■特設オフロードコースを敷地内に完備した稀有なディーラー誕生
2019年にグランドオープンした「ジャガー・ランドローバー柏」が、特設オフロードコースと認定中古車の大型展示場を新設した。
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2020年11月11日のリニューアルオープンに先駆け、特設オフロードコースを体験してきたので、その模様をレポートしよう。
最新CIを採用した「ジャガー・ランドローバー柏」は、JR柏駅から北東におよそ2km、国道16号線沿いに立地する首都圏の重要拠点である。2階建ての新車ショールームと4つの作業ベイを有するサービス工場を構え、2019年10月に移転、グランドオープンを果たしている。
今回ショールームの隣の敷地に、特設オフロードコース「ジャガー・ランドローバー柏 エクスペリエンスセンター」を新設し、認定中古車展示場も最大120台まで展示可能な広大なスペースを確保。これにより敷地面積は合わせて1万平方メートルとなり、日本最大規模の敷地を有するショールームして生まれ変わった。
新設された特設オフロードコースには、高さ4m、傾斜30度のヒルクライムや、高さ50cmの6つのコブを持つモーグル、さらに水深90cmの池、傾斜25度のバンクが配置されており、ランドローバーが誇る傑出したオフロード走破能力を遺憾なく体感することが出来るようになっている。
ジャガー・ランドローバー柏だけでなく、ジャガー・ランドローバー水戸/宇都宮/横浜を有する正規販売ディーラーネットワークであるミッドランズ株式会社代表取締役社長の荒井賢氏によると、新ショールームを建設する際に出た土砂の山がヒントになったという。
その土山を見て、ランドローバーで登ることが出来るか否かという話から、実際にカスタマーに体感してもらう特設コースを思いついたのだそうだ。
オフロードコースサイドには、テラスラウンジやドッグラン、無農薬野菜ガーデン、そしてエアストリームなども設置されているのも特徴だ。愛犬を連れてくるカスタマーも多く、ドッグランが用意されているのは非常に嬉しいポイントである。また、これらの施設を用いて、オーナー向けのバーベキューやデイキャンプイベントを企画しているとのことであったが、活用方法はこれからアイディアを出して、カスタマーの人たちが楽しめる場にしたいということであった。
荒井賢氏は、「ランドローバーを所有していてよかったと思えるような体験を提供したい」と語っていた。
また、ジャガー・ランドローバー・ジャパンの代表取締役社長マグナス・ハンソン氏は、カンファレンスの挨拶のなかで次のような趣旨のコメントをした。
「純粋なSUVメーカーはランドローバーしかなく、ランドローバーの真の良さはオフロードを走らなければ本当の意味で理解することができません。特設オフロードコースを敷地内に完備したディーラーは、日本だけでなく世界を見渡しても珍しく、ジャガー・ランドローバー柏は非常にユニークなディーラーです。
カスタマーの皆様がこのジャガー・ランドローバー柏 エクスペリエンスセンターを訪れて、実際に試乗してオフロード体験をすると、必ずやランドローバーブランドをしっかりと理解してもらえるでしょう」
当面の間は、試乗予約をした人のなかから抽選で選ばれた人のみ、特設オフロードコースを体感できるとのことだ。
■分かっていても恐怖のオフロードコースとは
2011年11月11日のリニューアルオープン前に、実際の特設オフロードコースを試走してみたレポートをお届けしよう。
ショールームの隣にある広大な認定中古車展示場の奥には、白いコンテナガレージが2棟設置されている。コンテナガレージはラウンジになっており、デッキテラスからオフロードコースを見渡せる仕組みだ。
最初に試乗したのはいま話題の「ディフェンダー」だ。まず手始めに高さ50cmのモーグルにチャレンジ。
電子制御エアサスペンションを標準の高さから145mmアップ。ディフェンダーは標準車高から乗降しやすい40mm低い車高から、オフロード向けに75mmアップの車高まで選択できるが、さらに悪路を走行する際にはプラス70mmアップすることが可能である。テレインレスポンス2は、「岩場モード」を選択。
でこぼこのモーグルを走行する上でとても役に立つのが、「ClearSightグラウンドビュー」だ。アイポイントが高く、四隅を捉えやすいディフェンダーだが、フロントノーズの下がどのような状況になっているのかをフロントウインドウ越しに確認することは不可能である。
しかし、ClearSightグラウンドビューがあれば、ボンネットをシー・スルーして路面を確認することができるので、モーグルのコブをひとつひとつモニターで目視しながら進むことが可能となり、非常に安心して進むことができる。
傾斜25度のバンクを走行する際にモニターを車両状況確認の画面に切り替えると、24度のバンク角であることを目視することができた。
傾斜30度のヒルクライムの際は再びClearSightグラウンドビューに切り替えて、スロープを登っていく。念の為、ヒルローンチアシストをオンにする。
ディフェンダーは難なく急な斜面を登っていくのだが、運転しているドライバーの視界は真っ青な空だけが広がるため、ClearSightグラウンドビューで前輪の先がどのような状況であるかを確認しながらでないと恐怖心のほうが先にくるかもしれない。
実際にヒルクライム用の小山のトップはそれほど道幅も広くなく、きちんとClearSightグラウンドビューでルートを確認してからなでないと危険でもある。
小山を下りる際には、ヒルディセントコントロールでディフェンダー任せ。ペダル操作はしなくてもよいので、ステアリング操作だけに集中することができる。
ディフェンダーのアプローチアングルは38度、デパーチャーアングルは40度であるということが分かっていても、実際に小山の上から降りていくのは地面に突き刺さるような感覚で、初めて体験する人ならば「怖い」と感じてしまうだろう。
次に、「ディスカバリー」に乗り換えて、水深90cmの池を体験する。かつて「ディスカバリー・スポーツ」で、アイスランドの河を渡ったことがあるので、ランドローバーならばこれくらいの池をクリアするのは楽勝であることは経験済み。
とはいえ、ゆっくりと池に入っていく際の感触はなんともいえない感覚。日常ではまず経験することができない体験である。360°サラウンドカメラで映し出した前方の視界が水中を映し出すことなど、日本ではオーナーであってもまず試すことはないだろう。
ディスカバリーの最大渡河水深は900mm。ドアミラーに装備されたセンサーが水深を検知することで、タッチスクリーン上にリアルタイムで車体に対する水の高さを表示してくれる。
特設オフロードコースで体験する4つのステージに近い状況で走行することは、普通のオーナーならまずないだろう。しかし、ランドローバーのオフロードでの限界の高さを知ることは、ランドローバーのブランド価値を知る上で、とても大切なことである。
また、クルマの限界性能の高さを経験することで、ランドローバーへの信頼も篤くなるだろう。
SUV人気の現在、これまでスポーツカーしか生産していなかったメーカーもこぞってSUVをリリースしているが、真のオフローダーを求めている人は、ジャガー・ランドローバー柏 エクスペリエンスセンターで実際にその走破能力を体験することを強くお薦めする。
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