ベースが同じ兄弟車との違いはどこにあるか
軽自動車のスーパートールワゴンとして登場した、三菱 eKクロススペース。三菱 eKスペースと同様に、このeKクロススペースも日産 ルークスとメカニズムを同じくする。では、デザインと走りに関してどのような違いがあるのだろうか? そのあたりをお伝えしたい。
日産 ルークスの試乗記はこちら
三菱・日産それぞれの「らしさ」が光るデザイン
まずデザインであるが、三菱の顔となってすっかり定着したダイナミックシールドのグリルはとても力強い。軽自動車だからこそ力強い顔は頼もしい。フロントバンパーからフェンダーに流れていく造形はどっしりとした三菱流の頑丈なイメージだ。
リアにかけてはルークスと変わりはないものの、プレス技術は三菱のノウハウが投入されていて日産ではできない部分があって仕上がりがいい。
主導権は日産側にあるそうだが、お互いのモデルを試乗すると三菱側はエクステリアのデザインの表現を賄い、インテリアの都会的で上品な雰囲気は日産のノウハウを感じ取れる。
というのも、eKクロススペースはタフな装いであるが、キャビンの中は大人のインテリア仕様になるのである。また、外装が力強いから、キャビンは安心してリラックスできる空間になるともいえる。このギャップがek クロススペースの魅力だ。
シートが背中にフィットする感じは優しく、触れるものはソフトに感じる。気の利いた小物スペースもあり、いつでも整理整頓されているかのように感じるデザインは、自宅では表現できない動くプライベートルームのようである。
スムーズな加速としなやかな乗り心地に好感
エンジンを始動するが、相変わらず静粛性が高い。このスケールダウンしたユニットだけに、エンジンの剛性はとても高い。
簡単にスペックを見ると、先日記したルークスとは装備の違いでカタログを比べると30kg軽量である。全高はオプションのルーフレールが装着されているため、eKクロススペースの方が40mmほど高い。
スペック的な違いはそんなものだが、走りはどうだろう。スポーツタイプを除く最近のターボチャージャー装着車の傾向は、山谷を感じさせない出力特性で扱いやすさに重点を置いている。eKクロススペースもまさにそのとおりのセッティングで扱いやすい。
ターボが補えないわずかな領域をマイルドハイブリッドとCVTで賄い、スムーズな運転が可能となる。少しなだらかな上り坂でも、速度が低下しそうになったら踏み込めば無理なく速度を回復してくれる頼もしさもある。前後の重量バランスがよく、乗り心地がとてもしなやかで好感がもてる。
中に乗り込めば総じて「優しい」
外観とは裏腹に乗ると前席、後席ともに心地いい。当日は暑い日にも関わらず、前席から後席に風を流すサーキュレーターの恩恵でアメニティーも万全だ。上から来るマイルドな風は、程よい温度で柔らかく涼しい。2次的なエアコンの空気の方が自然な印象だ。顔は強いけど、そのように懐は優しいのが三菱 eKクロススペースという車である。
文/松本英雄、写真/尾形和美【試乗車 諸元・スペック表】●660 T型式4AA-B35A最小回転半径4.8m駆動方式FF全長×全幅×全高3.4m×1.48m×1.78mドア数5ホイールベース2.5mミッションCVT前トレッド/後トレッド1.3m/1.29mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)2.2m×1.34m×1.4m4WS-車両重量970kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員4名車両総重量-kgミッション位置インパネ最低地上高0.16mマニュアルモード◯標準色チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ、レッドメタリックオプション色オリーブグリーンM/ホワイトソリッド、サファイアブルーM/ホワイトソリッド、ナチュラルアイボリ/サンシャインオレンジ、サンドイエローM/ホワイトソリッド、レッドメタリック/ブラックマイカ、ホワイトパール/ブラックマイカ、ホワイトパール、ナイトシャドウパープルパール、サンシャインオレンジメタリック、オークブラウンメタリック掲載コメント-エンジン型式BR06環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆種類直列3気筒DOHC使用燃料レギュラー過給器ターボ燃料タンク容量27リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)23.8km/L総排気量659cc燃費(WLTCモード)18.8km/L└市街地:16.7km/L└郊外:20km/L└高速:19.1km/L燃費基準達成R02年度燃費基準達成車最高出力64ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm100(10.2)/4000型式4AA-B35A駆動方式FFドア数5ミッションCVTAI-SHIFT-4WS-標準色チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ、レッドメタリックオプション色オリーブグリーンM/ホワイトソリッド、サファイアブルーM/ホワイトソリッド、ナチュラルアイボリ/サンシャインオレンジ、サンドイエローM/ホワイトソリッド、レッドメタリック/ブラックマイカ、ホワイトパール/ブラックマイカ、ホワイトパール、ナイトシャドウパープルパール、サンシャインオレンジメタリック、オークブラウンメタリックシート列数2乗車定員4名ミッション位置インパネマニュアルモード◯最小回転半径4.8m全長×全幅×全高3.4m×1.48m×1.78mホイールベース2.5m前トレッド/後トレッド1.3m/1.29m室内(全長×全幅×全高)2.2m×1.34m×1.4m車両重量970kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.16m掲載用コメント-エンジン型式BR06種類直列3気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量659cc最高出力64ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm100(10.2)/4000環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆使用燃料レギュラー燃料タンク容量27リットル燃費(JC08モード)23.8km/L燃費(WLTCモード)18.8km/L└市街地:16.7km/L└郊外: 20km/L└高速: 19.1km/L燃費基準達成R02年度燃費基準 達成車
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みんなのコメント
デリカもそうだが背高にダイナミックシールド顔は似合わん…
上品とはどの辺りが上品なんでしょうか。たぶん内装のどこを見回してもプラスチッキーな質感で、毎日カチカチの潤いのない雰囲気に囲まれて幸せを感じられる方々は安上がりでいいですね。
軽乗用車の装備の特徴
・運転上非常に大切なドライビングポジションを決めるための機能が何のためらいもなくほとんどの車種で省略されている。例えばステアリングのテレスコピック機能など
・もともとの車幅が狭すぎて、センターコンソールは付けられないか、あったとしてもほんの申し訳程度しかない
・エアコンはわずかな排気量のエンジンにムチ打って稼働させるので負荷が非常に大きく、高速道路では走行に影響するために真夏の危険な温度でも使用するのをためらうほど
・シートも普通自動車のような長時間ドライブにも疲れないものはもちろん付けられず、公園のベンチと大して変わらない長イスのような物に座り腰痛と戦わなければならない