普通車セグメントの需要が低下している
日本国内の2024年9月のEV販売動向が速報され、EVシェア率が前年比マイナス成長という、日本国内のEVシフト停滞模様を解説します。
販売台数と収益性でテスラを凌駕! 決算に見るBYDの強さとこれから先の戦略
まずこのグラフは、2018年以降のバッテリーEVとプラグインハイブリッド車の合計販売台数を月間ベースで示したものです。2024年9月の販売台数は9587台と、前月である8月よりもプラス成長だった一方、前年同月は1.3万台強という販売台数であり、前年同月比でマイナス29.8%と、大幅なEV減速の兆候が見てとれます。2023年12月以降、10カ月連続、前年同月比でマイナス成長です。
そして、そのEVシフトの変遷をさらにわかりやすくするために、新車販売全体に占めるバッテリーEVとPHEVの販売台数の合計の比率を示したグラフを見てみると、9月は2.62%と、前年同月に記録した3.76%と比較してもシェア率が低下している状況です。
次に、バッテリーEVの販売動向として、このグラフは普通車セグメントと軽自動車セグメントそれぞれのバッテリーEVの販売台数の変遷を示したものです。9月はバッテリーEV全体で6421台と、前年同月と比較して19.7%ものマイナス成長です。
さらにこのグラフは、その普通車セグメントを、日本メーカーと輸入車メーカーそれぞれにわけて示したものです。白で示されている輸入EVは、前年同月比で13.4%のマイナス成長に留まったものの、ピンクで示されている日本メーカーの普通車セグメントのバッテリーEV販売台数は972台と、前年同月比でマイナス41.3%という落ち込み具合です。このことからも、現在の日本国内のEVシフト後退のもっとも大きな要因というのは、とくにリーフやアリア、bZ4Xのような日本メーカーの普通車セグメントの需要が大きく低下しているからであるといえます。
また、バッテリーEVの累計販売台数を年別に比較すると、2024年9カ月間において4.5万台ものバッテリーEVを発売したものの、2023年は9カ月間で7万台近くを発売しています。年末までにどれほど販売台数で巻き返しを図れるのかに期待です。
また、現在の日本のバッテリーEVの販売シェア率が世界の主要国と比較して、どれほどの立ち位置であるのかを確認してみると、9月は1.75%というBEV販売シェア率でした。まだ9月の各国の最新販売データが更新されていないものの、7月の世界全体のシェア率は12%に到達。さらに、8月の自動車大国中国市場は30.6%を達成しています。
それでは、この日本国内においてどのような電気自動車が人気であるのか、とくに懸念視されている、日本メーカーのEVがどのような販売動向であるのかを確認しましょう。
BYDがルノーやシトロエンと同等の販売規模に
まず初めに、2024年累計での主要自動車メーカー別のバッテリーEVの販売台数の変遷を見てみると、やはり日産の販売台数が圧倒的な存在感を見せています。その日産に続くのが、軽EV2車種をラインアップする三菱、およびテスラの存在です。そしてなんと、中国BYDがトヨタのEV販売台数を超えている状況です。
まずはテスラに注目しましょう。月間販売台数の変遷を見てみると、9月はおよそ528台を達成。そして2024年Q3はじつに1307台を達成し、2023年Q3が1229台であったことから、前年同期比でプラス成長を実現することに成功しています。
モデルYのモデルチェンジ「ジュニパー」の存在が噂されていることによる買い控えを考慮に入れると、個人的にはかなり健闘していると感じます。さいたま新都心や横浜みなとみらいの新ショールームの本格稼働によって、新たな需要を開拓できているのかもしれません。
テスラ独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーは、9月末現時点で累計122カ所、604基を建設。実際に稼働中なのは120カ所です。他方で、9月中の新規スーパーチャージャーの設置数はゼロと、なんと2カ月連続で設置なしとなりました。
次に注目したいのがトヨタのEV販売動向です。トヨタは現在bZ4X、レクサスUX300e、RZという3種類のバッテリーEVを発売中ですが、9月に118台と、前年同月の288台から59%減というマイナス成長となり、需要が急速に減少している様子を確認可能です。
また、日産アリアの販売動向について、9月の販売内訳はまだ不明ながら、直近の8月は245台と、2023年後半から販売台数が停滞している様子を確認可能です。120万円もの大幅値上げが販売に影響していることは間違いないでしょう。
次に注目するべきは中国BYDの存在です。BYDは9月度で257台を発売することに成功。たとえば9月のシトロエンの販売台数は248台、ルノーが352台であり、いよいよBYDはこれらの中堅輸入車メーカーと同等の販売規模になり始めたといえます。
すでにトヨタのEV販売台数も超え始めていることからも、果たして2024年末にかけて、シールの販売とテレビCMの浸透によってどれほど販売台数を増やせるのか。2025年以降に投入が期待されるSea Lion 07をはじめとする新型EVの動向にも注目が集まります。
最後に気になる動向が韓国ヒョンデの存在です。9月単体で58台と、前年同月の販売台数36台に比べればプラスであり、また1月から9月までの累計台数も前年同期比で62.5%のプラス成長を実現しているものの、販売台数のボリュームが寂しいと感じます。
ちなみに、この9月中の販売台数には、IONIQ5 Nの20~30台程度の初期納車台数が多く含まれていることを考慮に入れると、既存モデルのIONIQ5とコナの販売で苦戦している様子も見て取れます。
ヒョンデは2025年早々にも、コンパクトEVのインスターを日本に導入する見込みです。他方でBYDドルフィン、日産サクラの直接の競合になり、軽ではないことで税制優遇を受けられず、その上ドルフィンよりもコスパで劣ったり、BYDのようにディーラーもないとなると、日本市場に合うコンパクトカーながら、大きくコケる可能性も出てきています。
ヒョンデとしては、このインスターでどれほどのコスパを実現することができるかが、2025年の日本市場における最注目ポイントであるといえそうです。
いずれにしても、この日本国内のEVシフト動向は、前年同月と比較してもマイナス成長であり、EVシフト後退という状況が見て取れます。とくに問題は、日本メーカーの、とくにアリアやbZ4Xなどのような普通車セグメントの販売動向が芳しくないという点です。
他方で、ホンダのN-VAN e:という最新の軽EVの投入という観点は、2024年末以降のEVシフト推進の大きな原動力となるポテンシャルを秘めています。
かなりの販売規模が見込まれているN-VAN e:の販売動向をはじめとして、定期的に国内EVシフト動向をアップデートしていきたいと思います。
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みんなのコメント
どうやって維持するの?メンテナンスも費用もわからない怪しい物を買えるわけ無い。