2020年10月、米GMはピックアップブランドである「GMC」から、往年、という表現がふさわしいだろう「ハマー」を、EVのSUVとして復活させると発表した。
紆余曲折あり、じつに10年ぶりの復活となるハマーをご紹介しよう。
惨敗それとも大逆転!? 新型発売から1ヵ月 オデッセイは成功したのか?
【画像ギャラリー】10年ぶりの帰還…!!! GM ハマーの画像をギャラリーで見る
※本稿は2020年11月のものです
文/永田恵一、写真/GM
初出:『ベストカー』 2020年12月26日号
■3モーター4WDで1000ps、0-100km/h加速は約3秒!
日本でも2005年あたりから5年間ほどそれなりに人気を集めた、GMにおける軍用車的なSUVブランドであるハマーが電気自動車となり、「ハマーEV」という名称で2021年秋に復活する。
ハマーEV
ハマーのもともとの成り立ちと、「そういえばここ10年近くハマーってあまり印象がない」という状況になっている経緯を紹介しよう。
まず、もともとハマーというのはアメリカのAMゼネラル社が作っていたかつてのトヨタメガクルーザーに近いフルサイズの軍用車であるハンヴィーの民生用だった。
ハマーは1999年にブランドがGMに譲渡され、ハンヴィーは「H1」の車名となった。
その後、GMのフルサイズピックアップトラックベースとなるタホベースの「H2」や、ミドルピックアップトラックのコロラドベースの「H3」という、「H1」を小さくしたエクステリアを持つSUVをラインナップし、この2台が人気となった。
2002-2010年に発売していたハマーH2。一時期は「ちょっと不良なセレブのアイコン」として日本中で見かけたが…
そしてリーマンショックの影響もあり、2009年にGMが経営破綻した際にハマーブランドは中国の四川騰中重工機械に譲渡される方向だったのだが、この話は破談になり、ハマーブランドは2010年に消滅した、というのが経緯だ。
復活する「ハマーEV」は、GMが近いうちに市販車をリリースするキャデラックリリックから採用される新しいEVプラットホームと、GMが開発したアルティウムバッテリー(容量は50~200kWh)といった基本コンポーネンツを使ったEVのピックアップトラックで、登場時期も含めてテスラサイバートラックに近いモデルだ。
EVになってもハマーらしい精悍なスタイリングは変わらない!
■予約分はすでに完売 今後の展開は?
ハマーEVは2024年春までに4つのバリエーションが揃う予定で、最初に登場するのがトップモデルとなる「エディション1」である。
「エディション1」は合計すると1000ps! となる3モーター4WDで、0-100km/h加速はスーパーカー級の約3秒と発表されており、ピックアップトラックながら恐ろしいほどの速さを持つ。
航続距離は563kmと発表されているので、ハマーEVは車格などから車重が3トンを超えても不思議がないことなどを考えると、バッテリー容量は最大となる200kWhだろう。
充電は800Vや350kWの急速充電にも対応し、短時間ですむように配慮されている。
内装もモダンな印象になっている
メカニズム面では運転支援システム「スーパークルーズ」、取り回し性能を向上させるクラブウォークと呼ばれる4WSモード、悪路走破性を向上させる車高調整機能付きのエアサスやオフロードタイヤが装備され、ハマーの名にふさわしい性能を備える。
ハマーEVエディションの価格は11万2595ドル(約1163万6000円)と発表されていたのだが、予約段階ですでに完売となってしまった。
インテリア
今後ハマーEVは2022年秋に3モーターで800ps、航続距離483kmの「3X」(9万9995ドル≒1051万1000円)、2023年春に2モーターで625ps、航続距離483kmの「2X」(8万9995ドル≒946万円)、2モーターで625ps、航続距離402kmの「2」(7万9995ドル≒840万9000円)という順でバリエーションを拡充していく。
ハマーが復活したこと自体はめでたく、特に欧米ではEVシフトが推進されている点や、米バイデン新大統領の誕生もEVには追い風となるだろう。
しかし、電費が最良で3.5km/kWh程度と思われる大きく重いピックアップトラックのEVが普及するというのは、電気の作り方や急速充電も含めた電力供給のキャパシティなど、「本当にエコなのか」と考えさせられるのではないだろうか。
「クラブウォーク」と呼ばれる4輪ステアリングシステムを採用し、“カニ歩き”を再現
【画像ギャラリー】10年ぶりの帰還…!!! GM ハマーの画像をギャラリーで見る
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トランプ大統領が「日本の消費税廃止」を要求? JEEP以外のアメ車が日本で売れない理由は「そこじゃない」
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
「高性能ターボ×MT」がウリなのに… 日産「“最強”2人乗りスポーツカー」なぜATのみ? 「フェアレディZ NISMO」がMTじゃない理由とは?
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
少なくとも先代、先々代は必ずどこか故障しているのが標準装備。
しかも結構致命的な。
見た目だけが全て、の車だった。
買う側もそれを承知で買う車。
EV化して構造も制御もシンプルに、壊れなくなるといいね。