CO2の排出量や燃費の面では優れている。ボルボによれば、先代のD5と比較して15%ほど燃費や環境負荷が向上しているという。近年のディーゼルエンジンに対するネガティブな見られ方にも、多少の変化は与えそうだ。

グレード名はややこしいことに「B」が選ばれた。マイルド・ハイブリッドとのバランスではガソリンエンジンの方が良いかもしれないが、スペックシートを見比べる限り、プラグイン・ハイブリッドのT8ツイン・エンジンより優れているようだ。

2019年モデルではパワートレインの他にも、各最新モデルに通じる新しいデザインのフロントグリルを獲得。アルミホイールのデザインも新しくなり、ボディカラーにも新色が登場している。ただし、それほど大きな違いというわけでもない。

0-100km/h加速は7.6秒と充分に活発

マイルド・ハイブリッドシステムは非常に洗練されており、あたかも新しい2.0Lディーゼルエンジンが明確な進歩を遂げたただけのようにも感じられてしまう。バッテリーからのエネルギーのサポートは加速時のみながら、0-100km/h加速は7.6秒と巨体を考えれば充分に活発。

車内のモニターに、モーターの稼働状況が表示される機能はないものの、走行時の瞬間燃費が予想よりも良好なことが印象的だ。われわれの試乗では、ボルボが主張する15.5km/Lという燃費に届くことはなかったが、13km/L台後半の数字は平均燃費として充分に現実的なことはわかった。2tのSUVとしては良好だといえる。スターター・ジェネレーターがとてもスムーズに仕事をするだけでなく、交通渋滞時のエンジンのオートスタート・ストップ時の振動もほとんど皆無だった。

パワートレイン以外は、ボルボのラグジュアリーモデルとしての方程式に則った仕上がり。乗り心地は大部分で快適で落ち着きのあるもの。テスト車両にはエアサスペンションは装備されていなかったから、英国郊外の傷んだ路面ではやや硬さを感じる場面はあった。

ステアリングフィールは一貫性があるものの、伝わってくる感覚は一貫して薄い。しかし路面ホールド性は路面を問わず優れ、ボディコントロール性でも不意を突かれるようなこともなく、ボルボに期待するような落ち着きを感じられる。

ライバルモデルとなるBMW X5やランドローバー・ディスカバリーほど、ドライバーにとっての魅力は濃くはない。一方で大型のファミリートランスポーターとして煮詰められ、信頼感を求めるような向きには好適な味付けだといえる。

インテリアはボルボらしいミニマリズム

インテリアも、ボルボらしいスカンジナビアン・デザインでまとめられている。シンプルな、ミニマリズムともいえる雰囲気は従来通りだが、「センサス」インフォテインメント・システムとして、新しく9.0インチの縦長のモニターを装備。以前からアップル・カープレイは採用されていたが、今回は新たにアンドロイド・オートの利用も可能となっている。

フルデジタルとなったインスツルメント・パネルは、ライバルほど自由に表示をカスタマイズできるわけではなく、インターフェイスも見た目ほど簡単に操作できるデザインではない。だが、全体的には最新のシステムという雰囲気は伝わってくる。メインメニューからスワイプすると、モニターいっぱいに各機能のアイコンが表示され、走行中には少し戸惑ってしまうかもしれない。

エアコンの操作も物理的なスイッチがなくなり、モニターで行うようになったが、多くの他のクルマと違って操作性は良好。高品質な車内の雰囲気には、誰もが心地よく感じるだろう。

ひとつ指摘するなら、T8ツイン・エンジンPHEVでは可能な、短距離のEVとしてのゼロエミッション走行が、B5はできない。しかし価格は1万ポンド(130万円)ほど安く、多くのユーザーにとっては訴求力の高い選択肢となることは間違いなさそうだ。

D5からの燃費向上の割合は大きいとはいえないが、洗練性は増しており、仮に税金面での大きなメリットがないとしても異論はないだろう。これまで以上に運転の質感も向上しており、XC90がプレミアムSUVの中での地位をより強固にしたことに、間違いはなさそうだ。

ボルボXC90 B5 Rデザイン AWDのスペック

価格:5万6585ポンド(769万円)
全長:4950mm
全幅:1923mm
全高:1776mm
最高速度:220km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:13.3-15.6km/L(WLTP)
CO2排出量:154g/km
乾燥重量:2103kg
パワートレイン:直列4気筒1959ccターボ
使用燃料:軽油
最高出力:238ps/4000rpm
最大トルク:48.8kg-m/1750-2250rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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