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燃費競争うんざり? 走りって楽しい国産コンパクト・ハイブリッド4選

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燃費競争うんざり? 走りって楽しい国産コンパクト・ハイブリッド4選

多くの人は「燃費」を意識

「これからはEV(電気自動車)だ!」「エンジン付きのクルマに乗るなんて野蛮だ!」と声高に叫ばれている昨今のクルマ事情。

【画像】今をときめく「爽快」コンパクトハッチバック【ディテールをみる】 全97枚

しかし、いま車両1台あたりの二酸化炭素の平均排出量がもっとも少ないメーカー(EV専門ブランドを除くメジャーブランド)が量産EVを本格販売していない「トヨタ」と聞けば意外に感じる人も多いかもしれない。

なぜ、トヨタが世界中のメーカーの中でもっとも二酸化炭素の平均排出量が少ない(=メーカー内の平均燃費がいい)のか。

それはハイブリッドの力だ。

たしかに、走行中の二酸化炭素排出が「ゼロ」というEVの強みはインパクトがあるが、数が多くないと全体に対する効果は薄い。

いっぽうトヨタは販売におけるハイブリッド比率が高いので、メーカー内の二酸化炭素排出量平均で世界ナンバーワンに立つという理屈である。

すこし前に某環境団体が「自動車メーカーの気候変動対策ランキング」を発表して最下位がトヨタだったが、状況を知っている人から見ればその判定は質の悪いジョーク以外の何物でもない。

ハイブリッドの力は偉大なのである。

とはいえ、日本ではユーザーの認識として「二酸化炭素排出量が少ないから」という理由でハイブリッドを選ぶ人は少ないに違いない。

多くの人は「燃費」を意識しての選択ではないだろうか。

しかし、ここで声を大にして世のかなに問いたい。運転好きならハイブリッド車もドライバビリティ重視で選ぶべきではないか、と。

各社を代表するHV比較

ハイブリッドは燃費に優れるけれど運転が退屈な乗り物。

1997年に世界初の量産ハイブリッドカーであるトヨタ・プリウスの初代モデルが発売して以来、長きにわたってハイブリッドはクルマ好きにそう思われていた。そして、それは事実だった。

しかし、今となっては古い認識と言わざるを得ない。

退屈などころか、なかにはガソリンエンジン車に比べても楽しいユニットが存在する。

そこで今回は「心地よさで選びたいハイブリッドコンパクトカー」として、ドライバビリティの側面から見た魅力ランキングをお伝えしよう。

ハイブリッドと言えば燃費で比較されがちだが、アクセルを踏む楽しさでランク付けしようというのだ。

比較するのは、各社を代表するハイブリッドのコンパクトカーでトヨタ・ヤリス&アクア、ホンダ・フィット、そして日産ノートだ。

参考までに燃費をチェックしておくと、ヤリス・ハイブリッドは36.0km/L、アクアは35.8km/L、フィットは29.4km/L、そしてノートは29.5km/Lだ(いずれももっとも燃費に優れる仕様のWLTCモード値)

カタログ燃費でいえばトヨタ勢の圧勝となるが、それがイコールドライバビリティの高さを示すわけではないのは言うまでもない。

ヤリスは、量産ハイブリッドのパイオニアであるトヨタが先進国向けのコンパクトカーとして用意しているモデル。

そのハイブリッドで特筆すべきは世界最高水準の燃費だが、ドライバビリティに関しても先代にあたるヴィッツ・ハイブリッドを大きくしのぐ。

ヤリス/アクアよりフィット

そんなヤリス・ハイブリッドや新型アクアに搭載している1.5Lエンジンを組み合わせるハイブリッドシステムは最新設計で、従来タイプに比べてモーターのアシストを増やして加速を力強くするとともに、速度上昇とともにエンジン回転数を高めるといった工夫を盛り込んでいるのが特徴だ。

その効果もありドライバビリティは大幅に向上。「ラバーバンドフィール」(ゴムひものようにルーズな感触)と言われた従来のトヨタハイブリッドに対して、走りの爽快感を語れる仕上がりになっている。

しかし、爽快感という意味ではフィットの「e:HEV(イーエイチイーブイ)」のほうが好印象。

このハイブリッドシステムは高速域においてエンジンの動力を機械的にモーターへ繋げる状態もあるが、60km/h以下ではエンジンは発電機に徹し、駆動力はすべてモーターが担う仕掛けを採用する。

