現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > リーフに続きアリア投入で日産だけが突っ走る! なぜ「それ以外」の国産メーカーは「EV」に本腰を入れないのか

ここから本文です

リーフに続きアリア投入で日産だけが突っ走る! なぜ「それ以外」の国産メーカーは「EV」に本腰を入れないのか

掲載 更新 129
リーフに続きアリア投入で日産だけが突っ走る! なぜ「それ以外」の国産メーカーは「EV」に本腰を入れないのか

 電動化ブームは日産主導ではない?

 2020年7月15日に新型「アリア」が世界初公開された。日産の内田 誠CEOがアリアを「新たなる扉を開くモデル」と称したように、アリアは日産にとって最重要モデルである。

日産アリア登場! 量産EV第3弾は最大610km走行可能なハイテクSUV

 背景には、ルノー日産三菱アライアンスにおける日産の役割がある。同年5月、日産は中型車以上の電動化と自動運転技術でリーダーとなり、他の2社がフォロワーになる、というアライアンス全体として事業戦略を発表している。だが、世界の自動車業界全体を見まわすと、日産がEV市場全体をリードしているとまでは言い切れない状況だ。

 EVにもっとも積極的なのは、独フォルクスワーゲングループ。2015年に起こったディーゼル不正問題を払拭するため、2016年発表の中期経営計画で大々的なEVシフトをぶち上げた。VWの販売量が多い中国で、新エネルギー車(NEV)政策が2010年代後半から強化されることが決まったこともあり、当時のVW経営陣が英断した。

 日産としても中国は重要市場のひとつであり、日産のEV戦略は中国NEV対策という側面もある。

 また当然、テスラ対策もある。周知のとおり、2020年7月上旬、テスラは時価総額でトヨタを抜き、業界No1となった。多くの自動車メーカー各社幹部が「まさか、テスラが(企業として)ここまで一気に大きくなるとは!?」と驚いているように、テスラの影響によって近年、業界の予想に反してプレミアムEV市場が大きく伸びた。

 ポルシェ「タイカン」に次ぎ、GMは「GMCハマー」やキャデラック「リリック」、フォードは「マスタング マッハE」というプレミアムEV攻勢をかけてきた。日産はアリアで、これら各モデルと戦う構えだ。

 トヨタ、ホンダ、マツダは、シティコミューターが主流

 日産以外の日系メーカーでもEVは量産するものの、いまのところ日産とは目指す方向に大きな違いがある。ホンダ「Honda e」とマツダ「MX-30」は、アリアやテスラのような電池容量の大きな電池パックは搭載せず、あくまでも市中や郊外までの移動を効率良く行うEVとして位置付けられている。

 また、トヨタは電動化戦略の長期ビジョンでも明らかなように、長距離移動の電動車は燃料電池車の普及を優先し、EVは市中のシティコミューターという想定だ。2020年後半には、ふたり乗りの超小型EVが量産される予定だ。

 こうした日産以外の日系メーカーは「EVは依然として、米中の規制ありき」、「テスラが主導したプレミアムEVありき」という市場分析のもと、「日系メーカーが得意とする、中小型車のマスマーケット(主要市場)での本格的なEV普及は当面先になる」という共通認識がある。

 見方を変えると、こうした各社のEVに対する方針に対して、日産は「逆張り」しているともいえる。

 2010年に初代「リーフ」登場の際も、日産は他社がハイブリッド車強化の流れに対してEVでの「逆張り」を仕掛けた。あれから10年、世界のEV市場は大きく変化し、また日産の経営陣も大幅も入れ替わったものの、結果的に、EV優先志向という日産の事業戦略に変わりはないように感じる。

こんな記事も読まれています

なんで!? バカ売れ[ヤリスクロス]も樹脂パーツだらけ!! 最近の新車に多いワケ
なんで!? バカ売れ[ヤリスクロス]も樹脂パーツだらけ!! 最近の新車に多いワケ
ベストカーWeb
井戸田潤、メルセデス・ベンツ絶版「Gクラス 320」ショートボディに一目惚れで購入決断!?
井戸田潤、メルセデス・ベンツ絶版「Gクラス 320」ショートボディに一目惚れで購入決断!?
グーネット
履き替えた古いタイヤってどこいくの!?!? 廃タイヤの99%がキチンとリサイクルされている衝撃!! じつは超絶エコだった
履き替えた古いタイヤってどこいくの!?!? 廃タイヤの99%がキチンとリサイクルされている衝撃!! じつは超絶エコだった
ベストカーWeb
総額100万円以下で買える!コスパ+アルファの中古ミニバン5選
総額100万円以下で買える!コスパ+アルファの中古ミニバン5選
グーネット
ショウエイヘルメット、アレックス&マルク・マルケスと2026年まで2年間の契約更新/MotoGP
ショウエイヘルメット、アレックス&マルク・マルケスと2026年まで2年間の契約更新/MotoGP
AUTOSPORT web
ディーラーOPチラシで見る“名車・迷車の魅力”『TOYOTA スプリンター(80系)』
ディーラーOPチラシで見る“名車・迷車の魅力”『TOYOTA スプリンター(80系)』
グーネット
角田裕毅、スプリント予選では痛恨の大スピン。SQ2敗退にも影響「これは僕の責任。受け止めて前に進む」
角田裕毅、スプリント予選では痛恨の大スピン。SQ2敗退にも影響「これは僕の責任。受け止めて前に進む」
motorsport.com 日本版
骨折でル・マンを欠場したコンウェイ、サンパウロでの復帰は未確定。WEC第5戦のエントリーリスト発表
骨折でル・マンを欠場したコンウェイ、サンパウロでの復帰は未確定。WEC第5戦のエントリーリスト発表
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、レッドブルの地元で最速! マクラーレン勢が続く。角田裕毅14番手|F1オーストリアGPスプリント予選
フェルスタッペン、レッドブルの地元で最速! マクラーレン勢が続く。角田裕毅14番手|F1オーストリアGPスプリント予選
motorsport.com 日本版
最速はヒョンデのタナク。トヨタは6-7-8番手でスロースタートに/WRCポーランド シェイクダウン
最速はヒョンデのタナク。トヨタは6-7-8番手でスロースタートに/WRCポーランド シェイクダウン
AUTOSPORT web
F1オーストリアGPスプリント予選速報|フェルスタッペンがSQ1~3全てでトップタイムの完全制圧。角田裕毅SQ2敗退14番手
F1オーストリアGPスプリント予選速報|フェルスタッペンがSQ1~3全てでトップタイムの完全制圧。角田裕毅SQ2敗退14番手
motorsport.com 日本版
【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
motorsport.com 日本版
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
ベストカーWeb
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
Auto Messe Web
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
AUTOSPORT web
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
motorsport.com 日本版
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
グーネット

みんなのコメント

129件
  • 充電インフラの問題。
    時間がかかるってのはもちろんだが、
    それを設置できる人口ははたしてどれほどか。
    アパートは論外で、マンションでもほぼないでしょう?
    つまり、一戸建て世帯でないと購入検討にも入らない。
    出先で急速充電ができるようにならないと、
    普及は難しいでしょう。
    それまでは本腰入れないでしょ。


  • テスラも年販50万台程度の会社じゃ、いくら株価どうのの話をしても基幹自動車メーカーとしては話にならないレベル。
    年販、数千万台の業界だよ、自動車はw

    実際、EVなんかまるで売れてないので他の各社も大赤字のお荷物部門。
    環境も熟成せず、儲かるまでにはまだ10年以上かかる想定されてる。
    買いたいなら買えばって程度の話。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村