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BMW M4 CS、1,300万円でも「中間」 GTSとの共存可? 英国で試乗

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BMW M4 CS、1,300万円でも「中間」 GTSとの共存可? 英国で試乗

■どんなクルマ?

M4 CS、1,300万円でも「中間グレード」

ロールス・ロイス、EVが終着点 「ハイブリッドは妥協」 自動運転にも独自の見地

£90,000(1,317万円)近いクルマが中間グレードだというのはいささかしっくり来ない気もするが、M4 CSはまさにM4ファミリーのミドルレンジに当たるモデルだ。

M4の標準グレードは£58,365(854万円)、限定生産されたサーキットスペシャルのGTSは目玉が飛び出そうな£120,500(1,763万円)である。

CSは、この大き過ぎる価格の隔たりの中間に位置するのだから、£89,130(1,304万円)と高価でも「中間グレード」だということになるわけだ。

その価格を正当化する材料としては、GTSから流用された斬新な軽量パーツが挙げられる。とはいっても、カーボン製のボンネットと2枚のドアだけではあるが。

脚回りはCS用に調整されているものの、ベースとなるのは標準モデルのアダプティブサスペンションで、GTSの魅力的な手動調整式ダンパーではない。また、シリンダー内へのウォーター・インジェクションも装備されない。

それでも、460ps/61.2kg-mのスペックは、標準モデルに£3,000(44万円)追加のオプションとなるコンペティション・パッケージより10ps/5.1kg-mのアップ。これは、エンジン制御のソフトウェアを書き換えたのみで達成している。

タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2だが、これはGTSと同じものだ。

カーボン製のフロントスプリッターとリアのリップスポイラーはCS専用品で、ディフューザーはGTSからの流用品。BMWによれば、標準モデルのDCT搭載車より35kg軽いという。

CSは限定モデルではないが、ミュンヘンでは今後2年で2000台程度生産しようと見込んでいる。

われわれは5月にもCS仕様を試乗しているが、そのときはニュルブルクリンク周辺の公道が舞台だった。今回は、英国でのテストドライブである。


■どんな感じ?

苛立ちと幸福を交互に

ある部分では、CSはわれわれが待ち望んだM4だと言えるが、別の部分では激しく苛立ちを覚えるのもまた確かだ。苛立ちは、日常的な使い勝手の面に感じる。

圧縮された天然繊維を用いた薄いドアの内張りは、ドアポケットもスピーカーも備わらない。小さなアームレストは用意されるが、角度がきつく、置いた肘はすぐにずり落ちそうになる。

キャビン中央側には、アームレストは設置されない。要は、標準モデルよりかなり高額でありながら、利便性はずっと劣るのである。

とはいうものの、内装の仕上げはみごとで、マテリアルのクオリティも高い。ただし、スエード巻きのステアリングホイールはリムが太すぎ、身体を包み込むようなシートは腰のサポートが絶対的に不足している。

アダプティブダンパーは、ハイグリップのカップ2を履くCS用にチューニングし直される。標準モデルより多少硬めなだけだが、はるかにダイレクトで、レスポンスにも優れる。

100mも走れば、このシャシーがいかに張りつめたもので、ステアリングフィールがいかにシャープかわかるはずだ。CSは完璧なまでに素晴らしい。そこがスムースな道であれば。

バンピーで狭い道に持ち込むと、このシャシーはどうにも硬すぎるように感じられる。脚の硬いクルマの常で、絶望的なまでに跳ね、バンプや畝のあるような場所では、タイヤが路面とのコンタクトを失いがちだ。

しかし、そう言う極端なケースを除けば、ダンパーは不整路面を十分いなし、タイヤをしっかりとアスファルトに押しつける。


標準M4の欠点とは? M4 CSではよくなった?

スタンダードなM4に対する最大の改善点は、ボディコントロールにある。とりわけ初期モデルのM4は不安定で、リアアクスルのコントロールに難があった。ここにトラクション不足も重なって、走りがとげとげしく、運転していてイライラさせられたものだ。

BMWは年次改良でその問題に取り組み続けてきたが、CSはこれまでのM4の中で最もまとまりのあるシャシーに仕上がっている。いや、Mモデルの長い歴史においても、その点ではベストかもしれない。

カップ2タイヤの性能もあって、コーナリングでのグリップは絶大。公道上では、いかなる道であってもシャシーに起因するアンダーステアは発生せず、トラクションもきわめて強力だ。

もちろん、少しでも路面が湿れば美味しいところを使えない類のコンパウンドだが、よりおとなしいタイヤはオプションでも設定されない。

2速から3速、4速にかけての加速感は強烈だ。ツインターボ直6はサウンドを楽しめるエンジンではないが、パフォーマンスについては疑問の余地はなく、スロットルレスポンスは特筆するほどではないが、ターボエンジンとしては適切だ。

これに組み合わされる7段DCTは、マニュアルモードでの変速がシャープで素早いものの、そのレスポンスはアウディやポルシェのそれほどではない。

なんとも残念なのは、このM4 CSにMTの設定がないことである。


■「買い」か?

シャシーの完成度はM4のなかでベスト

もし、探しているのが日常遣いできるクルマであるのなら、M4 CSをおすすめすることはきわめて難しい。より実用的で、ずっと価格の安いM4コンペティション・パッケージを選ぶべきだ。

にもかかわらず、シャシーの完成度でいえばベストなM4であり、純粋にドライバーズカーとして考えれば、Mの現行ラインナップ中で最も熟成されたモデルだ。

BMW M4 CS

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