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【もう少しでクラスリーダー】ルノー・キャプチャー Eテック PHEVへ試乗 

掲載 更新
【もう少しでクラスリーダー】ルノー・キャプチャー Eテック PHEVへ試乗 

電動化技術の採用が加速するルノー

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】キャプチャーとメガーヌ 競合のミニ 全121枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ルノーによる電動化技術の採用が加速している。ハッチバックの純EV、ゾエがイメージを牽引する一方、カングーZEは純EVの商用車として、欧州のベストセラーになっている。

普通のドライバーが手を伸ばしやすい、パワートレイン構成も拡大中。ハッチバックのクリオ(ルーテシア)にハイブリッドが追加され、SUVのキャプチャーには、プラグイン・ハイブリッドが採用された。

そのキャプチャー Eテックがベースとするのは、ルノー・日産・三菱アライアンスによるCMF-Bプラットフォーム。自然吸気の1.6L 4気筒エンジンに、49kWの出力の電気モーターと、スターター・ジェネレーターが組み合わされている。

バッテリーは、リアシートの下。容量は7.5kWhで、EVモードで48kmの距離を走行可能だ。

英国の場合、ウォールボックスと呼ばれる家庭用充電器を無償で提供しており、3時間で満充電にできる。トランスミッションは、専用開発の6速ATを積む。

システム総合での最高出力は、160psと少々控えめ。最大トルクは非公表だが、エンジン単体では3200rpmで14.2kg-mを発生するという。モーターは、25.3kg-mとなっている。

0-100km/h加速は10.2秒。同じパワートレインを積むメガーヌのEテックより、0.3秒だけ遅い。

インテリアのデザインは、フランスらしいオシャレさに溢れている。ダッシュボードやドアパネルにはソフト加工された素材が用いられ、触れた時の上質感を引き立てている。

従来以上に優れるハンドリング

スイッチ類の一部は少し安っぽい。ギアセレクターのハウジングは、やや組付けが甘い。それでも、キャプチャーの車内はとても好印象だ。

リアシートはベンチタイプで、スライドが可能。足元の空間は大きく取れるが、頭上空間はやや狭い。それでも、平均的な身重の大人なら充分快適に座れるだろう。

荷室空間は、PHEVではないキャプチャーの422Lと比べて、やや小さい379Lとなる。

走り出してみると、足回りは引き締められ、姿勢制御は抑制が効いている。その結果、クロスオーバーとしては、従来以上に鋭い操縦性を獲得している。

グリップ力やスタビリティに不足はなく、ステアリングの重み付けも良好。ステアリングホイールの切り始めから、爽快な反応が得られる。コーナリング・スピードを上げても、ボディロールは穏やかだ。

そのかわり路面の荒れた区間では、乗り心地で落ち着きが失われやすい。継ぎ接ぎだらけの市街地を、低速で走行すると明らか。細かい突き上げなどは、充分に和らげてくれる。

フォード・プーマの方が、乗り心地は滑らかかもしれない。しかもプーマは、コンパクト・クロスオーバーの中でも、特にシャープな操縦性も備えている。

一方で、今のところプラグイン・ハイブリッドは選べない。ルノー・キャプチャーのパッケージングは、ライバルより有利だといえるだろう。

高負荷時の洗練性でも優れている。エンジンの回転数が高まると、ノイズが耳に届くようになるが、それでも遠くから響く程度。耳障りになることはない。

クラス最上位に躍り出る実力

低速域でのアクセルレスポンスも良い。特に電気モーターは、30km/hから50km/hくらいの間で、力強い加速を引き出してくれる。

そのまま加速を続けると、優れた印象に陰りが出てくる。速度域が上がり電気モーターのアシストが途切れると、エンジンの回転数が充分に高まるまで、加速が一時的に弱くなる。結果として、全体的な加速感は線形的なものではない。

キャプチャーの場合、都市部域で運転されることがほとんどだろうから、充分な動的性能だとはいえる。そうなると、低速域での乗り心地がもっと柔軟なら、とも考えてしまうが。

欧州では、PHEVのクロスオーバーは珍しい存在。キャプチャー Eテックが主流の選択肢になるまでには、もう少し時間がかかるかもしれない。

英国でのライバルとなると、キア・ニロのPHEVや、ミニ・カントリーマン(クロスオーバー)のPHEVなど。価格的にも近い。ルノーは、キアよりもパワートレインが洗練され、インテリアも優れている。ミニと並ぶ位置だと思う。

今はまだ、クロスオーバーのPHEVという市場で、優れた選択肢の1つに留まっているルノー・キャプチャー Eテック。もう少し乗り心地が改善され、加速感がリニアなものになれば、クラス最上位に躍り出る実力は備えている。

ルノー・キャプチャー Eテック PHEV 160(欧州仕様)のスペック

価格:3万495ポンド(426万円)
全長:4227mm
全幅:1797mm
全高:1566mm
最高速度:172km/h
0-100km/h加速:10.1秒
燃費:77.1km/L
CO2排出量:34g/km
乾燥重量:-
パワートレイン:直列4気筒1598cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:7.5kWh
最高出力:160ps(システム総合)
最大トルク:-
ギアボックス:6速オートマティック

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