現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に

ここから本文です

2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に

掲載 1
2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に

 2025年のWEC世界耐久選手権では、ハイパーカークラスの車両における“Evoジョーカー”と呼ばれるアップデートは、2025年のシーズン中には禁止される可能性が高そうだ。

 このルールが確認されれば、ハイパーカークラスに参戦するマニュファクチャラーは、2月にカタールで行われる第1戦にアップデートを導入するか、さもなければ2024シーズンとまったく同じ仕様のマシンで1年間を戦うことになる。

ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定

 2024年シーズン中にEvoジョーカーを使用、または検討した例は複数あるが、もっとも顕著だったのは4月の第2戦イモララウンドから“リヤウイング付き仕様”を導入したプジョー9X8だった。

 また、フェラーリも7月の第5戦というシーズン中盤のタイミングで499Pにアップデートを導入。一方ポルシェは割り当てられた5つのトークンのうちひとつを使用して963のクランクシャフトをアップデートすることを検討していたが、最終的にこれは実行されなかった。

 複数のパドック関係者は、シーズン中のアップデートを禁止する規則が2025年に導入されることはほぼ確実だと示唆しているが、Sportscar365がコンタクトしたFIAの広報担当者は、最終決定は下されていないと述べた。

 プジョー・スポールのテクニカルディレクター、オリビエ・ジャンソニーも、先週末のバーレーンでのシーズン最終戦を前に記者団に対し、この問題は解決していないと述べている。

 シーズン中のEvoジョーカーが禁止されることを予期しているかとの質問に対し、「これは、我々にとっても、現在のところあまり明確ではない」とジャンソニーは答えた。

「実際に何が許可されるかについては、今後数週間で決定が下される予定であり、我々はACO(フランス西部自動車クラブ)およびFIA(国際自動車連盟)と協議する。我々の(アップグレードに関する)計画はそれ次第だ」

 ジャンソニーは以前、プジョーは今シーズンの失望を受け、9X8をさらに進化させて2025年を迎える可能性があると述べていたが、フランスのブランドはシーズン後のテストプログラムが終了するまで最終決定を下さない。

 一方、ポルシェはバーレーンの最終戦で、2025年の開幕に5つの許可されたEvoジョーカーのうちふたつ目を使用する予定であることを明らかにした。

 フェラーリは499Pにこれ以上の変更を加えずに新シーズンに臨むと述べ、トヨタはGR010ハイブリッドのアップグレード計画を明らかにすることを拒否したが、これまで同車のホモロゲーション期間中に少なくともひとつのジョーカーを使用したことは知られている。

 シーズン中のEvoジョーカーを禁止するというアイデアが浮上した理由のひとつは、プジョー9X8などの大幅なアップデートには新しい初期パラメーターを定めることが必要になるため、BoP(性能調整)プロセスを簡素化したいという願望であると理解されている。

 さらに状況を複雑にしているのは、FIAがWECにおけるル・マン・ハイパーカーとLMDh車両のホモロゲーションに使用してきたザウバーの風洞が現在改修工事のため使用できず、その再開の明確なスケジュールも決まっていないことだ。

 つまり、すべてのハイパーカーチームは、通常IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のホモロゲーションに使用されている、アメリカ・ノースカロライナ州のウィンドシア社の風洞を使用しなければならないのだ。

 6月のル・マン24時間レースを前に明らかにされた、現在のハイパーカーのホモロゲーション期間をさらに2年間延長して2029年までとする決定においては、参戦するマニュファクチャラーに対し2028年と2029年に使用可能なジョーカーが、さらにふたつ付与されることが確認されている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

