8月18日、2024年MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGPクラスの決勝レースがレッドブル・リンクで行われ、レプソル・ホンダ・チームのジョアン・ミルは17位、ルカ・マリーニはリタイアとなった。
ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は21位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は14位で終えている。また、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)は22位となっている。
中上貴晶、日本勢唯一のポイント獲得「フィーリングが良く乗っていて楽しい」/第11戦オーストリアGP 決勝
前日の夜に激しい雨が降ったレッドブル・リンクは、決勝前には晴天となり強い日差しがコースを照らす。気温26度、路面温度33度のドライコンディションで決勝レースがスタート。ホンダ勢を含む24名の全ライダーが前後ミディアムを選択した。
オープニングラップではザルコが出遅れ20番手、中上がその煽りを少し受けてしまい22番手で1コーナーを抜けた。1周目を終えたところでミルは19番グリッドから16番手に上げ、中上が20番手、マリーニは21番手、ザルコは22番手、ブラドルは24番手となった。
しかしマリーニは、不運にも序盤からマシンにトラブルが発生し、5周でピットに戻されリタイアを余儀無くされた。ザルコのマシンもスタートからエンジンに問題を抱え、ペースが上がらず苦戦し2周目には最後尾まで落ちてしまったが、決勝日の降水確率が40パーセント以上だったことからコース上に留まった。
ミルはポイント圏内を狙いヤマハ勢とバトルを続け、その後ろについていた中上は14周目にミルの前に出る。その後ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)にペナルティが出たこともあり、中上は16番手に上がるとアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)との差を縮めていった。
残り3周でラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)を交わし15番手とポイント圏内に入ると、チェッカー間際にアウグスト・フェルナンデスをオーバーテイク。14位でチェッカーを受け、ポイント獲得を果たした。
最後までヤマハと争ったミルは17位、ザルコは最終ラップでブラドルの前に出て21位、ブラドルは22位となった。
新仕様エンジンを含む新アイテムを持ち込んだ今週末だったが、スプリントと決勝でリタイアが出るという一面もあったが、アップデートに対しては各ライダーがポジティブな印象を語っていた。今大会では新アイテムの最適化に時間を要した様子だったが、多くのデータを収集できたとのこと。
また、レプソル・ホンダ・チームのミルとマリーニは、2週間後の第12戦アラゴンGPを前にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでプライベートテストを実施するとのこと。次戦での活躍に期待がかかる。
■ルカ・マリーニ(決勝:リタイア)
「今日はあまり話すことはないよ。スタートからマシンに問題を抱えることになった。次のレースまでに解決しなければならないけど、それを除けば、とても有意義な大会だったよ。とてもいい走りができたし、自分たちにとっては重要な週末になったと思う。今日のトラブルは一歩後退したことになるから、今大会の進行状況を振り返る必要があるね。まだまだ、たくさんのレースがある。引き続き全力で仕事に取り組むよ」
■ジョアン・ミル(決勝:17位)
「今日は本当にチャレンジングなレースだったけど、現状できることはすべてやりきったと思う。課題はまだあったけど、このコースではその課題がさらに難しいものになってしまった。だけど、重要なのはデータであり、マシンの開発に全力を尽くすHRCの仕事を楽しみにしているよ。引き続き、集中して課題に取り組みたいね」
■ヨハン・ザルコ(決勝:21位)
「ウェットでのレースを期待してコースに残ることにしたけど、雨は降らなかった。そのため、これはレースではなく、1セッションとして走り続けることにしたよ。明るい面を考えれば、週末を通して良い仕事ができたし、これまでのプラクティスでもマシンのフィーリングは良かった。これもレースの一部であり、次のレースに向けて改善していきたいと思う。チームはすでに今後このような問題が発生しないように取り組んでいるから、必ず強くなって戻ってくると確信しているよ」
■中上貴晶(決勝:14位)
「厳しいレースでしたが、今日は楽しくマシンに乗れました。特に終盤は16番手から14番手までポジションを上げることができたので、順位的には満足のいくものではないものの、いいレースができたと思います。今大会ではニューアイテムが投入されました。まだまだポテンシャルはあると思うので、次戦ではさらにいい走りをしたいです」
■ステファン・ブラドル(決勝:22位)
「レッドブル・リンクのレースを楽しむことができた。ここは僕にとっては第2のホームグランプリだし、応援してくれたファンにも心から感謝したい。今大会はマシン開発にとって重要な役割を果たすマシンのテストとデータ収集が僕の仕事だった。ライダーとしては、もっとレースをしたいと思うものだけど、僕たちがやってきたことに満足する必要がある。これからは、残りのレースとテストスケジュールを見ながら作業を続けていくよ」
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