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福住仁嶺とバゲットが語る初めてのスーパー耐久と富士24時間「想像していた以上に過酷な戦い」

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福住仁嶺とバゲットが語る初めてのスーパー耐久と富士24時間「想像していた以上に過酷な戦い」

 今年も各クラスで熱戦が繰り広げられたENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。今回もさまざまなドライバーが参戦し盛り上がりをみせ、なかでも“初スーパー耐久”と“初富士24時間レース”となった福住仁嶺とベルトラン・バゲットにとっては新たな発見や刺激の多い24時間レースとなったようだ。

■レース終了後は疲労から翌日の午前中まで爆睡の福住仁嶺
 28号車ORC ROOKIE GR86 CNF conceptのEドライバーとして参戦した福住仁嶺は、24時間レースはもちろん、スーパー耐久に参戦するのも初めて。このチームは6人のドライバーが交代で24時間を走ったが、なかでも福住は夜間のスティントを中心に担当した。

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 初めての24時間レースについて感想を聞くと「想像していた以上に24時間レースは過酷な戦いだなとすごく感じました」と福住。

「ドライバーも深い眠りにつける瞬間が24時間レースをしている間はまったくないですし、メカニックさんはなおさらです。常にどういった状況になるか分からないので、いろいろなことを考えていると、やはり体を休める時間がなかなか取れないと思いました。エンジニアさんも開発してきたクルマを24時間見守っていないといけないということを考えると……、皆さんの雰囲気というか過酷さを見ると『凄いことをやっているのだな』と改めて思いました」と、今回の経験を噛み締めるかのように語り出した。

 実は福住は、レースが終わった後すぐに御殿場のホテルに戻ったそうだが、疲れが溜まっていたのか夕方あたりから翌日の午前中まで爆睡だったとのこと。特に今回のように夜間スティントを担当するとなると、事前にしっかりと休んでおく必要があり、それも初めての経験ということで、ほとんど寝られないまま雨が降る夜間スティントに臨んだという。

「最初は夜中の2時から5時を担当させていただいたんですけど、一番眠くなる時間なんですよ」と福住。

「夜中に備えて寝ようと思っても、普段その時間に寝ていないので、深い眠りにもつくことができず、けっこう寝不足な感覚があるままで乗ることになりました。しかも、雨が降っている夜中を走るという一番難しいコンディションで、やはりけっこう見えないのでいろいろな部分に神経を使いながらダブルスティントを走らさせてもらいましたけど、すごく疲労感を感じましたね」

 FIA F2に参戦した経験を持つ福住は、サクヒール(バーレーン)やヤス・マリーナ(アブダビ)のようにコース全体に照明があてられている環境を想像していたそうだが、車両にヘッドライトが付いていることもあり、富士24時間の場合はコースの数カ所に照明がある程度。そこの違いも彼にとっては驚きで「すごく暗いな」と感じだようだ。

■ほぼ初めてのHパターンシフトに筋肉痛。バゲットは満面の笑みで楽しむ
 さらにHパターンのマニュアルシフト操作をしながらレースをするというのも、福住にとってはほぼ初めての経験。「僕は(4輪レースは)フォーミュラから始まり、Hパターンの車両をレースで乗ることはほとんどなかったので……難しかったですね」と語る。

「このクルマはシフトダウンするときにヒール・アンド・トゥはしなくて良いのですけど『クラッチを何回踏まないといけないんだろう』と思うくらいでした。僕たちのクルマは(GT500などと比べると)スピードが遅いとはいえ1分57秒くらいのペースで常に走っているので、それなりに体力も使います。左腕と左足を今までにない使い方をしたので……ちょっと筋肉痛です」

 さらに福住は参戦しているドライバーについても注目していた。

「ジェントルマンドライバーをはじめ、いろいろなドライバーが走っていますけど、みんなが努力をしてレースをしてるからこそ成り立っているカテゴリーだと思いました。各クラスのスピード差もかなりあるなかで、大きなクラッシュなどでレースが中断することなく24時間を終えられたということは、しっかりと走行できる人たちが集まってるからこそできることだなと、かなり感心しました」

 今回の富士24時間レース参戦で、多くの発見があったという福住。

「またスーパー耐久に出てみたいというのもありますし、ROOKIE Racingさんとこういった開発をやっていきたいという思いが強く、実際に今回もそこから学ぶことがいろいろとありましたし、多くの方とコミュニケーションを取る時間もあり、クルマの知識も増えていきました。ST-Qクラスはさまざまなことを試せるので、普段はそんなに名前が出てこないようなパーツをいじったりすることもあり、僕もすごく勉強になりました。ぜひ、また挑戦したいです」と、現場での次回スーパー耐久参戦予定は未定ではあるものの、再挑戦に関しては意欲をみせていた。

富士24時間のレースと雰囲気に満面の笑みのバゲット
 一方、ル・マンなど24時間レースの経験は豊富ではあるものの、スーパー耐久と富士24時間は初めての参戦だったというベルトラン・バゲット。彼は現在スーパーGTで所属するTEAM IMPULのNANIWA DENSO TEAM IMPUL Zから参戦した。

「初めての富士24時間だったけど、すごく楽しむことができたよ。なかでも一番コンペティティブなST-Zクラスから参戦して、初めてGT4マシンに乗ったけど、すごく良いクルマだった」

「もちろんGT500と比べるとスピードは遅いけど、十分に楽しむことができたし、たくさんのクラスの車両がコース上にいて、常にトラフィックという状況だった。他のクラスを追い抜きながら、ときどきやってくるGT3マシンを前に行かせたりと……、常に何かしらをしているという状況だった」とバゲット。

 夜間スティントをメインで担当したというが、今年は一時雨が降ったことでタイヤ選択に悩むコンディションとなった。

 それでもバゲットは「最初はウエットコンディションをドライタイヤで走り、次のスティントではウエットタイヤに履き替えたけど、雨が止んでドライコンディションで我慢しなければいけなかった。だけど、すごく面白かったよ!」と満面の笑み。

「金曜日の夜からゲート前に入場を待つ(ファンの)クルマの列ができていたし、24時間レース中も多くの人がパドックにアクセスして、良い雰囲気だったね。すごく楽しむことができたよ」と、すっかり富士24時間の雰囲気を気に入った様子だった。

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