ヨーテボリに続き上海にもモーター研究ラボを開設
現在、ボルボ・カーズは次世代モデルに搭載する電動モーターを自社で設計・製造できるよう大規模な投資を行っており、将来的に電動モデルのみを展開する自動車メーカーへの移行を目指している。
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ボルボは電気自動車関連部品の開発・研究を行うグローバルネットワークに、中国・上海に設立した電動モーター研究・開発ラボを加えた。すでにスウェーデン・ヨーテボリでも電動バッテリーの研究・開発ラボを稼働させており、今後はスウェーデンと中国の両輪で電動技術の研究・開発を行っていく。
モーターの自社開発による、多くのメリット
電動モーターは、バッテリーやコントロールユニットとともに、電気自動車における重要な基幹技術。これら3つのコンポーネントの相互作用は、プレミアム電気自動車を開発する上で避けては通れない。
電気モーターの開発を社内で行うことで、ボルボのエンジニアはモーターとコントロールユニットをそれぞれのモデルに合わせて最適化することが可能になる。この効率的な開発アプローチを採ることで、各車種のエネルギー効率と総合的な性能をさらに向上させることができるという。
ボルボ・カーズのチーフテクニカル・オフィサーを務めるヘンリック・グリーンは、モーター開発を社内で行うメリットを以下のように説明する。
「社内での設計・開発を通じて、電動モーターをこれまでないレベルで細かく調整することができます。エネルギー効率や快適性、電気自動車の総合的な性能を向上させることで、ボルボにしかないドライブ体験をカスタマーに提供することができるでしょう」
2040年までに温室効果ガス排出量をゼロに
今回、上海にオープンした電気モーター開発ラボは、2020年10月から稼働を開始。このラボでは、ボルボが近々発表を予定しているフルEVモデルやハイブリッドモデルに搭載する電気モーターの開発を行っている。今後発売される電動パワートレインを搭載したニューモデルは、ボルボの次世代プラットフォーム「SPA2(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー2)」 の採用が決まっている。
ボルボの電動モーター開発への積極的な投資は世界的な気候変動を踏まえたものであり、2025年までに販売台数の50%をフルEVとして残りはハイブリッドモデルにすることを目標に掲げる。さらに、2040年までに全ラインナップを温室効果ガスを排出しないモデルにするという野心的なプランも明らかにしている。
このプランはラインナップの電動化による排出ガスの削減だけに留まらず、製造ネットワークや関連業務、サプライチェーンなどの分野でも、温室効果ガス排出量の抜本的な削減に取り組んでいくもの。ボルボは2018年から2025年にかけて、自動車1台を製造する際に排出される温室効果ガス排出量を40%削減する目標も立てている。
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