新型車比較・ライバル車対決 [2022.09.06 UP]
新型エクストレイル ライバルSUVや先代モデルと先取り比較!
先進装備に加えて優れたレジャー適性を持つことも新型エクストレイルの強み。ミドルSUVのライバルたちにとっては、大きな脅威になるのは間違いない。ここではガチンコで戦うことになる有力車との違いを確認してみたい。
新型日産エクストレイル 最新SUVの内装/外装/新技術をチェック
●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部
NISSAN 新型エクストレイル
●価格:319万~449万9000円
ライバルモデルはズバリこの3モデル!
MITSUBISHI アウトランダー
●価格:319万~449万9000円
TOYOTA RAV4
●価格:277万4000~410万6000円
SUBARU フォレスター
●価格:293万7000~330万円
姉妹車アウトランダーとは
走りの味付けが異なる
新型エクストレイルを評価する上で欠かせないライバルになるのはアウトランダー(PHEV)だ。すでに述べたとおりシャシーや基本骨格を共用する姉妹車であり、少々乱暴な言い方をすると、ハイブリッド仕様がエクストレイル、PHEV仕様がアウトランダーと考えてもいい。
パワートレーンが異なる以上、当然、走りの印象も異なってくる。エクストレイルのハイブリッドシステムは駆動モーターのみで走るシリーズ式になるが、アウトランダーは高速走行時にエンジン直動状態に切り替わる、シリーズ/パラレル切替式。さらにエクストレイルはFF仕様もラインナップするため、前輪駆動用モーターが高出力タイプになり、4WD仕様の総出力も上回っている。
ともにミドルサイズのボディを引っ張るには十分なパワーを持つが、アウトランダーは俊敏な加速が際立つスポーティ寄りの味付けに対して、エクストレイルは高速域で悠々とした力強さや余力感をより感じるツーリング寄りという印象が強い。サスチューンの違いもあって、キャラは意外に異なる。
燃費性能もキーワード
新型はトップレベル級へ
レジャービークルとしての適応用途から、RAV4とフォレスターも外すことができないライバルだ。2車ともにファミリー&レジャー用途向けSUVとして定評のあるモデル。キャビンのスペースや使い勝手はエクストレイルも含めてほぼ同水準といっていいが、エクストレイルは3列シート仕様が選べることが2車に対して強みになってくる。
動力性能を優先してハイブリッド車同士で比較すると、RAV4が最も有力なライバル。フォレスターにもパラレル式のe-BOXERがあるのだが、性能的には2ℓ級マイルドハイブリッド車で、動力性能でも燃費でも本格ハイブリッドを搭載するエクストレイルとRAV4には及ばない。フォレスターのターボ車との比較ならターボ対決という視点もあるが、エクストレイルのエンジンはあくまでも発電機で、ターボのパワーを直接楽しむスポーツ感覚とは別物。性能面ではフォレスターのターボ車は大いに魅力的だが、エクストレイルとは明らかに強みの方向が異なる。
ハイブリッド車対決は、走りの質感や動力性能はエクストレイル、燃費ならRAV4というのが大まかな構図といえる。RAV4のハイブリッド車はガソリン車に対しては高速加速や登坂での余裕があるが、高性能というほどでもない。一方、エクストレイルの4WD車は、ミドルSUVではトップレベルの性能を持つ。力強さと滑らかなコントロール性でRAV4を明らかに上回っている。
フットワークについても同様で、RAV4はバランス重視の味付けだが、しなやかさとラインコントロールの落ち着き具合はエクストレイルの方が一枚上手。ともに電動4WDを操安性向上にも活かす制御を持つが、RAV4よりもエクストレイルの方が巧みさが上回るように感じられる。
RAV4&フォレスターは
キャラが近い好ライバル
ハイブリッド車のもう一つの武器になる燃費は、WLTC総合モードでRAV4がエクストレイルを約12%上回っている。とはいえ、エクストレイルは新技術の可変圧縮比ターボの導入により効率が良くなった結果、従来型を大きく超える燃費性能を手に入れている。同等とは言わないまでも、燃費優等生のRAV4相手にも十分に戦える。おそらく実燃費で1~2km/ℓくらいの差になると思うが、燃費重視のユーザーにとっても、新型エクストレイルは悩ましい存在になるだろう。
新型エクストレイルはハイブリッド専用車となったことで、実用面とコスパの良さで従来型を選んでいたユーザーにとっては少し割高に思えるかもしれないが、ライバルと比較してみると、ミドルSUVに求められる要素のどこを取ってもトップレベルの実力を持つことが分かる。
