現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アリゾナの砂漠に広がる火星のような光景! 巨大な「メテオ・クレーター」はアポロ計画でも使われていました【ルート66旅_36】

ここから本文です

アリゾナの砂漠に広がる火星のような光景! 巨大な「メテオ・クレーター」はアポロ計画でも使われていました【ルート66旅_36】

掲載 4
アリゾナの砂漠に広がる火星のような光景! 巨大な「メテオ・クレーター」はアポロ計画でも使われていました【ルート66旅_36】

直径1.2キロ&深さ200メートルのメテオ・クレーターは必見

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へやって来ました。今回は地球の歴史を体感できる巨大な絶景スポット、「メテオ・クレーター」を紹介します。

「テスタロッサ」より高価で「カウンタック」より速くて4人乗り! メルセデス・ベンツ「500SEC AMG6.0」が9000万円前後で販売中

約5万年前に起きた隕石の大衝突!

ヨーロッパが「人類の歴史」と呼ばれるのに対し、アメリカは「地球の歴史」だとも言われている。アリゾナ州ウィンズローから東へ約40kmの「メテオ・クレーター」で、約5万年前に起きた天変地異の痕跡を見てみよう。

隕石を意味するメテオという言葉から推察できるように、ここはかつて宇宙からの招かれざる使者が訪れた場所だ。事件が起きたのは旧石器時代の後期に当たる約5万年前。現在こそ荒涼とした砂漠が広がるアリゾナ州の北部は、緑の豊かな草原でマンモスやエレモテリウムと呼ばれる、古代の大型哺乳類が穏やかに暮らす楽園だったらしい。

そこへ強烈な閃光を放ちながら舞い降りたのが、直径30~50mとも推測される大型の隕石だ。落下のスピードは4万km/h以上と考えられ、地面に衝突するやいなや大爆発を引き起こす。爆心地では生物や植物を含むあらゆる物質が一瞬で気化し、衝撃は大地を深く掘り起こしながら周囲へと広がっていく。激突で生じた火球が燃やし尽くしたのは半径10km、さらに半径22kmまでの範囲を荒野に変えたという。

まさに映画『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』の世界だが、これほど大きな被害でも地球の環境に及ぼす影響はほとんどなかったとか。恐竜が絶滅した原因として有力視されている、約6600万年前の白亜紀の末に衝突した隕石は直径が10~15km。それに比べると直径1.2km&深さ200mの跡を残したとはいえ、100年後には動植物が暮らすまでに回復したメテオ・クレーターは、地球の規模で考えればさほど大きな事件ではなかったのだろう。とはいえリムに設けられた展望台から見下ろすクレーターは、スケールが大き過ぎて実際のサイズが分かりにくいほどだ。

なおメテオ・クレーターは別名をバリンジャー・クレーターといい、由来はこの一帯を買い取った鉱山技師ダニエル・モロー・バリンジャー。当初は火山の火口と考えられていたが隕石の衝突痕であると主張し、さらに隕石はもっと大きく地中に大量の金属が埋まっていると考えた。それらを発見し巨万の富を得ようと採掘を続けたが、現実は前述のとおり彼の予想をはるかに下まわり、しかも衝突の際にほとんどが蒸発していると判明。数十年にわたる苦労と資金がムダに終わったと知りショックを受けたのか、掘削の中止を決めた翌日にバリンジャーは心臓発作で亡くなってしまう。ただしクレーターを含む土地は現在も親族が所有しており、後に建てられた立派なミュージアムも当然ながら私設だ。

アポロ計画では宇宙飛行士の訓練にも使われた

ちなみにメテオ・クレーターはNASAのアポロ計画で、宇宙飛行士の訓練に使われたという話もある。以前はクレーターの底まで下りるツアーもあったというウワサを聞いたが、いま調べるとリムを歩くガイド付きのハイキングが催行されている模様。もっとも入場料だけでアクセスできる、展望台からの眺めだけでも十分に圧巻だ。

一般には超広角といわれる16mmのレンズでも全景が入り切らず、魚眼レンズかパノラマ撮影できるスマホが欲しくなる。ミュージアムを含め1時間もあれば楽しめるので、アメリカ合衆国の歴史であるルート66と併せて、地球の歴史メテオ・クレーターも訪れてみよう。

近隣では、すでに廃墟と化しかつての面影だけを残す、メテオシティ・トレーディングポストも見どころ。1930年代から営業しており世界最大のルート66マップや、巨大ドリームキャッチャーも有名なギフトショップで、初めて訪れたときはオーナーと小さな娘さんから手厚い歓迎を受けたが、翌年か翌々年にはクローズし年を追うごとにどんどん荒れ果てていった。オーナーが変わって再開するという話はよく耳にするので、いつかルート66を愛する人の手に渡って欲しいと願うばかりだ。

