大阪モータースポーツ推進協議会の第1回会議が、11月20日に行なわれた。会議終了後に、同協議会会長の溝畑宏大阪観光局理事長が会見に応じ、今回の協議会で話し合われた内容や、今後目指していく方向性などについて語った。
大阪はアジアナンバーワンの国際観光文化都市になることを目指し、モータースポーツを活用することを検討している。その一環として、モータースポーツの理解促進と機運醸成を目的に、「大阪モータースポーツ推進協議会」を結成。JRP(日本レースプロモーション)の近藤真彦会長や、レーシングドライバーの脇阪寿一らがメンバーに名を連ねている。
■大阪が目指す、新しいF1開催のカタチ。大阪観光局の溝畑宏理事長「鈴鹿はリスペクトしつつ、ファンの皆さんに『すごい』と思ってもらえるモノを作る」
当初第1回目の会議は今年の夏にも行なわれる予定だったが、結局は11月になってようやく開催が実現。現在の世界のモータースポーツにまつわる状況の共有、今後大阪でモータースポーツのイベントを開催するために目指すべきことなどの提言が行なわれた。
会議後取材に応じた溝畑会長は、次のように語った。
「世界を見れば、モータースポーツはラグジュアリー対策に大いに貢献しています。世界の都市のブランド力向上にも寄与していますし、経済効果も高いです」
「そして今は、カーボンニュートラル実現に向けた、実証実験の場にもなっています。他の産業への波及効果もあると思います」
「我々は大阪に、モータースポーツの聖地をしっかりと作っていきたいです。その中に、F1を含めたモータースポーツの誘致という側面も入ってくるわけです」
溝畑会長は、単にF1を誘致すればいいわけでなく、モータースポーツ界全体を盛り上げる必要があると気づいたと明かす。それも含めて全体的なビジョンをまとめ、来年中には推進委員会の提言を中間報告としてまとめたいとした。
「FIAを含め様々な方と話していくことで気づいたのは、単にF1を誘致するということだけではなく、大阪の都市の魅力……観光や産業のイノベーションなどを考えてしっかりとしたビジョンに基づき、戦略をしっかりと練った上で作り上げていこうということでした」
「レースを誘致することを中心にイメージして我々はスタートしましたが、色々と話したり調べたりしていく中で、モータースポーツの聖地をしっかり作っていかないと、誘致できたとしても上辺だけで終わってしまう……複合的なものにしていく、通年でモータースポーツを楽しんでいただけるような、そういうモノを作らないといけないと考えています」
また溝畑会長は、今回の”推進協議会”はF1誘致交渉とはまったく別で動いているものの、いずれかのタイミングで意見交換すべき時が来るだろうとも明かした。
「F1誘致については、極めて機密性の高いことですので、それは粛々と進めているという状況です。オープンな場で議論するべきようなモノではないと思っています。今日も誘致に関しての議論はしていません」
「この協議会の役割は、ベースとなるビジョンをしっかりと作るということです。そういう作業をしっかりやって、大阪にモータースポーツの聖地を作りたいと思います」
「ただ、今後は連動していくことになると思います」
なおサーキットがどこになるのか? 公道コースなのか、あるいは常設にするのかということについては「まだ決まっていない」と語るにとどめた。
推進協議会の第2回会議は、来年2月に行なわれる予定だ。
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