F1第19戦アメリカGPの土曜日に行われたスプリントで、ポールポジションからスタートを決めて1コーナーを制したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。その後もフェルスタッペンはスタートで2番手に浮上したランド・ノリス(マクラーレン)を寄せ付けず、ポール・トゥ・フィニッシュで今シーズン4回目のスプリント勝利を収めた。
高速コーナーが多いサーキット・オブ・ジ・アメリカズではマクラーレンが有利だと言う下馬票を覆しての第11戦オーストリアGP以来の勝利に、フェルスタッペンはシンガポールGP以降、不機嫌だった公式会見でも久しぶりに笑顔を見せた。
スプリントで勝利したフェルスタッペン、予選は黄旗に阻まれ2番手「PP争いできたのは良いこと。競争力が戻ってきた」
「この結果には満足している。これまでずっと、後ろばかり気にして、まったく攻撃できないレースが続いていたからね。1周のタイムでは、多くの問題を隠すことができるから、金曜日にスプリント予選でトップタイムを刻んだものの、まだ安心はできなかった。今日のスプリントではバランスの取れたマシンになっていた。それがここ数戦の僕たちが苦戦の原因だった。ようやく、クルマのパフォーマンスが向上し、 プッシュすることができるようになった。だから、今日はとてもハッピーだ」
フェルスタッペンの機嫌はスプリント後に行われた公式予選後も変わらなかった。この予選でフェルスタッペンはポールポジションを逃し、チャンピオンシップ争いで2位につけているランド・ノリス(マクラーレン)にその座を奪われていた。にもかかわらず、フェルスタッペンが不機嫌でなかったのは、予選の最後のアタックでフェルスタッペンはノリスを上回る走りをしていたからだった。
Q3の1回目のアタックでノリスに暫定ポールポジションの座を奪われていたフェルスタッペンは、2回目のアタックで自己ベストを上回るとともに、ノリスが暫定ポールポジションを獲った1回目のアタックでのセクター1のタイムである24.992秒を上回る24.820秒でセクター1を通過していた。
そのフェルスタッペンの直後からアタックを開始していたノリスが自己ベストを上回れず25.051秒だったから、あとはフェルスタッペンがノリスの1回目のタイムを上回れるかどうかにポールポジションの行方がかかっていた。
セクター2でフェルスタッペンは自己ベストを上回れずに37.073秒にとどまった。それでもセクター2までのタイムは61.893秒と、ノリスの暫定ポールポジション時のセクター2までのタイムからわずか0.014秒遅れだった。
ところが、セクター3に入った直後に、前方でジョージ・ラッセル(メルセデス)がクラッシュ。スローダウンを余儀なくされたフェルスタッペンは、逆転でのポールポジションはならなかった。それでも、ポールポジション争いができた喜びがフェルスタッペンにはあった。
「Q3の最初のアタックで暫定ポールポジションを獲れなかったのは、ターン19をミスしたからだった。 ターンインが少し遅れてコースアウトしそうになつたので、シフトダウンしなければならず、そこでかなりのタイムを失ってしまった。それを改善できれば、ポールポジションを獲得できると信じていた。でも、2回目のアタックは、そのコーナーに到達する前にゲームオーバーとなった。予選では、自分のコントロールできないことが起こるから仕方がない。それよりも今週末はここまでずっとポジティブだったことが僕たちにとって大きな収穫だった」
そして、最後にフェルスタッペンはこう語った。
「明日、優勝を争えることを願っている」
それは久しぶりに聞く、フェルスタッペンの強気な言葉だった。2021年から3連勝している相性のいいサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、レッドブルとフェルスタッペンがついに復活の狼煙を上げたようだ。
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