もくじ
ー M-SVO 名だたる組織を顧客に
ー ファクトリー 中を覗くと……
ー もっとも珍しい「作品」とは
ー 番外編 正規輸入8台の三菱ジープ
M-SVO 名だたる組織を顧客に
イタリア北部のモデナといえば、皆さんご存知、ミドシップ・スーパーカーの聖地だ。そしてミシガン州デトロイトといえば、V8マッスルカー発祥の地だ。
では、ラックの設置や、交通標識マニュアル第8章に沿った反射塗装など、カスタマイズされたオフロード車の先駆け地は一体どこだろう? それは、イギリスのサイレンセスターだ。
といわれてもピンとこないのは、もちろんあなただけではない。以下でくわしくお伝えしよう。
2002年に設立された英国三菱スペシャリスト・ビークル・オペレーションセンター(M-SVO)では通信企業、公益会社、警察向けにショーグン(パジェロ)、L200ピックアップ、アウトランダーPHEVを架装している。
コッツウォールドのはずれにある広大で活気溢れる工業団地に拠点を置くM-SVOは、国防省、大手有料放送事業者のスカイ、大手電気通信事業者のBT、ロンドン警視庁、高速道路管理局などを顧客として抱えている。
「このセンターが設立されたのは、フリート販売の売上げ向上のためです」とM-SVOのマネージャー、ダレン・ヒューズ。「初めはたったひとりの技術者が警察車両の製作を担っていたのが、今や従業員が17人にまで増え、年間約350台のクルマを架装しているんです」
「環境局とは長年にわたり良好な契約を結んできました。同局には黄色いライト、交通標識マニュアル第8章に定められている反射式シェブロン柄の背面ドア、オフロード・タイヤ、温水手洗い装置などを装備した三菱ショーグンとL200を納車してきました。大手民間放送局のITVからは、パラボラ・アンテナを取り付けた4台のアウトランダーPHEVを受注したばかりです」
これはおもしろそうだ。
ファクトリー 中を覗くと……
M-SVOは建物の外に控えめな看板しか出していないので、そこにあると知らない限りは通り過ぎてしまうかもしれないが、周辺を囲む頑丈なフェンスをひとたび通り抜ければ三菱車の一群を目にすることができる。
そのほとんどがオフロード車かSUVで、全面が警察カラーに塗装され、青いライトバーを装備しているものもある。建物内には8つの傾斜台、塗装ブース、修理場、さまざまな製作道具があり、裏のクルマ置き場を埋め尽くしている数多くの4×4が架装または納車に出されるのを待ち詫びている。
このセンターでは、三菱自動車のフリートカーや広報車両、ヒストリックカー・コレクションの整備と管理もしている。われわれが訪れたときは三菱自動車の100周年記念イベント向けに数台のエボが整備され、イギリス初の広報車両となった1974年製の真っ白なランサーが点検を受けているところだった。しかし、もっとも目を引いたのは真の三菱自動車ではなく、かつてライセンス生産されていたウィリス・ジープだ。
M-SVOのマネージャーであるヒューズによると、M-SVOを際立たせているのは修復技術や車両整備技術ではく、製品に対する豊富な経験だそうだ。
15年前の設立以来もっぱら三菱車だけを扱ってきたM-SVOは、L200の後ろに、いくつラックをはめ込むことができるか、ショーグンにどの程度重量を加えたらサスペンションのアップグレードが必要になるか、などについて誰よりも詳しい。
ヒューズいわく「わたしたちはお客様のリクエストが危険なものではない限り、ノーとは言いません」とのこと。「ここで行われている最も専門的なことと言えば、警察犬用の車両改良です。ショーグンの場合は80時間かけてエアコンと照明付きの犬小屋を後部にふたつ設置しています」
「わたしたちはクルマを入荷したらまず正常に作動するか確認します。その後、通信システム用ハーネスをクルマの前から後ろまで張り巡らせるため、室内のほとんどのものを取り除きます。非常に特殊な方法でハーネスを配線したら、インテリアとライトバーを取り付けます。塗装は専門のサプライヤーに任せています」
このセンターが手がけてきた中でもっとも珍しい車両は何か、聞いてみた。
もっとも珍しい「作品」とは
このセンターが手がけてきた中でもっとも珍しい車両は、英国三菱の前社長用モバイル・オフィスに改造されたグランディスMPVだという。
スモークガラスという点を除けば、見た目は他のグランディスと変わらない。だが、中はまったくの別物だ。キャビンの後部は外され、ふたつのリクライニング式キャプテンシートに置き換えられている。
そして、折り畳み式テーブル、豪華なカーペット、テレビも装備されているのだ。ファックス、プリンター、ノートPC用ドッキング・ステーションまで完備している。外注先が取り付けたAV機器以外は、すべてM-SVOによる作業だ。
「後部がかなり重くなり、ふたつのシートがリア・アクスルのすぐ上に配置されていることもあって、前社長は少し乗り心地が硬いと感じたようです。なので、わたしたちはエアサスを取り付けて対応しました」とヒューズは言う。
MPVやピックアップ・トラックの架装、犬小屋付きパトカーの製作など、素晴らしい技術を有するサイレンセスターにあるこのセンターがいつか日の目を見られますように。
番外編 正規輸入8台の三菱ジープ
三菱ジープ。1953年から1998年までの間、三菱は米国ブランドとライセンス契約を交わして約20万台のウィリス・ジープを生産した。そのほとんどは右ハンドル仕様だ。
イギリスに正規に輸入されたのはたったの8台。写真の1979年製のモデルは、M-SVOが5000時間もの工数をかけて修復した。
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