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先進の“共同作業”ドライブ──新型レクサスLS500hエグゼクティブ“アドバンスト・ドライブ”試乗記

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先進の“共同作業”ドライブ──新型レクサスLS500hエグゼクティブ“アドバンスト・ドライブ”試乗記

レクサスのフラグシップ「LS」に追加搭載された、高度運転支援システム“アドバンスト・ドライブ”を公道でテストした!

ハンズオフ運転できるレベル2

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レクサスのフラッグシップセダンであるLSに搭載された高度運転支援システム「Advanced Drive(アドバンスト・ドライブ)」。本機能を使いながら公道試乗する機会を得た。

システムの最大の眼目は「高速道路で一定の条件を満たした場合、ハンズオフ運転ができる」というものだ。状況次第ではあるがハンドルから手を離しての運転が可能になるのだ。

自動運転は国土交通省によりレベル0~5までの段階が定められている。大枠で言えばレベル1~2はドライバーが運転の主体となる「運転支援」、レベル3以上は自動車(システム)が主体となる「自動運転」と定義されている。

先日、ホンダがレジェンドに「ホンダ・センシング・エリート」というシステムを搭載し、渋滞中の高速道路における初のレベル3自動運転を実現したが、レクサスLSに搭載されるアドバンスト・ドライブは区分けでいえばレベル2。つまり運転の責任を負うのはあくまでもドライバー。しかしハンズオフ運転が可能ということは、限りなくレベル3に近い高度な運転支援システムなのである。

アドバンスト・ドライブではドライバーの監視下という条件のもとで120km/hまでのハンズオフ走行が可能。

くわえて車線変更、追い越し、分岐などもほぼ自動で行ってくれる。また合流などで他車が前に入ってくるときには、あらかじめ減速して車間を空けるなど、周りの交通を鑑みた運転支援もしてくれるという。

分岐を見越して車線変更を促す

試乗は都心から山梨の山中湖へ向かう高速道路で行った。まずカーナビで目的地を設定する。首都高速に上がり、ハンドル右側のスイッチを押すとアドバンストドライブが起動。平日の昼過ぎ、交通量は多いものの渋滞が発生するほどではない。

この時点では前走車に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロールと車線をキープするレーン・アシストが機能し、ハンドルに手を添えているだけで込み合った首都高をスムーズに走ることができる。

搭載されている高精度の地図データにより正確な自車位置が測定できるなど条件が揃うと、メーターディスプレイがグリーンに変わりハンズオフが可能になったことを知らせる。

恐る恐るハンドルから手を話すと、クルマは何事もなく自ら操舵をおこない、車線をキープして自動運転を始める。感心したのは大型トラックの横に並んだときなど、車線内でちょっと位置を変え、トラックとの間隔を空けるという“配慮”も見せるところだ。

またレーダー、カメラ、赤外線レーザーなど多様なセンサーを使い、アクセル、ブレーキ、ハンドルなどの統合操作も上手になったことで、加速、減速、コーナリングなどがとてもスムーズになっている。

しかしハンズオフ運転できるというのはアドバンスト・ドライブの機能の一部であり、その本領はナビで目的地を設定すると、交通状況に応じてシステムが車線や車間の維持、車線変更や分岐、追い越しなどをマネージメントし、目的地近くの高速出口まで運転支援を行ってくれることにある。

今回、ナビの目的地を山中湖にしたところ、東名高速から圏央道、中央道を経由して向かうルートが設定された。首都高から東名高速を西へと進んでいると、アドバンストドライブから「左車線に車線変更しませんか」と、提案される。

一瞬「なぜ?」と思ったが、ディスプレイを見ると圏央道へ接続する海老名ジャンクションまでの距離が示されており、そこで分岐するためにあらかじめ車線変更を促しているのだとわかった。

運転支援以上、自動運転未満

走行車線を走行中、前車との車間が詰まってくると「追い越しますか?」と、聞いてくる。スイッチを押して了承し、周囲の安全を目視で確認すれば、あとは自動で車線変更し追い越しが行われる。完了までの一連の動きは予想以上にスムーズだ。

ただし車線変更時はハンドルに手を添えている必要があり、安全確認も視線の移動だけではなくしっかり顔を動かして目視する必要があるから、運転に慣れている人なら「これなら自分でやったほうが簡単じゃないか?」と、思うかもしれない。

きっと技術的にはハンズオフでの(周囲の安全確認はするにしても)車線変更も可能だろうが、そこには「運転の主体はドライバー」という定義上の理由があるのだろう。

アダプティブ・クルーズ・コントロールは120km/hまで設定可能、ハンズオフは法定速度+15km/hの範囲で対応する。アドバンスト・ドライブと対話しながらのドライブに慣れてくると、やがてストレスのすくないアベレージ速度で走れるようになってくる。「ここはクルマに任せて」、「ここは自分でやろう」と判断しながら合理的かつ先進的なドライブ体験を味わえた。

レクサスではこのアドバンスト・ドライブを含む運転支援システムを「Lexus Teammate(レクサス・チームメイト)」と、呼んでいる。カタログには「ドライバーとクルマが“チーム・メイト”のような信頼関係で目的地をめざします。自分で運転したい時には思いのままに運転を楽しめ、長距離移動の時にはクルマに運転操作を委ねることでドライバーの負担が軽減され、ストレスから開放される」と、ある。

今回アドバンスト・ドライブを試してみて、「運転支援以上、自動運転未満」という感想をもった。確かにこのシステムを上手く使いこなすにはチームメイトというコンセプト通り、クルマとの“共同作業”で運転する、と、考えるべきだろうと思う。

ちなみにLS500hの場合、頼れる共同作業者のギャランティは66万円である(エグゼクティブが1728万円、エグゼクティブ “アドバンスト・ドライブ”が1794万円)。

文・河西啓介 写真・安井宏充(Weekend.)

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