BMW Mハイブリッド V8がデイトナテストでアップデート投入「ジョーカーかどうかは議論中」
BMW Mハイブリッド V8がデイトナテストでアップデート投入「ジョーカーかどうかは議論中」
AUTOSPORT web
ラリー1は来季からノンハイブリッド・軽量マシンに。二転三転の廃止論が終結、2027年に新規則導入へ
ラリー1は来季からノンハイブリッド・軽量マシンに。二転三転の廃止論が終結、2027年に新規則導入へ
AUTOSPORT web
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
F1委員会、酷暑でのドライバー冷却キットの2025年導入を承認。ルーキーレースの実現は2026年以降に
F1委員会、酷暑でのドライバー冷却キットの2025年導入を承認。ルーキーレースの実現は2026年以降に
AUTOSPORT web
F1シーズン後の『ルーキーレース』開催は早くても2026年か。来季のオフは技術規則の変更に備えたマシン開発が優先
F1シーズン後の『ルーキーレース』開催は早くても2026年か。来季のオフは技術規則の変更に備えたマシン開発が優先
AUTOSPORT web
撤退が噂されるランボルギーニに代わり、メルセデスのWEC・LMGT3参入可能性が高まる?
撤退が噂されるランボルギーニに代わり、メルセデスのWEC・LMGT3参入可能性が高まる?
AUTOSPORT web
関係者の負担軽減などのため、モナコGPは2026年より6月開催に。インディ500とは別のグランプリが日程重複
関係者の負担軽減などのため、モナコGPは2026年より6月開催に。インディ500とは別のグランプリが日程重複
AUTOSPORT web
キャデラックVシリーズ.R、2025年の“ジョーカー”投入が確定。小林可夢偉参戦のデイトナ24時間が初陣に
キャデラックVシリーズ.R、2025年の“ジョーカー”投入が確定。小林可夢偉参戦のデイトナ24時間が初陣に
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMH、『1.5秒落ち』の公式セッションデビュー「重要な節目」
アストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMH、『1.5秒落ち』の公式セッションデビュー「重要な節目」
AUTOSPORT web
太田格之進もテストで好走。2台のアキュラARX-06で復帰のメイヤー・シャンク「本来いるべき場所に戻った」
太田格之進もテストで好走。2台のアキュラARX-06で復帰のメイヤー・シャンク「本来いるべき場所に戻った」
AUTOSPORT web
小林可夢偉がIMSAに挑む太田格之進にエール「若い世代に夢を見せてほしい」デイトナでの日本人対決なるか
小林可夢偉がIMSAに挑む太田格之進にエール「若い世代に夢を見せてほしい」デイトナでの日本人対決なるか
AUTOSPORT web
FIA F2参戦のロダン・モータースポーツ、2025年のクリスチャン・マンセル起用を発表
FIA F2参戦のロダン・モータースポーツ、2025年のクリスチャン・マンセル起用を発表
AUTOSPORT web
キャデラック陣営へ移るハーツ・チーム・JOTAが2025年WECドライバーを発表。ブルデー、バトンら6名
キャデラック陣営へ移るハーツ・チーム・JOTAが2025年WECドライバーを発表。ブルデー、バトンら6名
AUTOSPORT web
F1カナダGPも時期を変更、2026年より5月開催に。カレンダーの合理化で大西洋横断の移動が1回減少
F1カナダGPも時期を変更、2026年より5月開催に。カレンダーの合理化で大西洋横断の移動が1回減少
AUTOSPORT web
ザウバー離脱の周冠宇、フェラーリでリザーブ就任の噂。一方で他カテゴリーでのレースを許可するチームが優先と関係者は主張
ザウバー離脱の周冠宇、フェラーリでリザーブ就任の噂。一方で他カテゴリーでのレースを許可するチームが優先と関係者は主張
AUTOSPORT web
【F1チーム代表の現場事情:レッドブル】ホーナーが過ごした激動の3連戦。マクラーレンとコース外でもせめぎ合い
【F1チーム代表の現場事情:レッドブル】ホーナーが過ごした激動の3連戦。マクラーレンとコース外でもせめぎ合い
AUTOSPORT web
サンパウロで密かに奇跡を期待していたザウバー「皆のスタート違反に唖然。全員にペナルティが出ると思った」
サンパウロで密かに奇跡を期待していたザウバー「皆のスタート違反に唖然。全員にペナルティが出ると思った」
AUTOSPORT web
今季はタイヤ問題を克服したフェラーリ。気温の低いラスベガスでは「適切な温度にするのは少し難しい」と警戒
今季はタイヤ問題を克服したフェラーリ。気温の低いラスベガスでは「適切な温度にするのは少し難しい」と警戒
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • そにー製パスタ
    WECにしか出走していないLMH組はIMSAのホモロゲをついでに取るチャンスだと思うが、どうなることやら。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村