この記事をまとめると
■マツダ・ロードスターをベースにコーチビルダーのフータンがグランドアルバイシンを製作
「990S」こそ真のマツダ・ロードスター! 何がスゴイかじっくり考えてみた
■これまでもフータンはクラシックカーをモチーフにしたコンプリートカーを製作している
■グランドアルバイシンはビスポークと呼ばれるカスタムモデルも用意されている
これがロードスターベースって誰が信じる!
この「グランドアルバイシン」というカスタムカーを見ると、ロードスターをベースにしたとはにわかには信じがたい仕上がり! もはや魔改造ならぬ、覇改造とでも呼びたくなるような極めっぷりではありませんか。スペインのコーチビルダー「フータン」には、数あるロードスターのカスタムを軒並み下した覇者、そんな称号すら差し上げたくなります。
フータン社は1991年にスペインのサンタフェで、フアン・ウルタード氏によって興されたコーチビルダーで、グランドアルバイシンが日本初上陸モデルとなりました。ご覧のとおりクラシカルなスタイルは、創業から同社が貫くもので、ウルタード氏のクラシックカーに対するオマージュといわれています。
実際、1990年代はルノーのシャシーとエンジンを使ったフルスクラッチのモーガン+2風モデル(フータンT)や同じくクリオをベースにしたジャガーXK120風モデル(アルバイシン)といったモデルで大成功を収めたとのこと。ちなみに、本国にあるフータン・オーナーズクラブの写真などを見るとモーガンやヒストリックジャガーの集まりかと見まごうほど(笑)。
創業30周年に満を持してリリースされたグランドアルバイシンもまた、ふわとろなフェンダーラインや、モーガン&クラシックジャガーを彷彿とさせる縦長グリル、さらにはコーダトロンカにも見えてくるテールエンドの処理など、端から端までクラシック風味! これまでにも数多くのカスタムロードスターが世に出てきましたが、ここまで振り切ったモデルにはお目にかかっていません。さすが、太陽と情熱の国で生まれただけのことはありますね。
スペインのコーチビルダー「フータン」日本初上陸
輸入元のフータン・ジャパンによると、国内で販売されるグランドアルバイシンはヘリテージ(クラシック)とビスポーク(スポーティ)の2タイプで、それぞれ1.5リッター(132馬力)か2.0リッター(184馬力)エンジンが選べるほか、電動タルガトップも用意されているとのこと。当然のことながら中身はロードスターといってもスペイン仕様なので、ちょっとした味付けの違いも楽しめるのではないでしょうか。それぞれのモデルが履く17インチのアルミホイールもフータンのオリジナルであり、クラシカルなボディワークに憎たらしいほどマッチしています。
そして、フータンのカスタムモデルはスタイリングだけでなく、インテリアのグレードアップ度合いもまた注目に値するクオリティです。レザーやウッドを贅沢に使い、その解釈はボディのクラシカルさに比べ、よりフレッシュで独自のモードが加えられたもの。平たく言ってしまえば、うっとりするような職人技で現代的なおしゃれインテリアに生まれ変わっているといったところでしょうか。
とにかく、ステッチのきめ細やかさとか、パネルの仕上げなど、まるでスペイン王室に納めるかのような仕上がりで、同社のカスタムに対する情熱が伝わってきます。ちなみに、スペインの革は原皮をはじめ鞣しにいたるまで世界でも屈指のクオリティですから、生半可なカスタムカーが太刀打ちできないこと言うまでもありません。当然、カラーや素材はオーダーメイドが前提なので、きっと注文主はどんなコーデにしようかと、うれしい悩みを抱えることでしょう。
このほか、本国の公式サイトを覗いてみると、フータンでは流線形のフェンダーラインも美しいセダンや、ビンテージのロールスロイスを思わせるモデル、はたまた1960年代チックなスタイルを持ったEVなど、一貫して「クラシカル」をテーマにしたカスタムモデルが多数ラインアップしています。これだけのカスタムカーを見せられるとじつに意欲的というか、「スペインやヨーロッパでバカ売れしてんだな!」と驚きを隠せません。
今回のグランドアルバイシンを皮切りに、スペインのカスタムコンキスタドール(大陸征服)が始まるかと思うと、ライバルたちは枕を高くして眠るわけにはいかないことでしょう。
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