積算9726km 理想的なドライビングポジション
ジャガーFタイプ R75と一緒の時間が、最近は一層愛おしい。そう感じさせるのは、豊かなパワーや、個性豊かなV8エンジンが与える印象だけではない。クルマとの強い一体感を生む理想的なドライビングポジションが、筆者を惹き込むためだろう。
【画像】伝統の内燃スポーツへ「終止符」 ジャガーFタイプ EタイプとバッテリーEVのIペイスも 全131枚
もちろん、シートは至って快適。さらに、シャシーのプロポーションに対して座る位置や、ドライバーを包み込む環境も素晴らしい。こんなモデルは、非常に少ない。
積算1万77km 既に寂しい気持ちでいっぱい
長期テストでお借りしているFタイプ R75は、返却する日が決まっている。まだしばらく先なのだが、既に寂しい気持ちでいっぱいだ。
特に悔やんでいるのが、フランスを南下するロングドライブへ駆り出せそうにないこと。当初はドーバー海峡を越えて、フランス西部のミュルーズにあるシュルンプフ自動車博物館へ立ち寄ったり、西部の小さな港町、ラ・ロシェルを訪れたいと考えていた。
Fタイプの成り立ちは、そんなグランドツアーへ適している。しかし、グレートブリテン島北部の湖水地方への2度のドライブが、1番の遠出になりそうだ。一方は単独で、他方は筆者のパートナーとの旅行だったが、どちらも大きな意味を持つ体験だった。
初期型より小さくなったロードノイズ
実はFタイプのクーペが発売されてすぐ、2015年に同じような行程で英国北部へ自動車旅行をしている。しかし、その初期型はロードノイズが大きすぎ、助手席との会話もままならなかった。耳栓をして、手振りでコミュニケーションを取ったほど。
それは、良い記憶を残さなかったといっていい。アルミニウム製のボックスセクション・シャシーが、ノイズを反響させているのだと考えた。他のメーカーのように、防音材が充分には張り巡らされていなかったのだろう。
だが、モデル末期となるFタイプ R75では、明らかに静かになっていることを確認できた。ロードノイズは依然として小さくなく、高音質なオーディオが再生する解像度まで鑑賞することは難しいとはいえ、長時間でも我慢できる範囲になっている。
1人で向かった北部のコッカーマスまでは、ポッドキャストやサッカー試合の解説を聞きながら走ったが、大きな不満は感じなかった。大切な場面を、聞き逃すことも。
それでも、筆者が個人的に所有する、アルミニウム製シャシーのアルピーヌA110より、長距離移動での聴覚的な疲労が大きいことは否定できない。そちらの方が遥かにボディサイズは小さく、価格は低いのだが。
話は逸れるが、ある程度クルマのことを理解した人と一緒に移動するより、1人で運転していた方が、クルマの弱点は気にならなくなる。2度の湖水地方へのドライブで、それも改めて確認することとなった。
好ましいエグゾーストノート 視界は今ひとつ
このロードノイズに関する課題は、バッテリーEVの時代には過去のものになる可能性がある。シャシーのフロア部分に強固な駆動用バッテリーを抱えるため、基本的に防音性や剛性は極めて高い。ある程度の重さがあるから、制振性でも有利になる。
聴覚体験でいえば、エグゾーストノートは大きな魅力の1つ。Fタイプ R75には可変システムが備わり、スイッチ1つで静かにもうるさくもできる。1番騒がしいモードでも、本当にやかましいと感じるのは、公道では許されない水準まで攻め立てた瞬間のみだが。
この、存分に本領を発揮させられなかったことも、残念なことの1つ。最高出力575psのV8エンジンを積み、優秀な前後の重量配分を持ち、シャシーは高度な安定性を有する。出色の走りを期待させるパッケージングなのだが、サーキットを走る機会はなさそうだ。
それでも、ほぼフルボリュームに近い領域で、サウンドを鑑賞することはできた。幸運なオーナーの方は、ぜひ許された環境で、Fタイプの本領を発揮させてみて欲しい。
ロードノイズ以上に、惜しいと考えている弱点が、運転席からの視界の悪さ。シートポジションを、1番低い状態にした場合に限るけれど。そうしなければ、概ね見通しは良い。
11万1000ポンド(約2098万円)の、ジャガー最後の内燃エンジン・スポーツカー、Fタイプ。残された時間を、しっかり堪能しておこうと思う。
テストデータ
気に入っているトコロ
味わい深いレイアウト:バッテリーEVの時代になったら、ロングノーズ・ショートデッキというプロポーションは非常にレアになるだろう。旋回時の挙動を正確に感じ取ることも、難しくなる。
気に入らないトコロ
小さくないロードノイズ:V8エンジンの排気音で覆い隠すことはできるが、音量は想像以上といえる。将来の電動ジャガーは静かになるはず。
テスト車について
モデル名:ジャガーFタイプ R75 クーペ(英国仕様)
新車価格:10万3075ポンド(約1948万円)
テスト車の価格:11万1000ポンド(約2098万円)
テストの記録
燃費:9.8km/L
故障:なし
出費:なし
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