PWCピレリ・ワールドチャレンジで2018年から新設されたTCRクラスの開幕戦が、3月24~25日にアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催され、14チーム28台のエントリーを集めるなか、ヒュンダイのトップカスタマー体制で参戦するブライアン・ハータ・オートスポート(BHA)が2戦連続のワン・ツー・フィニッシュを決めた。
シリーズ開幕に先立ち、ヒュンダイi30 N TCRの2台体制でエントリーすると表明していたBHAは、マーク・ウィルキンス、マイケル・ルイスの2台が予選でフロントロウを独占。3番手には北米のモータースポーツシーンで長年アキュラのワークス活動を担ってきた、リアルタイム・レーシング(RTR)のFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブするライアン・エバースレーが着け、土曜のレース1に挑むこととなった。
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ローリングスタートで幕を開けたレース1は、ポールからスタートのウィルキンスがターン2でチームメイトに並ばれ、オープニングラップで2番手に後退。昨季はGTクラスにテスト参戦し、スプリントX戦ではチームメイトとしてアキュラNSX GT3をドライブしたRTRのエバースレーとともに、ウィルキンスのヒュンダイi30 N TCRを追いかける展開となった。
その背後では、パックの混戦に巻き込まれたエバースレーのチームメイト、ニック・エサイアンのシビック・タイプRがジャレット・アンデッティのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRに追突され、2台はフィールド後方までドロップ。
その後もトップ3台がジリジリと後続を引き離しにかかるなか、4番手マーティン・ジェンセンのアルファロメオ・ジュリエッタTCRが単独走行となり、5周目にはハイライン・レーシングのアウディRS3 LMSをドライブするアンソニー・ジェラチが5番手に浮上してきた。
そして40分レースがファイナルラップに差し掛かったところで、首位を行くルイスがTCRクラスのスバルBRZのパスに手間取りチームメイトが先行する一幕があったものの、ウィルキンスはすぐにルイスにポジションを譲る余裕を見せ、ヒュンダイが2台そろって17周のチェッカー。BHAが栄えある北米最初のTCRクラス勝者の称号を手にし、そこから5秒遅れてRTRのエバースレーが最後の表彰台を確保した。
続いて日曜に開催されたレース2は、前日と変わってスタンディングスタート方式が採用され、レース1決勝でファステストを記録していたカナダ人のウィルキンスがポールからのスタートに。
土曜のローリングスタートではターン2のバトルでポジションを入れ替える形となったBHAの2台は、この日曜にはミスを繰り返さなかったウィルキンスがしっかりと首位をキープ。その背後、3番手には4番グリッドスタートのアルファロメオ、ジェンセンがエバースレーのシビックRをかわしてヒュンダイ追撃体制に入る。
しかし、その翌周のターン8でブレーキをロックさせたエバースレーのシビックRがジュリエッタTCRのリヤに突っ込み、サスペンションを破損したジェンセンは無念のストップ。このアクシデントに対し、ドライブスルーのペナルティを受けたエバースレーは13番手まで後退することに。
さらに7周目には、TCAクラスに参戦するマツダMX-5(日本名:ロードスター)がスピンを喫したところへ、マット・ファスナートのアウディRS3 LMSがクラッシュ。これでセーフティカー(SC)が導入される。
このSCはRTRのエバースレーにとって完璧な機能をみせ、10番手を走行中だったホンダ・シビック・タイプRは14周のチェッカーまでに4番手までカムバックすることに成功。
さらに、最終周のメインストレートでコンマ1秒差のバトルを演じ、ブロックに次ぐブロックで3位表彰台を死守したジェラチのアウディに対し、レース後にスチュワードが「ストレートラインでの蛇行行為」と判断し、1ポジションダウンのペナルティを決定。
これで優勝のウィルキンス、2位ルイスのBHAヒュンダイ勢に続き、エバースレーが2戦連続の3位表彰台を獲得している。
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