こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。今回も引き続きEICMAのレポートをしたいと思います。
■日立Astemoとは??
ホンダ「CB4X」発表 CBR650Rのエンジンを搭載した斬新なコンセプトモデル
まずは日立Astemoについてですが、聞いたことのない名前なので、先にチェックしてみました。
来歴ですが、同社は2021年1月に、日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社の4つの会社が統合してできた新会社です。
今回は各製品ブランド「KEIHIN/キャブレター・スロットルボディ」「SHOWA/サスペンション」「NISSIN/ブレーキ」の3ブランドを一度にかいする初の展示でした。
ブースには、二輪業界最大規模の会社だからこそできる環境貢献技術(EV化)の方向性を保ちつつ、お互いの技術を相互利用していくという気合が見られます。
さて、細かくブースを見ていきましょう。
ブースは会場入口すぐ近く、一番いい場所に陣取っています。展示されているマシンはWSBK(スーパーバイク世界選手権)、EWC(世界耐久選手権)、MXGP(モトクロス世界選手権)の参戦車両が。製品紹介を見ているとなんだかブースに人が増えてきました。
なぜ? と振り向けば、WSBKで活躍するカワサキ・レーシング・チームのジョナサン・レイ選手、アレックス・ロウズ選手がブースに来たじゃないですか!!
レースで使用したマシンが展示されていたのですが、クリアの仕切り板にサインをしたり(ペンの色は緑!)運よく居合わせたお客さんとの写真撮影。
また、日立Astemoの白と赤のTシャツにサインをしたりとサービス精神旺盛なお二人。
その後ブースを社員さんとお話しながらじっくり見て回っていました。せっかく統合したばかりなので、私もお願いしてロゴの下で写真撮らせてもらいました。
ちなみにジョナサン・レイ選手、アレックス・ロウズ選手はつい先日にインドネシアでの最終戦を終えてそのままEICMAに来たそうで「ちょっと疲れてるかな~」と言っていました。
しかし、日本のファンに向けて動画を撮らせてくれたり、私とも写真を撮ったりしてくれて。この後またテストで移動されるという話で、ハードスケジュールの中なのに 神対応で優しいお二人の人柄に私はすでに大ファンになってしまいました。
想像がつかないスピードの中で戦う姿を見ているから、同じ人間とは思えなくなってしまうんですけど、同じ人間なんですよね。また人となりを知れるとより応援したくなるし、改めて存在する人間なんだよねって思うんです(笑)。貴重な時間でした。
さて、なぜお二人のライダーがブースに来たと思いますか?
実は、日立Astemoは、モータースポーツに力を入れており、スポンサーとしてライダーをサポートしているのです。
その背景があって、訪問していたわけなのですね。またモータースポーツ活動の中で、製品へフィードバックされているものも多くありました。
例えばその一例がWSBKのレースをきっかけに量産が決まったBMW Motorrad「M1000RR」のフロントマスターシリンダーと二輪初となるMモデル用ブレーキキャリパー。通常はこのような流れで量産が決まるのは珍しいそうで、サーキットに製品を持ち込んで調整を行ったそうです。
ブレーキキャリパーは、カラーリングがすごく綺麗な青ですが、この色を出すのに相当苦労したそうで、サーキット走行をすると、キャリパーは200度を超える熱が発生する為、発色の維持の研究を何度も行ったそうです。もちろんブレーキングの安定性も損なってはいけませんから、ものづくりへのこだわりと信頼が感じられました。
他にもMXGPライダーのサポートも行っており、モトクロスのティム・ガイザー選手のマシンも展示。アフターパーツとして一般の方が使えるようにサスペンションの販売を行っているのです。
トップライダーが使っているものと同じ製品が使えるって、特別感も感じますし、勝利にグンと近づくイメージが沸きますよね。所有感をより感じさせてくれる“削った跡”もそのままに自分のマシンに取り付けることが出来るのです。
どうしてもモータースポーツと聞くと、私たちの生活から少し遠く感じる…なんて思ったりしませんか?
私もそんな一人でしたが、私たちが使える製品には、モータースポーツで培った技術が使われていたり、選手と同じ製品を手に入れることができるなど、グンと身近な存在であることが感じられました。また、日立Astemoは生活の足としてのバイクをより快適に、安全に使えるように様々な技術を開発中とのことでした。次の記事では私が気になった技術を紹介していきたいと思います。
それではみなさん、良いお年を。来年もよろしくお願いします!
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