【ライバルその1】MITSUBISHI アウトランダー
姉妹関係にある強力なライバル車
外部充電が可能であり、満充電で85kmのEV走行航続距離を持つことが大きな特徴。加えて、三菱独自のS-AWCがもたらす、マニアックなスポーツドライビングの深みが楽しめることも見所の一つ。e-POWERのエクストレイルとは走りのテイストの異なるモデルに仕上げられている。キャビン&荷室の質感や使い勝手は同等と考えていい。
水平基調のボディデザインやプレーンなサイドウインドウグラフィックなど、アウトドアに似合う重厚なパッケージが印象的。
くつろぎの空間を意識した上級モデルらしいキャビン空間。補助的とはいえ3列シートが活用できることも大きな強みになっている。
最新設計のPHEVシステムにS-AWCによる優れた駆動制御が組み合わされることで、オン/オフ問わない万能な走りを実現。
【ライバルその2】TOYOTA RAV4
一番のライバルとなりうる実力派SUV
トヨタのミドルSUVにはプレミアム路線のハリアーもあるが、こちらはアウトドアユースを意識して設計されたモデル。悪路対応レベルはクラストップレベルの実力を持つ。2ℓガソリン車と2.5ℓハイブリッド車を選ぶことができるが、エクストレイルのライバルになるのはハイブリッド車。エクストレイルに対しては燃費が強味になっている。
最近のミドルSUVとしては標準的なサイズだが、クラッディングパネルやアンダーガードを装着することで骨太感溢れるスタイリングに仕上げられている。
グラスエリアを広めに確保した解放感溢れるキャビン空間。カジュアルなイメージだが素材感や組み込み精度は極めて良好。
2.5ℓハイブリッド車は余力十分の動力性能、走りの質感&乗り心地を持つ。エクストレイルのライバルにふさわしい1台だ。
【ライバルその3】SUBARU フォレスター
クラス唯一のターボ車は侮れない実力車
現行型はシャシー性能も内装仕立ても大幅にパワーアップ。ミドルSUVとして申し分ない実力を手に入れた。エクストレイルとハイブリッド車同士で比べると、動力性能も燃費もエクストレイルに及ばないが、悪路踏破性を犠牲にしないでオンロード性能を大きく向上させたターボ車はエクストレイルにはない魅力が楽しめる。
内装質感が大幅向上したことも現行モデルの魅力の一つ。防汚性の高いパッケージ設計など、アウトドア適性に優れることも見逃せない。
最新ターボを搭載するスポーツならば、新型エクストレイルとも互角に戦える。走り重視のユーザーならば選ぶ価値は十分にある。
【プレミアム重視なら見逃せない】LEXUS NX
●価格:455万~738万円
標準仕様車ならばエクストレイルにもチャンスあり
オンロードでの優れた性能や上質な内外装を持つことで、NXは1クラス上のモデルに君臨するが、コスパ面での弱さが難点だ。エクストレイルの最上級仕様(G e-4ORCE)とNXの標準仕様車との比較ならば、エクストレイルもライバルになりうる。オンロードの走りに関してもe-4ORCEによる上乗せ分を考えれば、エクストレイルが好みというユーザーも多いはずだ。
最もベーシックなNX250標準仕様ではLtexと呼ばれる合成皮革シートを採用。プレミアムブランドにふさわしいクオリティを十分に味わえる。
NX250は2.5ℓ直4NAエンジン(201PS/24.5kg・m)を搭載。大出力モーター搭載のエクストレイルに比べると、少し物足りなさを感じてしまう。
【新型 vs 先代】新旧エクストレイルの違いとは?
先代エクストレイル
性能向上により価格は上がってしまったが
それに見合うメリットがある
先代(3代目)のエクストレイルは性能と価格のバランスに優れたコスパ重視のファミリー&レジャー向けSUV。ガソリン車も選べることもあって多くのユーザーに親しまれたモデルだった。一方、新型はe-POWER専用車となり、燃費を含めた動力性能が大きく向上。さらに内装意匠や装備も1ランク上に仕立てられている。必然的に価格も上がってしまったため、歴代オーナーの中には残念に思う人もいるだろう。ただ、新型は燃費も含めた性能が段違いに上。特にガソリン車からの乗り換えとなると、価格が上がった以上のメリットを感じるはずだ。
先代も最新改良時にボディ&シャシーに新世代技術が注がれることで走りの質感は向上しているが、新型と比べるのは少々酷だろう。
改良のたびに内装質感や装備も強化。プロパイロットが追加されたことで、ロングドライブ適性が大幅に強化している。
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みんなのコメント
最新装備とあいまって、相当売れそう。
デザインまとまっててイイネ。