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3月3日発売の「GRカローラ」先行試乗! 雪道で「進化」を体感!? どんな印象だったのか【試乗記】

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3月3日発売の「GRカローラ」先行試乗! 雪道で「進化」を体感!? どんな印象だったのか【試乗記】

■進化版「GRカローラ」で雪上ドライブ!

 トヨタの会長・豊田章男氏の「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」と言う強い想いをキッカケに誕生したGRカローラが「進化型」にアップデート。
 
 GRヤリスと同じく、発売後も「壊しては直し」を繰り返しで鍛えられてきました。
 
 ちなみにスーパー耐久レースでは水素エンジンが注目されがちでしたが、実はGRカローラ進化させるための数々のトライが行なわれていたのです。

【画像】超かっこいい! これが「進化版」です。画像を見る!

 実は2023年に1度改良(締結ボルトとダクト形状変更)を行なっていますが、今回のアップデートは車両全体に渡っています。

 まずはパワートレインです。

 直列3気筒直噴ターボ(G16E-GTS)の最高出力304psは不変ながらも、最大トルクを370→400Nm(多くのシーンで使う3000~4500rpmくらいが)に向上しています。

 トランスミッションは6速MTに加えて、進化型GRヤリスから投入された高性能スポーツATである8速DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)が追加されています。

 これらのアップデートに合わせて冷却性能もレベルアップしています。

 フロントバンパーを変更(サブラジエーター、空冷ATFクーラー、ブレーキ用に開口部を拡大)。ちなみにバンパーコーナーに小さな段差が追加されていますが、これは単なる見た目のアクセントではなく、操縦安定性に寄与(小さな乱流を発生させることで空気の剥離を抑制)するエアロデバイスです。

 シャシ周りはまさにモータースポーツで鍛えられたアイデアが量産モデルにフィードバックされています。

 1つは更なる締結剛性アップです。2023年の改良時にも手を入れた部分ですが、今回はステアリングコラム取り付けボルト(ワッシャー径20→22、ボルト頭径14→17mm)、フロントロアアーム×ナックル(ボルトフランジリブ追加)、リアアブソーバー×ボディ(ボルトフランジ肉厚2.1→3.1mm)に変更されています。

 開発責任者の坂本尚之氏は「レースカーではボルト締めのトルクアップで対応していますが、厳密に言うとボルトは伸びます。

 レースカーは毎回交換するので問題ありませんが、量産車はそれではダメです。

 ボルト締めのトルクアップと同じ効果を持たせつつ、量産車としての信頼・耐久を両立させるアイデアです」と教えてくれました。

 サスペンション周りも手が入っています。

 旋回加速時のピッチ姿勢の改善(=車両姿勢を抑えることで駆動力の応答性アップ)のためにためにリアのトレーリングアーム取り付け点を30mmアップ(実はFF用を活用)。

 ただ、それだけだとロールステアが悪さをするのでそれをキャンセルさせるためにロアアーム取り付け点を5mm引き上げています。

 サスペンションは前後に旋回時に内輪をより活用するためにリバウンドスプリング付きアブソーバー採用(伸び側ストロークをコントロール)。

 それに加えて、リアスタビライザーのレートをダウン&リアスプリングのレートをアップ(ただし2ステージ化で乗り心地の悪化は防ぐ)を実施。その結果、ロール剛性はそのままにより足を動かせるセットアップを可能にしています。

 もちろんスポーツ4WD(GR-FOUR)の制御もアップデートされています。

 従来のTRACKは基本50:50でしたが、今回は車体加速度・車速に応じて60:40~30:70の可変式に進化(数値だけみると進化型GRヤリスのそれと同じですが、その制御はGRカローラ専用)。

 更に従来のFRONTはNORMAL(60:40)、従来のREAR(30:70)はGRAVEL(50:50)に変更されています。

 更にブレーキにも手が入っており、フラットなサーキットのみならずドイツのサーキット・ニュルブルクリンク(以下ニュル)のような上下入力でも確実なブレーキ性能を実現させるために、制御周期の改善/上下入力を考慮した制御を採用しています。

 2024年ニュルでテストカーがスクープされましたが、この時にこの確認作業も行なわれていたそうです。

 操作系に大きな変更はありませんが、新たに従来モデルではMORIZOエディションのみのアイテムだったセミバケットシート/レッドシートベルト、ウルトラスエードステアリング/シフトノブ/バンドブレーキが、今回は「スポーツパッケージ」としてセレクトできるようになっています。

■いざ雪の上で「GRカローラ」を体感!

