F1は昨年11月、アメリカ・ラスベガスにてセルフプロモーションに基づいてラスベガスGPを開催し、実際に大会自体は商業的に大きな成功を収めたと考えている。
しかし、一方でグランプリ期間中に積極的にグランプリに参加したプロモーターおよびチームのクルーたちは、その経験に感銘を受けるどころか、非常に寒い気温のなか午後6時から午前4時まで稼働する必要があったことに不満を抱いている。
ラスベガスの経営者グループがF1に補償を求める。グランプリ開催に伴う工事などで事業が混乱、減収に繋がったと主張
特に、普段ヨーロッパで働いている人にとっては、午前中のイベントの方がはるかに適しているのは事実であった。これはチームメンバーのほぼ全員、そしてFIAとF1関係者、さらには物流関係者のほとんどにとっても同様であり、同様のスケジュールを繰り返したいと思う人は少ないだろう。
さらに、グランプリ開催地周辺に営まれている地元企業も、このイベントに感銘を受けていなかったことが判明している。
地方自治体に訴訟を起こした地元実業家のグループは、コースや必要とされるその他すべての施設を建設するために大規模な工事が必要となり、その結果として地元の車道や歩道を基とするビジネスアクセスなどが遮断された結果、グランプリ前後の数週間で合計で数億ドルを失ったと主張。そして現在賠償を求める事態に発展している。
原告のひとりであるジェイ・マーケットのオーナー、ウェイド・ボーン氏は、「F1は必要ない。F1側こそが私たちを必要としており、私たちはF1がもたらしたあらゆるものによって生じた損失を補償してもらいたい」と語っている。
「F1はこの地にやって来てすべてを引き裂いた。レースを走り、我々を徹底的に追い出したということだ。もし来年また同じことが起こったら、私は100パーセント廃業するだろう…」
しかし、苦情に対してもっと融和的なアプローチを求める人もおり、ラスベガスのストリートレースが使用されるエリアでレストランと小さなカジノを経営するランディ・マーキン氏は、補償金を得る限りはレースが街に留まることに反対しないということを明らかにしている。
「私たちの誰もラスベガスを破壊したくないし、訴訟も望んでいない。私たちはマイナスをプラスに変えたいと考えているんだ。そのためには、郡委員会とF1が協力してこの問題に積極的に取り組むほかはないだろう」
この件に関してクラーク郡委員会は、すでに地元企業の損失について調査を開始。会長のティック・セゲルブロン氏は「我々は今回のラスベガスGPで起きた問題について、将来的に検討することになる。2024年のF1レースを承認する前に、今回実際にレースから影響を受けた事案、さらにこれから将来的に影響を受ける可能性が高いビジネスについて対処するつもりだ」とコメントしている。
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