レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はF1シンガポールGPでの大敗を受け入れ、決勝レース中にスピードアップを指示されたランド・ノリスが真のアドバンテージを示した時には、マクラーレンに「小馬鹿にされた」ようなモノだったと振り返った。
ノリスはレース序盤、タイトル争いを繰り広げるレッドブルのマックス・フェルスタッペンに数秒の差で首位を走行。チームとの短いやり取りの中で「6割のペース」で走っていると説明すると、チームからは次のような指示が飛んだ。
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「OK、そのペースを少し使って、できればマックスに5秒差をつけたい」
そこからノリスはプッシュし、8周目終了時点で2.6秒あった差を3周で5秒に拡大。その後も毎周約1秒ずつ2番手のフェルスタッペンを引き離していき、29周目にフェルスタッペンがピットインした時には24.7秒差となっていた。
シンガポールGPでのノリスのペースは、マクラーレンが持つ絶大なアドバンテージを示しており、ホーナー代表としては目からウロコの状況であり、レースでの敗北を受け入れたと説明した。
「ああ、あれは小馬鹿にされたみたいなモノだ……公式の場で言うべき言葉じゃないかもしれないけどね」
ホーナー代表はシンガポールGPの週末に勃発した“言葉狩り”騒動のジョークを交えつつ、そう語った。
「あの時点で彼(ノリス)があのタイヤで持っていたペースは……あそこで我々はペース面でレースの勝利を譲ることになった」
「見ての通り、彼はウォールに1度接触し、2度目の接触もあった。しかし彼らが逃げ切ったのは明らかだ」
「マックスはとても力強いレースをしたと思う。これが我々の全力だ。2週間前の状況を考えると我々は本当に進歩したと思う。でもオースティンの前にやるべきことは沢山ある」
またホーナー代表は、ミディアムタイヤでの第1スティントこそマクラーレンに圧倒されたものの、ハードタイヤでの第2スティントでは2チームが同等のペースだったことから、勇気づけられたと語った。
「最初のスティントで彼らはとても速かった」とホーナー代表は言う。
「ハードタイヤでは我々の方が良い状態に見えたと思うけど、もちろん、オーバーテイクするのが難しいコースでは、その頃にはギャップが大き過ぎた」
しかしマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、無事にチェッカーを受けるためノリスにペースを落とさせたことから、ハードタイヤでのペース差は実際のパフォーマンス差を示していないと明かした。
「公平を期すために言うと、第2スティント後半では、周回遅れの後ろにつくとマシンがトリッキーに感じられるという事実に注意を払っていた」とステラ代表は言う。
「ノートラブル、ノーミス、ノーロックアップが最重要だった。遅いマシンの後ろにつくとすぐ、マシンに何か問題があるように見えるというのは、フリー走行から既に分かっていたことだ」
「マシンを持ち帰ることに集中していた。ランドにはファステストラップへの挑戦を提案し、彼はそれを達成した。でもそれ以降は、ファステストラップの話はもうしなかった」
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