駆動力の作り方でいえばEVと同じ状態になるのだ。つまり、EVライクな走行感覚となる。

そのフィーリングは、トヨタ式とはまったく違うのだから面白い。

エンジンの存在は感じさせず、ただただモーターが生みだすスムーズでリニアな加速が楽しめる。

フィットのハイブリッドシステムは燃費ではトヨタ式に負けるものの、心地よさではトヨタを上回る。

運転していて心地いいのはヤリス・ハイブリッドやアクアよりもフィット・ハイブリッドだ。

ただ、心地よさでフィットよりもさらに上をいくクルマがある。

フィットより上の心地よさ

心地よさでフィットよりもさらに上をいくのが日産ノート。

採用する「eパワー」と呼ぶシステムは、どの走行領域においてもエンジンは発電機に徹し、駆動力はモーターだけが生み出す。

ホンダのe:HEVに比べるとエンジン直結モードがないだけ機構がシンプルだ(その分高速領域の燃費向上に不利)。

とはいえ、アクセルを踏む喜びはトヨタ式やホンダ式の比ではない。

スムーズなのに加え、ドライバーのアクセル操作に対する反応が良く、さらにはアクセルを深く踏み込んだ時の「伸び感」があるのがその理由。

エンジンに例えるとするならば、レスポンスがよく高回転でパンチ力のある自然吸気エンジンに近い感覚だ。

もしも加速の心地よさでコンパクトハイブリッドカーを選ぶなら、現時点でのチャンピオンは迷うことなくノート。

ガソリン車とはまったく異なるモーターならではの加速感は、正直なところ癖になるので気軽に試乗などしないほうがいいかもしれない。

乗ると、その加速感に心を奪われ、欲しくなってしまうからだ。

こうして運転する心地よさの観点からハイブリッドカーを見て思うのは、ガソリン車の基準で加速の爽快感を求めるのはやめたほうがいいということ。

考え方を変え、滑らかさや反応の良さなどモーターならではの新しい爽快感に快楽を見出すこと。それが、ハイブリッドカーの運転を楽しむコツである。

とはいえ、違う意見もあるだろう。

ハイブリッドでもガソリン車のような手ごたえ(足応え?)のドライバビリティで運転を楽しみたいという要求は心から理解できる。

そんな人にオススメするクルマがもう1台ある。

かなりの掘り出し物を発見

そんな人にオススメするのは、スズキ「スイフト・ハイブリッド」だ。

スイフトにはシングルクラッチ式のギアボックスにモーターを組み合わせた独特のハイブリッドを搭載したモデルがあるが、そのドライバビリティはガソリンエンジンのMT車にきわめて近い。

シフトチェンジを除く走行中は常にエンジンをドライブトレインに直結する構造はハイブリッド車としては珍しく、アクセル操作に対する反応はまるでアクセルとパワートレインがダイレクトに繋がっているかのようにリニアだ。

そのリニア感は、ガソリン車まで含めて考えてもけっこうスゴイ。

はっきり言おう。このスイフト・ハイブリッドはかなりの掘り出し物だ。ノートとは対極といえるガソリン車の延長線上の加速感だがドライバビリティが抜群によく、運転好きなら気に入らないわけがない。

燃費は23.0km/Lとライバルより優れないが、それでも十分に優れた数値と判断できる。

ハイブリッドと言えば燃費数値で語られがちだけど、運転するのが好きならばアクセルを踏む楽しさで選ぶほうが「幸せになれるクルマ選び」ではないだろうか? 決して環境団体には理解してもらえないだろうけれど。

ちなみに、今回はコンパクトハッチバックを対象としたが、各社の同じパワートレインを積むコンパクトSUVでも同じことがいえる。

トヨタ・ヤリス・クロス、ホンダ・ヴェゼル、そして日産キックスだ。

残念ながら……スズキには該当するハイブリッド搭載のコンパクトSUVは存在しないのだが。

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みんなのコメント

57件
  • 「これからはEV(電気自動車)だ!」「エンジン付きのクルマに乗るなんて野蛮だ!」と声高に叫ばれている昨今のクルマ事情。
    誰が言ってるの?ソースは?????
  • 燃費気にしてなきゃこんな車乗らないよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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