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【クルマの通知表】クリーンなスタイルで個性を主張。ステップWGNに流れるホンダイズムとユーティリティをチェックした!

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【クルマの通知表】クリーンなスタイルで個性を主張。ステップWGNに流れるホンダイズムとユーティリティをチェックした!

新型は全車3ナンバーボディ。室内は一段と広く使いやすい

 ステップWGNの8月末時点の受注台数は4万2056台。販売比率はスパーダが圧倒的で、今回のテスト車プレミアムラインだけでも28%に達している。シンプルなエアーが15%にとどまっているのは少々意外な気もするが、時間が経過すると傾向も変わるかもしれない。新型は、まずまずの滑り出しといえそうだ。

ついに発売された新型ホンダ・シビック・タイプRの詳細を解説

 ボディサイズは全長×全幅×全高4830×1750×1845mmとひと回り大きくなった。全幅が1695mmだった従来のサイズ感がよかったというユーザーも多いだろうが、全車が3ナンバー規格となったのは、下にフリードがあり、一方、上のオデッセイが廃止となった車種構成を考えるとやむを得ないように思う。取り回し性は、ほぼ従来と同等。3ナンバー化により広さや走りの面でいろいろなメリットが生まれている。

 まず、乗り込んだ瞬間から車内空間の余裕が増していることを感じる。前席はもちろん、とくに後席でそれは顕著だ。
 運転席回りの雰囲気は一変した。できるだけ死角を作らないよう配慮され、メーターやスイッチ類についても見やすさと使いやすさを意識した設計方針がうかがえる。以前のホンダ車に見受けられた統一感のないものとは大違いだ。また、直線基調の構成の効果で、走行時にクルマがどのような状態にあるかが把握しやすい。

 スライドドアには静電タッチセンサー式が採用され、室内の車体側にもスイッチが設けられたのは本当に重宝する。e:HEV車は駆動バッテリーにより前席下の床が盛り上がっているが、ちょうどよい足の置き場になる。オットマンも選べるキャプテンシートは前後左右にスライドが可能で、そのメリットをより享受できるようシートベルトのベースは車体側でなくシートの肩の部分に設けられている。出っ張りもなくキレイに収められていることにも注目だ。

 ステップワゴンの個性である床下格納の3列目シートはよく出来ている。床下格納式はシートの厚さやサイズに少なからず制約が生じる。新型は思ったよりもクッション感があるうえに、成人男性の平均+αの体格を持つ筆者が座っても居住性に大きな不満を感じない。ヘッドクリアランスを残しながら、十分に高いヒップポイントが確保され2列目に乗員がいても見晴らしがよい。ヒール段差は適切で、楽な着座姿勢がとれる。

 3列目を簡単に片手で出し入れできることにも感心した。これなら使うたびにアレンジするのもまったく苦にならない。フリードやトヨタの競合車が採用する左右跳ね上げ式以上に便利に感じた。双方にはそれぞれメリットとデメリットがあるわけだが、床下格納式を好む人には、これ以上はないほどよくできている。
 新型は、旧型の個性だった「わくわくゲート」は未採用。使うと便利だっただけに、廃止を惜しむ声もあるが、待望のパワーテールゲートが採用されたのは歓迎だ。

メカニズムは旧型を大幅リファイン。スムーズで静かで、乗り心地がいい

 パワートレーンは従来の改良版。テスト車のe:HEVは、2リッターエンジンと2モーターの組み合わせ。新型はアクセル操作に対し、よりリニアに応答するようになった。気持ちよく走れる。従来はアクセルを踏み込むと昔のCVTのように回転上昇が先行したが、新型はだいぶ抑えられている。幅広い速度域で一体感がある走りを楽しめるのがいい。

 また、開発関係者から「エンジンを大改良。燃焼の改善とともに、ブロックを新規で作り直した」という話を聞いて驚いたのだが、それらも効果的で音や振動が非常に小さく抑えられている。
 なお、別の機会にドライブした1.5リッターターボは、リニアで扱いやすくなり、静粛性も向上していたことをお伝えしておこう。

