■免許の中には技能試験不要で受験できるものも!
運転免許には普通免許や普通二輪免許など、さまざまな種類があります。
では、免許の取得が最も安い、あるいは最も高い免許はどれなのでしょうか。
運転免許は「第一種免許」と「第二種免許」に分けられます。
第一種免許は公道でクルマやバイクを運転する際に必要な免許で、第二種免許はバスやタクシーなどのように人を乗せて運賃をもらう「旅客運送」をするのに必要な免許です。
さらに第一種免許は大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二輪免許、普通二輪免許、小型特殊免許、原付免許、けん引免許の10種類に分類されます。
加えて、第二種免許も大型第二種免許、中型第二種免許、普通第二種免許、大型特殊第二種免許、けん引第二種免許の5種類に分けられるため、運転免許は全部で15種類あります。
免許保有者の多くは仕事やプライベートで利用する可能性のある車両の免許を取得しますが、中には「身分証明書として使うため」「フルビット免許証をゲットするため」といった理由で免許を取得する人もいます。
では、免許取得にかかる費用が最も安い&最も高い免許はどれなのでしょうか。
まず費用が最も安いのは「小型特殊免許」で、最高速度が時速35km未満の農耕トラクターやコンバインなどのほか、車両の長さが4.7m以下、幅が1.7m以下、高さが2.8m以下、最高速度が時速15km以下のロードローラー、除雪車などを運転できる免許です。
小型特殊免許には一般的な免許と違って技能試験がなく、運転免許センターや免許試験場といった施設で適性試験(視力や聴力検査など)と学科試験を受けて合格し、合格者講習を受講すれば免許を取得できます。
つまり自動車教習所に通う必要がないため、費用を安く抑えられるというワケです。
原付免許についても技能試験がないため教習所に通う必要はありませんが、原付講習で別途費用がかかります。
警視庁のホームページによると、小型特殊免許の受験資格は「16歳以上」「視力が両眼で0.5以上であること。一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること」という条件があります。
また手数料として受験料1500円と免許証交付料2050円の合計3550円がかかります。
これ以外にかかる費用としては学科試験のテキスト代が想定されますが、小型特殊免許に特化したテキストは販売されておらず、小型特殊免許を取得した人は普通免許や原付免許の問題集を利用しています。
運転免許センターで受験する場合、適性試験や学科試験に合格すれば基本的に免許証の即日交付を受けられるため、「顔写真付きの身分証明書を早く・安く手に入れたい」という人が取得するケースも少なくないようです。
その一方、取得費用が最も高い免許については、すでに取得している免許種別や自動車教習所の料金設定などの条件によってバラつきがあるため一概には言えないものの、普通MT免許を持っている人の場合、「大型二種免許」が最も高くなります。
大型二種免許は、乗車定員30人以上の大型バスに客を乗せて運転できる免許です。
もし普通MT免許を保有している人が自動車教習所に通って大型二種免許を取得する場合、教習所によって詳細な料金は変わりますが、おおよそ50-55万円かかると言われています。
なお警視庁のホームページによると、指定自動車教習所を卒業した人が大型二種免許の試験を受ける際の手数料は受験料1700円、免許証交付料2050円の計3750円です。
また大型二種免許の基本的な受験資格として「21歳以上」「視力が両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上であること」「大型、中型、準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの運転免許を現に受けており、なおかつ、いずれかの運転免許を受けていた期間が通算して3年以上または他の二種免許を取得していること」などの条件があります。
ただし2022年5月からは一定の教習を修了することにより、19歳以上で、なおかつ大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許または大型特殊免許のいずれかの運転免許を受けていた期間が1年以上あれば受験できるようになりました。
※ ※ ※
普通免許を持っていれば自動的に小型特殊自動車が運転できるようになるため、小型特殊免許のみを取得する人はそう多くありません。
しかし、普段運転する予定はないが身分証明書をゲットしたい、費用を安く抑えたいという人にとっては選択肢の一つになり得るといえるでしょう。
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