 今回はいきなり雪上試乗です。

 苗場プリンスホテル近郊に作られた特設コースは僅かな直線がありますが、コース幅は車幅×1.5程度な上に2速が主体となるタイトコーナーが連続するコースとなります。

 正直言うと、試乗前は「GRヤリスより大柄なGRカローラには厳しいコース?」、「そもそも雪道で違いが解るのか?」と心配しましたが、走らせて納得。

 その進化は誰でも即座に実感できるモノでした。もう少し具体的に説明していきましょう。

 今回のコースはMT/AT共に中回転域を使うコーナーが主体でしたが、パワートレインはトルクアップが確実に効いておりアクセルコントロールはより楽です。

 ただ、乗りやすさだけでなく、回転が増すにつれてパンチのある力強さもプラス。言葉として正しいか解りませんが、「よりスムーズなのに、よりターボらしさが増した」と言った感じかなと。

 注目のDATはマニュアルシフトを使わずDレンジで乗りましたが、今回のコースだとほぼ2速固定で自動変速の恩恵は受けられず。その制御の巧みさは改めて舗装路でチェックしてみたいと思います。

 6速MTはiMTのON/OFFスイッチの位置がインパネ右下部からドライブモード左側に変更され、走行中でも操作しやすくなっています。これは細かい部分ですが嬉しい進化です。

 ハンドリングの進化はどうでしょうか。

 今回はドライブモード:SPORT、4WDモードセレクト:TRACK、VSC:OFFで走行しました。

 従来モデルは低μ路ではGRヤリスよりも200kg重い車両重量もあり、操舵してからノーズがインを向くまで我慢(=待ち)が必要でしたが、進化型はそれが確実に少ないので旋回姿勢が作りやすいので、結果的にアンダーステアは抑えられています。

 旋回時はクルマの動きは穏やかでコントロールのしやすさは従来モデルから不変ですが、まるでクルマが軽く小さくなったかのような手の内感がプラスされています。

 これらは締結剛性アップによるダイレクト感アップ、サスペンション改良による加減速時の無駄なクルマの動きの抑制、更にGR-FOURの制御変更による適切な駆動コントロール(TRACKは雪道ではクルマ任せでOKなくらいで「AUTOモード」と呼んでもいいくらい)の相乗効果によるものでしょう。

 その結果、ドライバーの意思により忠実なクルマの動きを実現。従来モデル以上に操作如何でグリップ/スライドが、より楽、より自在、そしてより安心してコントロールすることができるようになっています。

 他のモードでも走りましたが、GRAVELはコーナー進入で曲がるキッカケはドライバーに委ねますが、姿勢が決まると抜群のトラクションでより速いコーナーリングを可能にする「PROモード」的な印象。

 NORMALはできるだけ安定して走りたい人向けの「SAFEモード」のような感じでしたが、各モードの違いは従来モデルよりも解りやすくなったと思います。

 ちなみにブレーキは今回の改善効果かどうかは解りませんが、連続走行で掘り起こされた凸凹多めの雪道でのブレーキングでも、変な誤作動もなく安心した制動が可能でした。

 そろそろ結論にいきましょう。

 進化型GRカローラは、従来モデルのRZで良い所「クルマの動きが穏やかで挙動変化が予測しやすいので、多くの人が安心して楽しめる懐が深い走り」と、MORIZOエディションのいい所「キレの良さと俊敏なクルマの動き、そしてダイレクトなフィーリングを備えた走り」が融合した走りを実現していました。つまり「リアルMORIZOエディション」と言うわけです。

 今回の伸び代は正直既販モデルのユーザーがハコ替えしたくなるレベルですが、既販モデル向けに進化型の走りに近づけるアップデートキット(Step1:ボルト、Step2:サスペンション周り)が用意されています。

 その他のアップデートに関してもリリースを検討中との事なので、ご安心を。

 従来モデルは半導体問題の影響で台数限定発売でしたが、今回は通常販売です。

 とは言え、台数は限られているようなので、欲しい人は急いだほうがいいでしょう。

文:くるまのニュース 山本シンヤ
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みんなのコメント

11件
  • 冥土インPRC
    3月3日発売でもすでに完売してる。
  • まさどん
    抽選販売→2度ともはずれ、今回Dラーで買えると思いきや、すでに買えませんと。言葉ないね…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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