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EV化で超ヘビー級乗用車が続々登場! そろそろ「いまの普通免許」じゃ乗れないクルマが出てくる

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EV化で超ヘビー級乗用車が続々登場! そろそろ「いまの普通免許」じゃ乗れないクルマが出てくる

 この記事をまとめると

■最近は車両重量が3トンを超えるモデルが登場し始めている

「大型免許」は必要な「深視力」検査ってなに? 似たような名前の「大型特殊免許」に不要なワケとは

■2017年3月以降に普通免許を取得した人が運転できる普通自動車の車両総重量は3.5トン未満

■EVが現状のリチウムイオンバッテリーを使用する限り抜本的な解決は難しい

 EV化によって重くなる一方の普通乗用車

 近年、自動車業界で加速するEV化の波は、思わぬところで新たな課題を生み出している。それは車両重量の増加だ。とくに大型のラグジュアリーEVでは、車両重量が3トンを超えるモデルも登場し始めており、平成19年(2007年)6月以降に普通免許を取得した若年層にとって、運転できない乗用車が現実のものとなってきている。

 <普通免許の制限、知っていますか?>

 2017年3月12日以降に普通免許を取得した者には、運転できる普通自動車の車両総重量が5トン未満から3.5トン未満に引き下げられた。運転免許の取得可能年齢は18歳以上なので、2017年に18歳、2024年現在では25歳以下の免許取得者は、この条件に当てはまる。

 じつは2007年以降、普通免許で運転可能な車両の条件は段階的に厳しくなっている。2007年6月2日からは車両総重量はそれまでの8トン未満から5トン未満に引き下げられた。

 これは、交通事故の削減のために設けられた規制であったが、近年の乗用車の重量増加により、一般の乗用車にも影響が出始めている。従来の内燃機関(ICE)車の場合、フルサイズSUVでも車両重量は2.5トン程度に収まるのが一般的であった。しかし、EVではバッテリーパックの重量が加算されることで、車両重量が大幅に増加する傾向にあるのだ。

 <続々と登場するヘビー級EV>

 メルセデス・ベンツの電動SUV「EQS SUV」は、車両重量が2880kgと3トンに迫る大型EVの代表例だ。同じく同社の象徴的モデルであるGクラスのEVモデル「G 580 with EQ Technology」(通称G 580)は、車重が3トンを超える3120kgに達している。

 テスラのサイバートラックも最上位モデルのサイバービーストの場合、車両重量は約3.1トンとされており、今後バッテリー容量の大容量化や装備の充実化によりさらに重量が増加すれば、3.5トンを超過する可能性も否定できない。

 このような重量級EVの登場は、バッテリー技術の進歩と高級車市場のニーズによるものだ。大容量バッテリーを搭載することで航続距離の延長や高出力化を実現。G 580の場合、432kW/1164Nmという圧倒的なパワーとトルクを誇り、3トン超えのボディを軽々と加速させる。

 <重量増加がもたらす新たな課題>

 車両の重量化は、単に免許制度との整合性だけでなく、さまざまな課題を生み出している。多くの立体駐車場や機械式駐車場は重量制限が2.5トン程度に設定されており、3トン級の乗用車は駐車することができない。また、道路や橋梁への負荷も懸念される。従来の乗用車よりも大幅に重い車両が増えることで、インフラの劣化が加速する可能性がある。都市計画や道路設計の見直しが必要になるかもしれない。

 タイヤやブレーキなどの消耗部品への負担も大きくなり、維持費の増加も懸念される。さらに、事故の際、その衝撃も大きくなることから、安全面での新たな対策も必要となってくる。

 このような状況に対し、自動車メーカーは軽量化技術の開発を進めてはいるが、EVが現状のリチウムイオンバッテリーを使用する限り、抜本的な解決は難しい。全固体電池などの次世代バッテリーの実用化や、車体構造の革新的な軽量化が待たれるところである。

 一方で、免許制度の見直しを求める声もあるが、安全面や道路インフラへの影響を考慮すると、簡単には結論が出ない。当面は、重量級EVの購入を検討する際には、自身の運転免許で運転可能かどうかの確認が必要となるだろう。

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みんなのコメント

23件
  • ncc********
    本当の意味での「重量税」をやってほしい。
    重い車は軽い車に比べて道路を傷めるから、その分税金を上げていいと思う。
  • acc********
    こんなに重いクルマがエコカーとか言って重量税減税されて、私の愛車、18年超1.5トンもないのに重量税重課されるとかなんなんですかね、道路に与えるダメージはどう考えたってEVの方が大きいですよね。クルマって古くなると重くなるんですかね??重量税の意味が良くわかりません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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