WRC世界ラリー選手権第4戦エストニアは9月6日、デイ3のSS12~17が行われ、地元出身のオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が前日に築いたギャップを保って総合優勝。2020年シーズン初優勝を母国ウインで達成した。
新型コロナウイルス“パンデミック”の影響でシーズンが中断されていたWRCの2020年シーズンは、ここエストニアで再開を迎えた。そのエストニア出身のタナクは前日・デイ2を終えた時点で、総合2番手につけるクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)に対して11.7秒、3番手のセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)に対しては28.7秒の大量リードを作って競技最終日へと駒を進めた。
迎えたデイ3、この日は6本のSSからなる計84.94kmで争われ、その最初のステージとなったSS12では総合4番手につけるエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)がトップタイムをマークする。
オジエ「タイヤにダメージがあり、攻めきれなかった」/WRC第4戦エストニア デイ2後コメント
続くSS13で同じくトヨタのカッレ・ロバンペラがステージベストタイムを記録すると、SS14では今度はオジエが最速タイムをマークと、トヨタ勢が午前のループで反撃態勢に。
しかし、この間も首位タナクはステージ3番手(SS12)、2番手(SS13)、5番手(SS14)と大きく崩れることなくステージ上位をキープ。SS14終了時点でオジエとの差をわずかに減らしただけに留め、2番手ブリーンとのギャップは12.5秒に広げてみせた。
午前中に走った3つのSSを再走する午後のループに入ってもこの構図は変わらず。オジエが今大会4度目となるステージ優勝を飾ったSS15、ロバンペラが最速タイムを記録しオジエが2番手タイムをマークしたSS16でもWRC元6連覇王者の背後にはタナクとブリーンがピタリとつけ、リードタイムの縮小は最小限に抑えられた。
パワーステージを兼ねた最終SS17は今大会2番目に長い、全長20.04kmのロングステージ。ミスやトラブルが結果に大きく響くだけに確実なドライビングが求められる。そんななか優勝を争う3人の中では、まずはオジエが走行しロバンペラ、エバンスに次ぐ暫定3番手タイムを計測する。
直後の走行となったブリーンは堅実な走りに徹し暫定4番手、総合ギャップでオジエの4.7秒前方でフィニッシュ。これにより2位表彰台以上を確定させた。そして、ラストランナーとなったタナクはステージ3位でフィニッシュゲートを通過。この瞬間、タナクのヒュンダイ移籍後初優勝と今季初優勝、そしてうれしい母国優勝が決まった。
総合2位はブリーンで、ヒュンダイがワン・ツー・フィニッシュを達成した。最後の表彰台にはオジエが登り、以下、エバンス、ロバンペラ、テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)と続くトップ6となっている。なお、パワーステージ優勝は10分12秒4を記録したロバンペラとなり、ボーナスポイントの最高点5ポイントを獲得している。
TOYOTA GAZOO Racing WRTチャレンジプログラムに参加している勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は総合5番手で最終日を迎え、上位フィニッシュが期待されたが、SS13で痛恨のコースアウトを喫した。幸いクルーは無事だったものの、マシンが横転するアクシデントによりステージ4つを残して無念のリタイアとなった。
事故後、勝田は自身のTwitterを更新し、ペースノートのミスがコースアウトの原因となったことを明かしている。
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みんなのコメント
がんばれ日本車トヨタ!
頼むから負けるなよ。
耐久とラリーのドンガメレースは任せたぞ!!