■なぜ「洗車機NG」のクルマがあるの? その条件とは
クルマをガソリンスタンドの洗車機で洗おうとすると「そのクルマは洗車機NGです」と言われるケースがあります。
愛車を綺麗にしたいのに、断られる条件とはどのようなものなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 洗車中にドアが勝手に開く? オデッセイの「驚き事例」がこれです(28枚)
クルマを利用していると、泥やホコリ、黄砂などの汚れが付着します。
自宅で洗車できる環境がない人や、洗車を短時間で済ませたい人にとって、ガソリンスタンドの洗車機は非常にありがたい存在です。
しかし洗車機の注意書きをよく見ると、外国車および国産車の一部や、ルーフにキャリアが設置されたクルマ、取り外しのできないアンテナが付いているクルマなどは洗車できないと明記されています。
では、一体なぜこのように「洗車機NG」のクルマがあるのでしょうか。
ガソリンスタンドにある一般的な門型洗車機をはじめ、広く自動車用機械工具の製造販売などを手がける株式会社バンザイの担当者に話を伺いました。
「門型洗車機にはクルマの形状を認識するセンサーが付いています。
このセンサーによってボディに当てるブラシの圧力をコントロールしています。
しかし、スキーキャリアやルーフボックス、テレビアンテナなどの装備が設置されているとセンサーが正しく検知できません。
検知出来ないままだとクルマの装備や洗車機自体を壊してしまったり、クルマを十分に洗えなくなる可能性があるため、洗車NGになっています。
ほかにも幌(座席や荷台部分を覆う布)がついたクルマの場合、センサーが幌を柔らかい素材と判断して強くブラシを当ててしまうことで、幌の骨組みが折れてしまうおそれがあります。
また外国車では、過去にリアガラスが洗車の振動で割れてしまうケースもあったと聞いており、洗車時にトラブルが予想されるクルマは使用できないといえます」
実際のところ、門型洗車機の注意書きにはロータス、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなどの車種に関して、「車の形状が特殊でセンサー誤検知の恐れがある」として洗車できないことが明記されています。
さらに、クルマに大型で倒せないエンブレムや背面はしごが設置されている、窓ガラスにヒビが入っているといったケースも洗車機を使用できない要因となります。
■このクルマは洗車機NG? トヨタの「あの車種」はダメ?
ただし、アンテナやカメラ類などの装備が付いているからといって必ずしも洗車できないワケではありません。
装備を格納・取り外しすれば洗車できるほか、洗車コースを選ぶ際に付いている装備品を設定すれば、その部分を回避して洗車できる場合もあります。
たとえば、タクシーの上部に設置されている「行灯(あんどん)」を避けて洗車できるプログラムが搭載された洗車機も存在しています。
また、洗車機は機種ごとにサイズが異なり、クルマの大きさによっては入らないケースがあるため注意しましょう。
なお過去に都内のガソリンスタンドでは2020年11月5日に発表されやホンダ「オデッセイ(マイナーチェンジモデル)」のスライドドアが「洗車中に勝手に開く恐れがある」という注意文章を掲出しました。
これは「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」というドアノブにふれることなく、流れる光に手をかざすことでパワースライドドアの開閉が可能となる機能ですが、洗車機のブラシに反応することでスライドドアが開閉してしまい、車内が水浸しになる事例があったようです。
同様に最近ではボディ下部のセンサーで開閉するミニバンなども増えており、こうした機能が搭載されている場合にはそれらの機能をオフにするなどの対策が必要な場合もあります。
※ ※ ※
なおバンザイで取り扱っている門型洗車機「EMINENT DELTA(エミネントデルタ)」という機種の場合、洗車可能な寸法は幅2300mm×高さ2300mm×長さ5000mm(ワンボックス、ミニバン、ジープは幅2200mm)と定められています。
トヨタ「センチュリー」や「ハイエース(スーパーロン)」のように全長5000mmを超える車種については注意が必要です。
洗車できないクルマのサイズに関しても注意書きに掲載されているため、洗車する前に自分のクルマが該当しないかをよく確認しておきましょう。
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