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発表から3年 あの軽量スーパーカーはどうなった? ジネッタ・アクーラ開発状況が明らかに

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発表から3年 あの軽量スーパーカーはどうなった? ジネッタ・アクーラ開発状況が明らかに

音沙汰なかった新型スーパーカー 開発継続中

英国の自動車メーカー、ジネッタ(Ginetta)は、近日発売予定のG56 GTアカデミーと並んで、新型スーパーカー「アクーラ」の開発を進めている。

【画像】発表後3年、開発続くジネッタ・アクーラ【ライバルと写真で比較】 全84枚

2019年に初めて公開されたアクーラは、ここしばらく市販化が不安視される状態が続いたが、今回の発表によりその動向が明らかとなった。

AUTOCARに送られた声明の中で、ジネッタは「不確実な時期」を経てきたアクーラについて、今後も市販化に向けて開発を続けると述べている。

「当社の焦点は、パンデミックを通じて、新型G56 GTアカデミーとGT4レーシングカーの開発に移行しています。アクーラは、数年前に最初のコンセプトが発表されて以来、開発が続けられています」

「誰にとっても不確かな時期ですが、このような状況の中、当社は英国だけでなく世界の自動車産業を盛り上げるために、競争力のあるレーシングカーを生産することに専念してきました」

「ジネッタを成長させ続けるために、たくさんのエキサイティングな計画が進行中です」

軽量カーボンボディに最高出力600psのV8搭載

アクーラは、最高速度320km/hを誇る新型スーパーカーとして2019年のジュネーブ・モーターショーで発表された。

自動車メーカーは、消費者の期待感を高めるために、正式発表前にニュースや予告画像を流すのが一般的である。しかし、ジネッタはそのような慣例に従うことなく、10年以上かけて培った技術力と、元ル・マンのクラス優勝者であるオーナーのローレンス・トムリンソンに支えられて、新型スーパーカー「アクーラ」を秘密裏に完成させたのである。

車高が低くアグレッシブなスタイルが印象的な、フロントミドエンジンのクーペで、価格は34万ポンド(約5500万円)とされている。特注のカーボンファイバー製シャシーに、同じくカーボンファイバー製のボディパネルを装着する。

非常に軽量かつコンパクトなバンク角90度のV8エンジン(排気量6.0L強)を搭載し、最高出力約600ps、最大トルク72kg-mを発生。トランスミッションはジネッタが独自に開発した6速シーケンシャルのパドルシフトユニットで、デフはカーボンファイバー製シャフトでエンジン(およびマルチプレートクラッチ)と接続されている。

エンジンはドライサンプ方式を採用。ジネッタ独自のスロットルボディから燃料を供給する。ブロックは全てビレットアルミニウムから削り出され、極めて軽量かつ強靭なものとなっている。

エンジンの社内コードネームはBB6(「6」は600psを意味する)で、トムリンソンはすでにBB10の開発を検討していることを認めている。車重はわずか1150kgで、ミドエンジンのライバルを少なくとも150kgは下回る。

前後重量配分49:51 フロントミドシップで実用性も確保

当初は2020年に20台製造する予定だった。トムリンソンは水面下で知り合いを通じて数台のオーダーを集め、新型スーパーカーの噂が慎重に広まるにつれて14台に増えた。ジネッタによると、希少性を高めるために年間生産台数はわずか30台から50台程度に留めるとしている。

アクーラは、これまでのジネッタの公道向けモデルよりも大きく、全長はポルシェ911 GT3よりもわずかに長い4640mm。フロントミドシップとされているが、エンジンはドライブプーリーがワイパーの真下にあるほどボディの中心近くに置かれており、フロント49%、リア51%の重量配分を実現している。

このレイアウトにより、ボディ前部に十分なスペースを確保し、FIA GT3レベルの衝突保護性能と軽量かつ堅牢なダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションの搭載を実現した。リアにも同様のダブルウィッシュボーンが採用されているが、ゴルフクラブを2セット収納できるトランクスペースを確保している。

タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4で、フロントが275/35 ZR19、リヤが305/30 ZR20。ブレーキはアルコン製カーボンディスクだ。

レーシングカー並の空力性能 細かいオーダーメイドも

トムリンソンはフロントミドエンジンのレイアウトについて、「これが正しいやり方だ」と述べている。エンジンが後部寄りにあることで、空力パッケージが最適化される。また、フロントウィッシュボーンを長くすることで、高速走行時に空力負荷がかかって車高が変化しても、タイヤを路面に接地させることができるという。

アクーラは、公道向けのモデルとしては驚異的な空力性能を発揮する、というのがジネッタの主張だ。巨大なリアウィングはジネッタLMP1と同じ形状で、荒々しいディフューザーにより空気を引き裂いていく。2本のサイドエグゾーストは、アンダーボディのエアフローを阻害するのを防いでいる。こうして生まれたダウンフォースは、160km/h走行時で376kgと驚異的だ。

もはやレーシングカーと呼んでも過言ではないが、市販車としての実用性も備えているという。トムリンソンによると、「実用的」なドアは乗り降りのしやすいサイズに設定され、パネルのフィット感にもこだわりがあるそうだ。容量675Lのトランクには大きな荷物を積むことができ、ドライバーの視界も現実の交通環境を配慮した設計になっているとのこと。

他にも、オートヘッドライト、バックカメラ、電子パーキングブレーキ、パーキングセンサー、ナビ、ABSとトラクションコントロール、エアコン、コネクティビティなどの機能が搭載される予定だ。ドアハンドルと車内のスイッチギアは、アルミの削り出しが使われる予定。ジネッタの2年間の保証付きで、「世界中どこでも」対応可能だという。

購入時にはカラーリングやトリムなどを指定できる。ステアリングコラムとペダルボックスは調整可能で、シート形状も素材やパッドで変更することができる。

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