 足回りの進化は想像以上だ。プラットフォームは従来型を大幅リファイン。剛性向上に加えて3ナンバー化によりトレッドが拡大したこと、重心高が低くなったことが効いてセッティングに余裕が生じた。新型は安定性が増したと同時に、乗り心地がかなりよくなっている。それは後席でより顕著で、従来型で感じたフロア振動が大幅に低減した。路面からの入力の受け止め方がだいぶ違って、サスペンションが初期からよく動いている感覚が伝わってくる。17インチタイヤを装着するプレミアムラインは若干の当たりの硬さを感じるが、他グレードの16インチ仕様ではよりしなやかだ。
 静粛性はクラストップ級。後方から入ってくる音にも配慮されているようで、運転席と3列目の間で明瞭に会話ができることに驚いた。このクラスでここまでやるとは恐れ入った。

 パワーステアリングはコラムアシストとは思えないほどスッキリとしたフィーリングに仕上がっている。より素直な挙動を実現した足回りと相まって、クルマの動きが把握しやすい。
 高速巡行時には、改善したとはいえボクシーなボディの影響を若干感じるが、タウンスピードでは修正舵が必要な状況が生じにくくなった。
 新型は、細部までいろいろよくできている。「熟成」と「進化」の好例といえそうだ。

通知表/ホンダ・ステップWGN e:HEVスパーダ・プレミアムライン 価格:384万6700円

総合評価/77点

Final Comment

すべてに気を配った高い完成度が印象的。
使い勝手に優れ、実用燃費は高水準

 ステップWGNの完成度は高水準。このクラスでこれ以上望むのは酷といえるほど、そつのない仕上がりだ。価格がずいぶん高くなった気もするが、競合車をはじめ周囲を見わたすとそうでもない。デザインがどう受け取られるかは興味深いところ。個人的にはスパーダ系はもう少し強いインパクトがあってもよかったように思う。実測テスト燃費は23.0km/リッター。既報のノア/ヴォクシー(22.6km/リッター)をやや上回った。16インチ㌅タイヤの別グレードならさらに良好な結果も期待できる。

ホンダ・ステップWGN 主要諸元と主要装備

グレード=e:HEVスパーダ・プレミアムライン
価格=384万6700円
全長×全幅×全高=4830×1750×1845mm
ホイールベース=2890mm
トレッド=フロント:1485/リア:1500mm
最低地上高=150mm
車重=1840kg
エンジン=1993cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(145ps)/6200rpm
最大トルク=175Nm(17.8kgm)/3500rpm
モーター最高出力=135kW(184ps)/5000~6000rpm
モーター最大トルク=315Nm(32.1kgm)/0~2000rpm
WLTCモード燃費=19.5km/リッター(燃料タンク容量52リッター)
(市街地/郊外/高速道路:19.3/20.7/18.9km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:車軸式
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=205/55R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.7m
主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/アトキンソンサイクル/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
主要装備:ホンダセンシング(衝突軽減ブレーキ+前後誤発進抑制機能+近距離衝突軽減ブレーキ+歩行者事故低減ステアリング+路外逸脱抑制機能+渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール+トラフィックジャムアシスト+車線維持支援システム+オートハイビーム+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能ほか)/パーキングセンサー/マルチビューカメラシステム/ブラインドスポットインフォメーション/フルLEDヘッドライト/LEDアクティブコーナリングライト/アダプティブドライビングビーム/サイドカーテンエアバッグ/スエード調表皮&プライムスムース(合皮)シート/2列目キャプテンシート/2列目オットマン/1&2列目シートヒーター/3列目分割床下収納式シート/パワーテールゲート/エレクトリックギアセレクター/減速セレクター/ナビ装着用スペシャルパッケージ/トリプルゾーン・フルオートAC/PTCヒーター/全席USBチャージャー/マルチインフォメーションディスプレイ/本革巻きステアリング/カラードテールゲートスポイラー/ダーククロームメッキ加飾/スパーダ専用エクステリア/プラチナ調クロームメッキ加飾/17インチアルミ/6スピーカー
ボディカラー:プラチナホワイトパール(op3万8500円)
※価格は全て消費税込み

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みんなのコメント

38件
  • この車をダサいと言う人とは結婚したくないけど嫁がダサいって言ってたわ。古臭いんだと。てめえの方が型落ちしとるわ。
  • オプションで良いからわくわくゲートの復活を望む
    左右非対称が敬遠されたけど、左右対称のデザインならば敬遠されないと思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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