■「ルート66旅」連載記事一覧はこちら

こんな記事も読まれています

「居住者のための道」「スクールゾーン」に「選挙カー」が走っているのですが… 許されるのですか? 批判あるもいまだ横行
「居住者のための道」「スクールゾーン」に「選挙カー」が走っているのですが… 許されるのですか? 批判あるもいまだ横行
乗りものニュース
14年ぶり全面刷新! レクサス「新型“カクカクSUV”」登場! V6ツインターボ×「上質オシャレ内装」がカッコイイ! 国内初投入「新型GX」に大反響
14年ぶり全面刷新! レクサス「新型“カクカクSUV”」登場! V6ツインターボ×「上質オシャレ内装」がカッコイイ! 国内初投入「新型GX」に大反響
くるまのニュース
【2024年版】レクサス RX VS トヨタ RAV4を徹底比較
【2024年版】レクサス RX VS トヨタ RAV4を徹底比較
グーネット
スズキ 新型グローバルSUV「フロンクス」 2024年秋、日本上陸へ!先行情報HPで公開
スズキ 新型グローバルSUV「フロンクス」 2024年秋、日本上陸へ!先行情報HPで公開
グーネット
トヨタ「クラウン」vs ホンダ「アコード」日本のフラッグシップセダンはどこを目指すのか?
トヨタ「クラウン」vs ホンダ「アコード」日本のフラッグシップセダンはどこを目指すのか?
@DIME
[カーオーディオ 逸品探究]実力スピーカーブランド「モレル」の革新機『ヴィルタス ナノ カーボン』の魅力を解析!
[カーオーディオ 逸品探究]実力スピーカーブランド「モレル」の革新機『ヴィルタス ナノ カーボン』の魅力を解析!
レスポンス
竹岡圭さん率いる圭rallyproject、XCRスプリントカップ北海道に参戦!三菱自動車やトーヨータイヤ等がサポート
竹岡圭さん率いる圭rallyproject、XCRスプリントカップ北海道に参戦!三菱自動車やトーヨータイヤ等がサポート
LE VOLANT CARSMEET WEB
【F1分析】角田裕毅の”第1スティント引っ張る作戦”は失敗だった? タイヤ交換のタイミング遅らせたメリットを活かせず
【F1分析】角田裕毅の”第1スティント引っ張る作戦”は失敗だった? タイヤ交換のタイミング遅らせたメリットを活かせず
motorsport.com 日本版
内紛とライバルの追い上げに揺れるレッドブルF1。ヘルムート・マルコが「レースへの完全集中」を求める
内紛とライバルの追い上げに揺れるレッドブルF1。ヘルムート・マルコが「レースへの完全集中」を求める
AUTOSPORT web
三菱「新型“SUV”ミニバン」公開! 4.5m級ボディにMT設定あり! 約350万円の「エクスパンダー “エリート”LE」に反響 尼で登場
三菱「新型“SUV”ミニバン」公開! 4.5m級ボディにMT設定あり! 約350万円の「エクスパンダー “エリート”LE」に反響 尼で登場
くるまのニュース
フォルクスワーゲンCEOが語る「愛されるブランド」へ回帰するための戦略とは? 看板モデル「ゴルフ」の未来にも言及
フォルクスワーゲンCEOが語る「愛されるブランド」へ回帰するための戦略とは? 看板モデル「ゴルフ」の未来にも言及
VAGUE
【38台限定】アストンマーティン「ヴァリアント」登場! フェルナンド・アロンソの依頼で実現した「Q by Aston Martin」手掛ける限定モデルとは
【38台限定】アストンマーティン「ヴァリアント」登場! フェルナンド・アロンソの依頼で実現した「Q by Aston Martin」手掛ける限定モデルとは
Auto Messe Web
WRC第7戦、オジェに代わって急遽参戦のロバンペラが圧巻の走りで優勝【ラリー・ポーランド】
WRC第7戦、オジェに代わって急遽参戦のロバンペラが圧巻の走りで優勝【ラリー・ポーランド】
Webモーターマガジン
ロバンペラ、ラリー・ポーランド”代打”優勝で疲労困憊「すごいことをした実感はまだないんだ」
ロバンペラ、ラリー・ポーランド”代打”優勝で疲労困憊「すごいことをした実感はまだないんだ」
motorsport.com 日本版
BMW『M2』改良新型、「M」の名に恥じない強烈な内外装
BMW『M2』改良新型、「M」の名に恥じない強烈な内外装
レスポンス
GT500は国産車だけど左ハンドル! 全日本ラリーに出る新井敏弘のWRX S4も左に変更! モータースポーツ車両のハンドル位置の謎
GT500は国産車だけど左ハンドル! 全日本ラリーに出る新井敏弘のWRX S4も左に変更! モータースポーツ車両のハンドル位置の謎
WEB CARTOP
ペレス、予選Q3に中古タイヤで出走し8番手「新品セットを温存する余裕がなかった」/F1第11戦
ペレス、予選Q3に中古タイヤで出走し8番手「新品セットを温存する余裕がなかった」/F1第11戦
AUTOSPORT web
横転クラッシュでも乗員を守るモータースポーツ車両の「ロールケージ」! 安全をアップする装備なら市販車に採用しないのか?
横転クラッシュでも乗員を守るモータースポーツ車両の「ロールケージ」! 安全をアップする装備なら市販車に採用しないのか?
WEB CARTOP

みんなのコメント

4件
  • zab********
    バリンジャークレーターは、ルート66からは少し離れているんですよね♪ 過去にラスベガスからの日帰りツアーで行きましたけど…ホントに周りには何もありません、
    クレーターもナスカの地上絵みたいに空から見ないと形がわからないくらいに巨大です、あと…とにかく暑かった!
    付近では、映画「猿の惑星」のロケにも使われたらしいです、やはりアメリカは何でもビッグスケール!
    ロスやニューヨークだけがアメリカではありません、ホンモノのアメリカって…カウボーイが出てくるような田舎がリアルアメリカって気がする…
  • *******
    いってみたい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村