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【あるか追加発売&1Lターボ搭載】新型フィットはなぜ「RS」をなくしたのか

掲載 更新 37
【あるか追加発売&1Lターボ搭載】新型フィットはなぜ「RS」をなくしたのか

 2020年2月発売決定! 新型フィットからスポーツグレード「RS」が廃止。シビックの系譜を引く名グレードはなぜ消滅? 復活の可能性はあるか!?

 ホンダの人気コンパクト、フィットが間もなくモデルチェンジで通算4代目となる新型に刷新。同月に発売されるトヨタの新型ヤリスとともに2020年の大物新車として注目が集まっている。

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 そんな新型フィットだが、実は現行モデルに設定されている「RS」が廃止されることが明らかになっている。「RS」は1974年に初代シビックに初めて設定されたスポーツグレード。

 当初、新型フィットに搭載が見込まれていた1Lターボエンジンが搭載されなかった理由とともに、RSが廃止された理由と今後の可能性を追った!

文:遠藤徹
写真:HONDA、編集部

【画像ギャラリー】過去にはハイブリッドにも設定!! 歴代フィット RS 全モデル

競合ヤリスは「GR」設定! 新型フィットに「RS」ない理由は?

2020年2月発売の新型フィット。4グレード構成で「RS」はラインナップされないことが明らかとなっている

 スポーツモデルは走りを重視してクルマを購入したい若い層中心のユーザーにとっては楽しみだし、メーカーや販売店は量販戦略モデルにとってイメージリーダーモデルにもなるからきわめて大切な存在であることは間違いない。

 今回の新型フィットに存在していない理由は、

「従来モデルに比べて大幅なコンセプト変更を行っている。幅広いユーザーに浸透させるために、特徴づけたグレード構成としている。まずこれまでと大きく路線変更していることをアピールすることが第1と考えてこれまでの延長線上にあったRSを除いたラインアップ構成にしたのではないか」(首都圏ホンダカーズ営業担当者)

と分析する。

 ということは、現行新ラインアップを浸透させ、これが一段落した時点で次のステップとしてどうするか考えるということであろう。

 トヨタはスポーツ色の強いカスタマーズモデルとして、「GRスポーツ」を各モデルに展開している。フィットのライバル車である「ヤリス」もしかりである。

 ヤリスは、新型フィットとほぼ同じ時期の2月10日に発売するが、GRスポーツは半年後の8月頃に投入する予定である。

「RS」追加設定の可能性 有力な搭載エンジンは?

現行型フィットRS。1.5Lエンジンを搭載し、エアロパーツなどの外観だけでなく足回りも専用セッティングを施したスポーティグレード

「フィット RS」も同じような考え方で追加設定する可能性がある。今回の新型フィットは大幅な路線変更であるから、浸透するまで相当の時間がかかると予想できる。1年後の一部改良、あるいは2年後のマイナーチェンジあたりになると予想される。

 搭載するパワーユニットはどうなるか。

 現行モデルでは1.5LガソリンNAエンジンで6MTとCVTのラインアップとなっている。次期型はさらなるポテンシャルアップが期待できる。1.5LのNAでは物足りないはずだ。

 標準モデルの1.5ハイブリッドが、従来の1モーター2クラッチから2モーターに変更になることで、ひとつのモーターがアシストによってトルクアップに使えるぶん、走りのポテンシャルアップが図られる。

 そうなると1.5L・NAガソリンではスポーツバージョンとしての走りの実現に不満が残る。これをカバーし新世代フィット RSを構築するにはターボによる武装が必要になるはずである。

 1.3か1.5Lのターボエンジンを積むことで仕立てる可能性がある。1.5Lはすでにヴェゼルやステップワゴンに搭載しているので、これをアレンジすればコスト的に助かるという考え方も成り立つだろう。

噂の1Lターボエンジン搭載はあるか?

2013年の「ホンダミーティング」で公開された1Lターボエンジン搭載のシビック試作車。後に欧州では市販されており、最高出力126ps、最大トルク200Nmというスペック

 一方、噂された1リッターターボはどうだろうか。50%のパワーアップとダウンサイジングによる低燃費、税制での節約が可能というメリットがある。従来の1.3&1.5L・NAをカバーできる狙いがある。こちらも開発しているのはほぼ確実と思われる(編注:1Lターボエンジンは欧州シビックで実用化済)。

 現行ラインナップに加わらなかったのは先行して搭載する1.3L・NAエンジンのマーケット評価を見定めてからといった戦略を考慮しているためと思われる。

 1.5L・NAを新型で除いたのは近い将来、1Lターボを追加するのでオープンポイントにしておく必要があったともいえる。

 こちらが投入されるとすればいつになるか。3年後の2023年にはビッグマイナーチェンジの時期になるので、これにタイミングを合わせるのが有力といえる。

 フルモデルチェンジしてから6年経過しないと次期型にバトンタッチできないので、その間に商品ラインアップを絶えず強化したいため、さまざまなテコ入れが必要になっている。

 RSや1Lターボエンジンの設定はその一環としての戦略といえる。

ワインディングでも走りが楽しめるフィットRS。トランスミッションもCVTだけでなく6MTを選ぶこともできた

【証言1:首都圏ホンダカーズ営業関係者】

 新型フィットは投入時期が3ヵ月も延期されたが、モデルそのものは好評で3ヵ月待ちの状況となっている。RSの設定はないのかといった問い合わせは今のところほとんどない。

 1.5ハイブリッドが、かなり高性能に振っているのでユーザーへの満足度は高いに違いない。ただ、RSでマニュアル車を希望するユーザーは今回設定していないので、不満が残るかもしれない。

 こちらについてはいずれ発売になるはずだからもうしばらく待って欲しいと説明するようにしている。

【証言2:首都圏ホンダカーズ営業担当者】

 1Lターボエンジンは比較的有力な噂だったので、てっきりラインナップに加わると予想していた。

 ラインアップに加わらなかったのは、まず初採用の1.5ハイブリッドの2モーターを目玉として先行させたかったからだろう。

 同時に1Lターボ車を発売してしまうとホンダとしては初採用になり、こちらの方が注目されて1.5ハイブリッドの2モーターの影が薄くなってしまうと考えたからだろう。

 いずれにしろ2~3年後には別バージョン車として投入されることを期待している。

専用色のサンセットオレンジが、かつてのシビックを思わせるフィット RS。リアのバッジがその証。象徴グレードとして復活を期待したい

【画像ギャラリー】過去にはハイブリッドにも設定!! 歴代フィット RS 全モデル

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