ルイス・ハミルトンが2024年限りでのメルセデス離脱とフェラーリ加入を決断したことで、同チームは来季ジョージ・ラッセルのチームメイトとなるドライバーを探す必要性に駆られている。
そんな中でチーム代表のトト・ウルフは、チームが大胆な選択をする可能性をほのめかしている。これはつまり、経験豊富なドライバーを起用するのではなく、リスク承知でジュニアドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリをF1デビューさせる可能性がある……ということを指しているのかもしれない。
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その実力を高く評価されているアントネッリは、カートでヨーロッパ王者に2度輝いた後、2021年から4輪カテゴリーにステップアップ。2022年にはふたつのF4カテゴリー(イタリアF4、ADAC F4)、2023年にはふたつのフォーミュラ・リージョナル選手権(欧州選手権と中東選手権)でチャンピオンを獲得するなど、ここまで輝かしいキャリアを築いている。そしてその実績が認められたことで、2024年シーズンに向けてはFIA F3を経由することなく17歳にしてFIA F2に飛び級昇格を果たすなど、大きな注目を集めているドライバーだ。
アントネッリはF1昇格が期待される有能なドライバーであることは間違いないだろうが、メルセデスにとって悩みの種となるのは、アントネッリのF1キャリアの出発点をメルセデスとすべきかどうかという点だ。
そもそも、F3を飛び級してF2に参戦するアントネッリがすぐに適応していきなり結果を残せるかどうかも未知数であるが、ウルフ代表は若手有望株のアントネッリがハミルトンの後任候補だと囃し立てることはしたくないという。
アントネッリの将来性について尋ねられたウルフ代表は、次のように語った。
「キミは11歳からメルセデスに所属している。彼は育成プログラムに入り、ジュニアカテゴリーで非常に成功を収めてきた」
「現時点で最も重要なのは、彼がF2に集中するということだ。我々が彼の心を刺激したり、メディアから噂が出たりすると、彼のF2シーズンにとってはプラスにならない」
「彼は数年前にカートを卒業したばかりで、まだ18歳にもなっていない。だから今の段階でキミのF1参戦に関する憶測を流したくないんだ」
またウルフ代表は、ハミルトンの後任については焦って探すつもりはないとしている。特に最近では、フェラーリのシャルル・ルクレールやマクラーレンのランド・ノリスといった有力ドライバーが所属チームと契約更新してしまったため、選択肢はそう多いわけではない。
「焦るようなことではない」とウルフ代表は言う。
「我々が(ハミルトンの後任として)目を向けたであろうドライバーの内の何人かは、数週間前に契約を交わしたようだ。それは興味深いことだが、このタイミングというのは少し残念だね」
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