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チームの声が「無視されているということではない」とJRP上野社長。課題残した雨のSUGO、ドライバーの意見も収集中

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チームの声が「無視されているということではない」とJRP上野社長。課題残した雨のSUGO、ドライバーの意見も収集中

 雨と霧に見舞われた2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGOでは、最終コーナーでコースオフする車両が続出し、コース施設(ガードレール)の破損状況が深刻なことから、12周終了時点で途中終了となった。その後、メディアミックスゾーンや記者会見では、各ドライバーからレース運営面に対してさまざまな声が聞こえてきた。

 それらについて7月6日、富士スピードウェイでのスーパーフォーミュラ公式テストを前に行われた『サタデーミーティング』で、日本レースプロモーションの上野禎久社長が、現状と今後の対応について語った。

最終コーナーでクラッシュ続出。ドライバーたちの不満と“危機意識”「もうちょっと耳を傾けて欲しい」/SF第3戦SUGO

■ウエットタイヤは2022年までの仕様を再導入へ

 まずドライバーから上がってきた意見について上野社長は「我々は常にFRDA(フォーミュラ・レーシング・ドライバーズ・アソシエーション)と密なコミュニケーションをとっていて、SUGO戦に限らず各レースのたびにいろいろな話をしています。あくまでも今回出てきた意見は、その延長だと思っています」と説明。

 SUGO大会の件についても、「視界のことやタイヤのグリップのことなど、いろいろなご意見はいただきました。我々としてはしっかりと(意見を)拾い上げていきたいなと思います。最近、FRDAとは良い関係を持たせてもらっていますので、自主的にさまざまな意見を集約して、我々プロモーターに対していろいろな意見を示してくれています。そういった意見を今一生懸命汲み取っているところです」と述べている。

 レースが途中終了となったことになったについて「当日は雨の中、昨年よりも2割多いお客さんがいらっしゃって、しっかりと最後までレースをお見せでできなかったことに対しては業界全体で反省すべきだと思っています」と上野社長。

「やはりこういった形でレースが中断するケースは、昨年の第8戦もありましたけど、いろいろな要素が複合的に重なって、そういった決断にいたるということが多いので、何かひとつ(の要素)が今回のレース中断による終了に至ったという限定はしません」

「ただ、我々プロモーター側でできることはしっかりとやっていこうと思います。当然レースの運営もそうですし、コース周りの安全性、ドライバーたちとのコミュニケーションもそうです。選手たちの声をフィードバックし、プロモーターを経由してサプライヤーさんたちにお伝えするという作業がとても大事ですから、それは現在進行形で進めております」

 また、レース直後には、各エントラントと運営側で使っているビジネスチャットアプリ『Wow Talk』の運用について疑問の声を挙げるドライバーや関係者も多かった。ドライバーからのインフォメーションを得たチーム側が、コースコンディションが危険であることをこのアプリを通じて運営側に訴えたが、聞き入れられなかったことを疑問視する声が大半だった。

 これについては、自身が『Wow Talk』導入時の担当者だったという上野社長が、以下のように説明した。

「原則で言うと、(やり取りに関しては)一方向です。たくさんいるエントラントに対して事務局はひとつなので、その都度コミュニケーションをしていたら事務局は機能しません。基本的にはワンウェイで(情報を)送る。そこでもらった情報をもとに、判断の材料にするという流れです」

「ただ、そういった情報は運営サイドに伝わってきますから、コース状況であるとか視界状況を把握する上では、参考にしてジャッジをしています。ですので、Wow Talkで送ったものが無視されているということは当たらないと思っています。そもそもWow Talkというのはそういうものです」

 第3戦SUGOの決勝では最終コーナーの後半部分で合計4台の車両がコースオフを喫した。スーパーフォーミュラでは2023年から再生可能原料を配合したタイヤをドライだけでなくウエットタイヤにも導入している。ただ、昨シーズンは全戦ドライコンディションとなり、各チームが新しいウエットタイヤで本格走行できたのは、今季開幕前に鈴鹿サーキットで行われた公式テストのみという状況だった。

 雨が降らないとウエットコンディションにならないため、走行機会が少ない状況が発生したことについては仕方ない部分はあるものの、「今のウエットタイヤでの走行経験が圧倒的に少なかったというのが、事実としてあります。そこに対して我々がしっかりと準備できていたかというと、少し課題があったのかなという認識は持っています」と上野社長。

「次回の(第4戦)富士大会の時は、2022年の時に使っていた、みんなが走行データを持っているタイヤに変更しようと思っています。我々がしっかり理解したタイヤで安全にレースを進めようと。我々プロモーターサイドで安全性を高める方法のひとつとして、そういった対応をとりたいと思っています」と、第4戦富士に関しては2022年まで使っていたスペックのウエットタイヤを使用することにしたことを明らかにした。

 いろいろと課題が浮き彫りになったように見えた第3戦SUGO大会だが、安全かつより良い状況に進めていこうと動き出していることは間違いなさそうだ。

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みんなのコメント

1件
  • ven********
    ガラパゴスのカテゴリーで独自のルールでレースしているから混乱するんです。
    SF止めてFIA-F2 JapanとかAsiaとかで、FIAが定めるルールや規定でレースをすれば大きな問題は起こらない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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